時計用語辞典

ダブルバレル

Double barrel

主ゼンマイをふたつ設けた機構のこと。かつてはクロノグラフや独立秒針を駆動するものだったが、現在は主にパワーリザーブを延ばすためか、ゼンマイのトルクを増すために使われる。前者の代表例はIWCの52000系、後者はオメガ製キャリバー8500系やカルティエの1904MC系。メリットは小さなムーブメントに、より容量の大きな主ゼンマイを収められる点。対してデメリットは、輪列を小さくせざるを得ない点。かつてはあまり採用されなかったが、その高い省スペース性と、テンプの振り角が落ちにくいというメリットが好まれ、近年では基幹ムーブメントへの採用例も増えている。