1837年にチャールズ・ルイス・ティファニーとジョン・B・ヤングにより、アメリカ・ニューヨークで創業された「ティファニー・アンド・ヤング」を前身とする。当初は文房具を主に扱っていたが、48年にヨーロッパの貴族からダイヤモンドのジュエリーを買い付け、アメリカでの販売を開始した。以降ジュエラーとしての道を歩む。86年には、現在エンゲージリングの典型的なデザインとして知られている、ダイヤモンドを6本の爪で留めるティファニーセッティングを生み出した。
時計との関わりは古く、53年にはニューヨーク本店の店舗入り口にギリシャ神話のアトラス神が時計を支える、通称「アトラス クロック」を設置した。この時計は長らくニューヨークの人々に親しまれ、映画にも登場している。68年、アメリカ初のストップウォッチ「ティファニー タイマー」を発表。74年にはジュネーブに自社工房を設立した。しかし20年ほどで工場を売却し、小売りに専念することとなる。
2015年、ふたつの新コレクション「ティファニー CT60」と「ティファニー イースト ウエスト」を発表し、本格的に再参入を果たした。CT60は、第32代アメリカ合衆国大統領のフランクリン・ルーズベルトが身に着けていた同社の腕時計をモチーフとした時計だ。またティファニー イースト ウエストは、1940年代のトラベルクロックにインスパイアされた横向きの時刻表示を持つ。ティファニーの印象深い外装箱に用いられるブルーを文字盤色とし、バゲットカットしたダイヤモンドインデックスを備える「ティファニー1837 メイカーズ」を擁する。この他に、アトラス クロックをモチーフとした「ティファニー アトラス」や、ブランドの頭文字“T”をデザインに落とし込んだ「ティファニー 1837」、女性向けモデル「ティファニー メトロ」などのコレクションを展開する。