2024年 ゼニス新作時計を一気読み!

FEATURE2024年新作時計
2024.04.10

ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2024で発表された、ゼニスの新作時計をまとめて紹介する。1969年誕生の、最初期の「デファイ」コレクションから着想を得た「デファイ エクストリーム ダイバー」と「デファイ リバイバル A3648」が目立つ一方で、モダンな「デファイ スカイライン クロノグラフ」も新作のラインナップを彩っている。

ゼニス デファイ エクストリーム ダイバー


ゼニス「デファイ エクストリーム ダイバー」

 1969年に誕生し、最初期の「デファイ」コレクションにもその名を連ねた「デファイ ダイバー」が、歴代モデルに着想を得ながら現代的に生まれ変わった。シグネチャーである角張ったケースに12角形ベゼルを組み合わせる「デファイ」独自のデザインを踏襲しつつ、回転ベゼルや水中で瞬時に読み取れる鮮やかなカラーアクセントといった、ダイバーズウォッチに必須の要素が組み込まれている。

ゼニス デファイ エクストリーム ダイバー

ゼニス「デファイ エクストリーム ダイバー」(左)Ref. 95.9600.3620/21.I300、(右)Ref. 95.9601.3620/51.I301
自動巻き(Cal.エル・プリメロ 3620 SC)。27石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。Tiケース(直径42.5mm、厚さ15.5mm)。600m防水。149万6000円(税込み)。

 ケース素材には、重量対強度の比率が高く、海水に対して優れた耐食性を持つチタンを採用。69年の歴史的な「デファイ A3648」と同様、600m(1969フィート)の防水機能を備え、ケースには飽和潜水を想定したヘリウムエスケープバルブが備えられている。これらの条件は、ISO 764が定める耐磁性能、およびISO 1413が定める耐衝撃性能を含め、プロフェッショナル ダイバーズウォッチを対象としたISO 6425規格を満たす。セラミックス製の逆回転防止ベゼルは、グローブをはめていても操作しやすいよう、縁に溝が刻まれている。

ゼニス 2024年新作 デファイ

 カラー展開はブラックとブルーの2色であり、文字盤のサンバースト仕上げは12時位置のゼニススターから放射状に広がる光を表現している。大きな針とアワーマーカーには「X1」グレードのスーパールミノバ3種類が塗布され、それぞれがブルー、グリーン、オレンジに発光することで時・分・秒の判別を容易にしている。ブライトオレンジのアクセントは、「デファイ」の歴史あるダイバーモデルへのオマージュだ。

 裏蓋はトランスパレント式を採用し、高振動の自動巻き自社製ムーブメントCal.エル・プリメロ 3620-SCの駆動を鑑賞可能にする。この脱進機は主要部品に非金属のシリコンを使用し、耐磁性を備えている。

ゼニス 2024年新作 デファイ

 本コレクションはチタン製の3連ブレスレットに加え、交換用ストラップ2本が付属する。うち1本は文字盤と同系色のFKMラバーに質感のあるコーデュラ・エフェクトが施され、水が抜けるようサイドに通気孔が設けられている。環境負荷を減らし、よりサスティナブルな製造を目指すゼニスの取り組み「ZENITH HORIZ-ON」に基づき、漁網をリサイクルして作られた、ウェットスーツの上から着用できるエクストラロング ストラップも付属する。


ゼニス「デファイ リバイバル A3648」

ゼニス デファイ リバイバル A3648

ゼニス「デファイ リバイバル A3648」Ref. 03.A3648.670/21.M3648
自動巻き(Cal.エリート 670)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径37mm、厚さ15.5mm)。600m防水。101万2000円(税込み)。

 前述したA3648は、「デファイ」コレクションとしても、そのダイバーズウォッチとしても最初期のモデルに数えられる、人気のヴィンテージウォッチだ。今回、ゼニスはこのA3648を復刻した。ゼニスが近年取り組む、アイコニックな過去のリファレンスの復刻の中でも、ヴィンテージ ダイバーズウォッチが復刻されるのは本作が初である。

 直径37mmのステンレススティールケースは、初代「デファイ」のシグネチャーである角張ったフォルムを採用。当時のモデルに見られた14面のステンレススティールベゼルも受け継がれている。このベゼルは逆回転防止仕様となっており、かつてプレキシガラスで作られていたインサートはサファイアクリスタルで製作されている。

ゼニス デファイ エクストリーム ダイバー

 A3648から継承される魅力であり特徴的なのが、ブラックとオレンジのコントラストだ。ベゼルにはブライトオレンジに刻まれたブラックの目盛りが再現され、マットブラックの文字盤はオレンジカラーの針とミニッツトラックがコントラストを効かせている。アワーマーカーと針にはホワイトのスーパールミノバが塗布され、明るいグリーンの発光が持続する。

ゼニス デファイ エクストリーム ダイバー

 4時位置のリュウズはねじ込み式を採用し、裏蓋がサファイアガラス製のトランスパレント式でありながら600mの防水性能を誇る。69年当時、この防水機能はまさに偉業であった。コンパクトなケースサイズでこの防水性能を実現できることにゼニスの実力を垣間見る。また、600mに相当する1969フィートは、A3648を含む「デファイ」ウォッチコレクションが発表された年という象徴的な数字である点も興味深い。

 オリジナル同様に、フォールディングバックル付きのステンレススティール製5連ブレスレットを備える。このブレスレットは、有名なゲイフレアー社が69年のA3648のために製造したものを再現したものだ。


ゼニス「デファイ スカイライン クロノグラフ」

ゼニス デファイ スカイライン クロノグラフ

ゼニス「デファイ スカイライン クロノグラフ」(左)Ref. 03.9500.3600/51.I001、(中)Ref. 03.9500.3600/01.I001、(左)Ref. 03.9500.3600/21.I001
自動巻き(Cal.エル・プリメロ 3600)。35石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径42mm)。10気圧防水。176万円(税込み)。

 69年に誕生した「デファイ」コレクションのリファレンス A3648へオマージュを捧げながら、モダンなルックスへとアップデートを果たし、2022年に発表された「デファイ スカイライン」。このコレクションに、ゼニスを代表する自動巻きクロノグラフキャリバー、 エル・プリメロを搭載する新モデル「デファイ スカイライン クロノグラフ」が追加された。

 複雑なファセットカットが目を引く直径42mmのステンレススティールケースは、初期の「デファイ」の八角形ケースと多面のベゼルをベースに、よりエッジの効いた現代的な美しさとプロポーションへと仕上げられたものだ。ねじ込み式リュウズの採用によって10気圧の防水機能が確保され、ケースのシャープなラインに沿ってプッシュボタンが配置されている。

ゼニス デファイ スカイライン 2024年新作

 世界初の自動巻きクロノグラフ キャリバー エル・プリメロは、1970年代初期に「デファイ」コレクションにも搭載された。本作の文字盤には4つの点を結んだ星のエングレービングでコレクションのシグネチャーの星空が描かれるとともに、クロノグラフの秒・分積算計とスモールセコンドを表示する3つの大きなクロノグラフカウンターを備える、エル・プリメロ伝統の文字盤デザインが採用されている。日付表示もエル・プリメロの特長である4時半位置に配置されている。1/10秒単位のスケールが刻まれたフランジリングは、12角形のベゼルとリンクする12面のファセットを備え、アワーマーカーの延長として機能する。

ゼニス デファイ スカイライン 2024年新作

 文字盤はメタリックなブラック、ブルー、シルバーの3色展開だ。3連のステンレススティールブレスレットに加え、各文字盤と同じカラーのラバーストラップが付属する。「デファイ スカイライン」の特長のひとつが、ケースに組み込まれたクイックストラップチェンジ機構であり、これにより工具を使わず簡単にストラップを交換できる点も嬉しい。

 ブランドの歴史を味わいながら、ビジネスからカジュアルまでオールマイティーに使用できる、スタイルと機能性が巧みに融合した1本である。


Contact info:ゼニス ブティック銀座 Tel.03-3575-5861


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