【2023年発表の時計ベスト5】“ラグスポ”から話題の金無垢G-SHOCKまで! 前向きな気持ちにしてくれる5本

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2023.12.26

日本、そして世界を代表する著名なジャーナリストたちに、2023年に発表された時計からベスト5を選んでもらう企画。今回は時計ジャーナリストの篠田哲生が、ポジティブな気分にしてくれる時計として、IWCやグランドセイコーをチョイスした。

2023年発表時計


1位:IWC「インヂュニア・オートマティック 40」

 デザイナー、ジェラルド・ジェンタの思いを受け継ぐ形で、現代の技術でアップデート。ぐっと薄型化して、彼が好んだエルゴノミックなデザインがより強まった。購入したのはブラックだが、アクアがとてもきれいで、人気が高いのも納得の出来だ。

インヂュニア・オートマティック

IWC「インヂュニア・オートマティック 40」
自動巻き(Cal.32111)。21石。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.8mm)。10気圧防水。169万4000円(税込み)。


2位:グランドセイコー「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」

 Cal.9SA5をベースムーブメントとする戦略は、メンテナンス性も考慮したものであり、しっかりと先を見据えているグランドセイコーの安定感を感じさせた。奇をてらわぬスタンダードなデザインにまとめており、初めてのGSとしても進められる1本だ。

エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」
自動巻き(Cal.9SC5)。60石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約72時間。ブライトTiケース(直径43.2mm、厚さ15.3mm)。10気圧防水。181万5000円(税込み)。


3位:G-SHOCK「G-D001」

 40万50USドルという落札価格も驚きだが、40年分のG-SHOCKの開発データをカスタムAIに提供して最適化し、それを元にデザイナーやエンジニアが手を加えるという工程を繰り返しながら、構造設計やデザインを作っていく手法も新しい。この前衛的な姿勢が、G-SHOCKなのだ。

G-shock G-D001

G-SHOCK「G-D001」
光発電クォーツ。18KYG。20気圧防水。ユニークピース。


4位:オリス「プロパイロットX カーミットエディション」

 カレンダーディスクの「1」が、ディズニー・マペッツの人気キャラクターである「カーミット」の顔になっており、月の始まりを笑顔でスタートさせようという思いを込めたモデル。鮮やかなグリーンのダイアルも目を引き付ける。

プロパイロットX カーミットエディション

オリス「プロパイロットX カーミットエディション」
自動巻き(Cal.Oris400)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。Tiケース(直径39mm)。10気圧防水。72万6000円(税込み)。


5位:ビバー「カリヨン トゥールビヨン ビバー」

 スイス時計業界の大物経営者ジャン-クロード・ビバーが、最後の挑戦として始めた時計ブランド「ビバー」。奥様や息子たちと始めたとても小さなファミリーブランドだが、時計自体は“超ハイコンプリ”。今後の行く道が気になる時計ブランドである。

カリヨン トゥールビヨン ビバー

ビバー「カリヨン トゥールビヨン ビバー」
自動巻き(Cal.JCB-001)。44石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径42mm、厚さ13.70mm)。5気圧防水。


総評

 2023年は何かと気が滅入ることもあった。それでも人生は続いていく。だからこそ、時計を眺める瞬間やその時計が刻む時間はポジティブなものでありたい。そういう思いを込めて、前向きな気分になれそうな時計をセレクトしてみる。

 1位はIWC「インヂュニア・オートマティック 40」。これは実際に自分が手に入れた時計で、ようやく念願の“ジェンタラグスポ三部作“をコンプリート。時計自体の出来もとても良い。

 2位はグランドセイコー「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」。日本の時計ブランドの躍進は、時計の仕事をしている者として誇らしいし、ポジティブなパワーをもらえる。待望の機械式クロノグラフの登場は、まさに今年のうれしいトピックだ。

 3位も国産ブランド。G-SHOCK40周年の節目を飾るユニークピース「G-D001」は、フィリップスのオークションにて約5800万円で落札された。そもそもカジュアルなスポーツウォッチがオークションに参加すること自体が前例のないこと。G-SHOCKが世界ブランドなった証明だろう。

 4位はオリス「プロパイロットX カーミットエディション」。毎月1日になるとカレンダー窓にカーミットが現れるという仕掛けは、まさにポジティブに生きたい人におすすめだ。

 最後の5位はビバー「カリヨン トゥールビヨン ビバー」。久しぶりにジャン-クロード・ビバーにもインタビューできたが、そのポジティブな熱量は健在。その思いが宿った時計は、やはり魅力だった。

 時計とは、人生という時間を豊かに彩るもの。ポジティブな気持ちになるなら、まずは腕元の時計を眺めることから始めたい。



選者のプロフィール

篠田哲生

篠田哲生

1975年生まれ。講談社『ホットドッグプレス』編集部を経て独立。時計専門誌、ファッション誌、ビジネス誌、新聞、ウェブなど、幅広い媒体で硬軟織り交ぜた時計記事を執筆している。また仕事の傍ら、時計学校「専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ」のウォッチコース(キャリアスクールウォッチメーカーコース)に通い、時計の理論や構造、分解組み立ての技術なども学んでいる。クロノス日本版のTop 10 Rankingのレギュラー選考委員。2020年には『教養としての腕時計選び』(光文社新書)を上梓。


IWCのCEOにインタビュー「インヂュニア・オートマティック 40」のディテールはどう選ばれたか?

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