2024年 ローラン・フェリエの新作時計を一気読み!

FEATURE2024年新作時計
2024.04.11

ローラン・フェリエは、2024年の新作モデルとして「クラシック・ムーン」を披露した。ブランドの初心に立ち返ったクラシカルな印象のある本作には、アニュアルカレンダーに加え、ブランド初となるムーンフェイズが搭載されている。バリエーションとしてステンレススティールモデルと18Kレッドゴールドモデルの2種がラインナップされる。

ローラン・フェリエ クラシック・ムーン

2024年新作「クラシック・ムーン」

 ローラン・フェリエは、「クラシック コレクション」の新作として「クラシック・ムーン」の2モデルを披露した。2024年の最新作である本作は、伝統的なシルエットに、アニュアルカレンダーとブランド初となったムーンフェイズの両方を搭載している。

ローラン・フェリエ クラシック・ムーン

ローラン・フェリエ「クラシック・ムーン」Ref.LCF039.R5.G3N
手巻き(Cal.LF126.02)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。18KRGケース(直径40mm、厚さ12.9mm)。3気圧防水。ピンバックルモデル:1496万円(税込み)。フォールディングクラスプモデル:1551万円(税込み)。

 10年に、同名の時計師とその息子によって創業されたローラン・フェリエは、その年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)でベストメンズウォッチ賞を獲得し、華々しいデビューを飾った。新作の2モデルでは、この時の受賞モデルである「クラシック・トゥールビヨン」のデザインを改めて採用したことで、ブランド史上初のムーンフェイズモデルにふさわしい佇まいが備わった。

ローラン・フェリエ クラシック・ムーン

ローラン・フェリエ「クラシック・ムーン」Ref.LCF039.AC.C1WC
手巻き(Cal.LF126.02)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径40mm、厚さ12.9mm)。3気圧防水。ピンバックルモデル:1309万円(税込み)。フォールディングクラスプモデル:1336万5000円(税込み)。

 バリエーションは、ステンレススティールモデルと18Kレッドゴールドモデルの2種が用意される。それぞれのケースはエッジのない緩やかな曲線を描いており、全面にポリッシュ仕上げが施された高級感のある仕上がりだ。リュウズも優美かつ操作しやすいボール型で、細部まで配慮されたそのシルエットには、ローラン・フェリエらしいデザイン特性が反映されている。

ローラン・フェリエ クラシック・ムーン

繊細な曲線を描くラグとケースは、人間工学に基づく軽快な着用感を備えている。また、それぞれのモデルには同色系統のカーフレザーストラップが取り付けられており、時計全体に一体感がもたらされている。

 本作のトピックであるムーンフェイズ機能は、6時位置の大ぶりのインダイアルにスモールセコンドともに配置されている。ペトロール ブルーのエナメルとアベンチュリンガラスの組み合わせによってダークブルーに彩られており、文字盤の中でステンドグラスのような輝きを放つ存在だ。その製作には職人の手作業が不可欠であり、アベンチュリンガラスを月と星の形に彫り上げたのちに、繊細なハンドペイントによって完成を見る。

ローラン・フェリエ クラシック・ムーン

月と星にはスーパールミノバが塗布され、その焼成後に月のクレーターが彫られている。暗所ではその精密な造形がより際立つだろう。なお、ふたつの月は北半球と南半球での月相をそれぞれ表示しており、NとSのマーカーで判別できるようになっている。

 もうひとつの搭載機構であるアニュアルカレンダーは、ポインターデイト針で日付を、中央のふたつの窓で月、曜日を表示する仕様だ。30日と31日の月をそれぞれ認識し、適宜翌月の1日へ自動的に日送りすることで、年に1度、3月1日のみの調整で正しい日付を表示し続ける。

 これらの機構が盛り込まれたダイアルは、同様のレイアウトながら2モデルで全く異なる印象を見せている。18Kレッドゴールドモデルは、縦方向に細かいサテン仕上げを施したシルバーダイアルを採用。カラフルな色使いが際立つクラシカルな顔立ちで、すらっと伸びたアセガイ型の時分針とインデックスがそのエレガンスを引き立てている。

ローラン・フェリエ クラシック・ムーン

ミニッツトラックは鮮やかなペトロールブルーに彩られており、チェリーレッドのポインターデイト針が日付を表示する。クラシカルなフォントの日付は、31日のみポインターデイト針と同じチェリーレッドで彩られた。

 一方、ステンレススティールモデルでは、伝統のデザインがモノクロカラーで再現されており、モダンな印象が強い。ダイアルはオパーリン仕上げのグレーブルーカラーを採用しており、ホワイトの時分針、インデックスとのシャープなコントラストが際立つ仕上がりだ。ミニッツトラックとポインターデイト針のブルーも印象的で、文字盤に爽やかさが添えられた。

ローラン・フェリエ クラシック・ムーン

2種のダイアルはいずれも控えめなエレガンスを演出しており、6時位置のユニークなムーンフェイズと絶妙なバランスでマッチしている。

 心臓部には、新開発の手巻きムーブメントCal. LF126.02を搭載する。先代のCal.LF126.01に改良を施し、ムーンフェイズおよびアニュアルカレンダーの搭載に加え、約80時間のパワーリザーブを実現したムーブメントだ。各種機能の調整は、8時位置と9時位置の間と、10時位置に配されたフラッシュフィット式コレクターで行うようになっている。

 また、本機はトランスパレント仕様のケースバックから、そのバックビューを鑑賞することができる。ローターのない手巻き式であるため、広々とその装飾を楽しめだろう。伝統的なロングブレードのラチェット爪も見どころとなる。さらに、背面にはパワーリザーブインジケーターが配置されているため、残量を確認しながらの巻き上げが可能だ。

ローラン・フェリエ クラシック・ムーン

ムーブメントの背面では、すべてのブリッジに対し、ロジウム仕上げとコート・ド・ジュネーブ仕上げが施されている。また、メインプレートや各スクリュー、エッジからも丹念な仕事ぶりが見て取れる。


Contact info: スイスプライムブランズ Tel.03-6226-4650


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