セイコー アストロン「Nexter」は、GPSソーラーをはじめとする、最先端技術と洗練されたデザインを融合させた革新的な腕時計だ。世界中どこにいても正確な時刻を提供し、ビジネスからカジュアルまで幅広いシーンで活躍する。中でも最新モデルは、デュアルタイム表示やクロノグラフ機能を搭載し、機能性とスタイルを兼ね備えたラインアップが魅力。本記事では、現行のおすすめモデルを厳選して紹介する。
セイコー アストロン「Nexter」とは?
1969年、セイコーは世界で初めてクォーツ式腕時計「クオーツ アストロン」を実用化し、時代に大きな革新をもたらした。精密機械から電子制御へと腕時計を進化させたこの挑戦は、やがて2012年に誕生するGPSソーラーウォッチへとつながっていく。GPS衛星からの信号を受信し、自動で現地時刻を取得するセイコー アストロンは、移動の多いビジネスパーソンにとって理想的な存在となり、セイコーの技術力を象徴するシリーズとして世界に認知された。
そんなセイコー アストロンが、誕生10周年の節目に新たなステージへと歩みを進めたシリーズが「Nexter」だ。これまでのユーザー像にとらわれず、急速に変化するビジネス環境や価値観に応えるかたちで、“次世代のリーダー”という新たなターゲット像を設定。コンパクトながらも重厚感のあるフォルム、スマートな着用感、そしてジャケットスタイルに合う落ち着きのあるカラーが、知性と柔軟さを併せ持つ現代的な人物像と見事に調和している。
搭載ムーブメントは、Cal.5X83を筆頭とする、軽快な操作性と高精度を兼ね備えたGPS衛星電波修正方式と、GPSによる時刻修正機能を持たない標準電波修正方式の大きく2種類。外装面では、エッジの効いたケースラインと細部にまで施されたヘアライン仕上げが、ソリッドな印象と洗練された美しさを演出している。さらに、ダイアルの立体的なインデックスやインダイアルのコントラスト、ブレスレットとの一体感を高めた設計は、視覚的にも機能的にも完成度が高い。Nexterは、セイコー アストロンが築き上げてきた技術の集大成でありながら、未来を担う世代の価値観に真正面から応える、新時代のGPSソーラーウォッチといえる。

セイコー アストロン「Nexter」おすすめモデル5選
先進性と美しさを併せ持つセイコー アストロン「Nexter」シリーズから、デザインと機能が際立つおすすめの5モデルを厳選して紹介する。
新型ムーブメントを搭載したRef.SBXC159

GPSソーラー(Cal.5X83)。フル充電時約6カ月駆動(パワーセーブ時約2年)。Tiケース(直径42mm、厚さ12.4mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。28万6000円(税込み)。
2024年、これまでのCal.5X系のムーブメントが刷新され、より進化したCal.5X83が誕生した。新機構ではデュアルタイム表示と1/20秒計測が可能なストップウォッチが搭載され、従来のタイムトランスファーもスピードアップ。その最初の搭載モデルのひとつとして登場したのが、「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ」である。
中でもRef.SBXC159は、チタン製のベゼルと直径42mmのケースサイズによって、シャープな造形と軽快な着用感をもたらしている。外装にはダイヤシールド加工が施され、耐久性と高級感を両立。縦三つ目のサブダイアル配置は、センター秒針のクロノグラフ機能と第2時間帯の同時表示を可能にし、視認性と均整の取れたレイアウトを見事に両立している。さらに、サファイアガラスとフラットな風防が光の反射を抑え、どの角度からも文字盤の表情を楽しめる構造となっている。
Ref.SBXC159のもうひとつの魅力は、シルバーを基調とした文字盤の質感にある。光を透過しつつ、反射板の光沢を生かした構造によって、ソーラー時計の課題とされる内部パーツの“透け”を解消。縦方向の筋目加工やサブダイアルのサーキュラーパターンが、全体に立体感と知的なニュアンスを加え、モーター配置の最適化により、針の動きもスムーズかつ高速化されるなど、シャープなルックスと操作性が共鳴する1本に仕上がっている。テクノロジーと意匠が融合したこのモデルは、アストロンの進化を象徴する傑作である。
サファイアクリスタル製ベゼルを持つRef.SBXC175

GPSソーラー(Cal.5X83)。フル充電時約6カ月駆動(パワーセーブ時約2年)。Tiケース(直径44.1mm、厚さ14.4mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。35万2000円(税込み)。
Ref.SBXC175は、従来のGPSソーラーウォッチの概念を一新する1本である。2025年の新作として登場したこのモデルもまた、正確な時刻修正を行うCal.5X83を搭載。デザインにおける圧倒的な存在感を示す一方、衛星電波によるタイムゾーン補正やデュアルタイム表示に加え、日常使いに最適な操作性と耐久性も備えている。
最大の魅力は、ベゼルに用いられたサファイアクリスタルの透明感と光沢である。従来の金属素材では出せなかった奥行きある表情が、Ref.SBXC175に高級感と洗練された個性を与えている。斜面に鏡面加工を施したチタンケースとの組み合わせにより、スポーティーさの中にエレガンスを溶け込ませている点も見逃せない。さらに、デュアルカーブサファイアの風防にはクリアコーティングが施され、視認性と美観が共存する造形を実現している。
Ref.SBXC175は、精悍さと華やかさを巧みに両立させた仕上がりで、装いを選ばない万能さを備えている。5列構造のブレスレットはポリッシュとヘアラインを絶妙に切り替え、手首に立体感と上質な質感を演出。GPSによる自動修正やストップウォッチ、パーペチュアルカレンダーといった多彩な機能を、直感的な操作で使いこなせる。高精度と審美性が共存するこのモデルは、セイコー アストロンにまた新たな魅力を吹き込んでいる。
オールブラックが精悍な印象を放つRef.SBXC179

GPSソーラー(Cal.5X83)。フル充電時約6カ月駆動(パワーセーブ時約2年)。Tiケース(直径44.1mm、厚さ14.4mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。37万4000円(税込み)。
2025年の新作であるSBXC179は黒を極めたスタイルが目を引くモデルだ。艶を抑えた重厚なボディは、着ける者に自信を宿すと同時に、研ぎ澄まされた機能美を体現する。都市でも自然の中でも溶け込むカラーリングは、シーンを選ばず手元に静かな存在感を添えてくれる。
ケースとベゼルには、耐傷性に優れたブラックダイヤシールドを施した純チタンを採用。ベゼルの表示板にはサファイアガラスを組み合わせて奥行きと透明感を演出し、モダンな雰囲気を強めているのも見事だ。デュアルカーブの風防はクリアコーティングにより視認性を高め、光の角度によって表情を変える。また、ブレスレットは着脱しやすいワンプッシュ仕様で、装着感を高めるスマートアジャスターも搭載。仕上げの細部に至るまで、上質さを追求した1本である。
Ref.SBXC179の心臓部であるCal.5X83は、秒単位のクロノグラフ計測やデュアルタイム表示をはじめとする充実のスペックを搭載。38タイムゾーン対応のワールドタイム機能に加え、1/20秒まで測定できるストップウォッチ、さらには2100年まで調整不要のパーペチュアルカレンダーなど、頼れる機能が揃っている。モード切替や針の動作も滑らかで、ストレスを感じさせない快適な操作性を実現。ブラックの装いに宿る力強さとテクノロジーの融合が、次世代のリーダー像を際立たせている。
“パンダ”ダイアルが特徴的なRef.SBXY095

電波ソーラー(Cal.8B92)。フル充電時約6カ月駆動(パワーセーブ時約2年)。Tiケース(直径41.3mm、厚さ10.6mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。17万6000円(税込み)。
Ref.SBXY095はクラシカルな“パンダ”フェイスを採用した、実用性と遊び心を併せ持つ1本である。ホワイトの文字盤にブラックのインダイアルを組み合わせたレイアウトは、スポーツクロノグラフを想起させる力強いビジュアルに仕上がっている。サイズは控えめな41.3mmで、厚みも10.6mmと非常にスマート。軽快なチタンケースと洗練された配色が融合し、オンオフ問わず着用できる万能感を漂わせている。
このモデルに搭載されているのは、GPSではなく標準電波を利用したCal.8B92。日本、アメリカ、ドイツ、中国の基地局から発信される時刻信号を受信し、自動で時刻とカレンダーを修正する安心の仕様だ。さらに、ストップウォッチやワールドタイムなど多機能ながらも、操作はシンプルで扱いやすい。過充電防止やパワーセーブ機能も備え、フル充電時には約6カ月間駆動。見た目のキャッチーさに反して、堅実なスペックを持つ1本である。
ケースには軽量で強靭なチタンを採用し、ダイヤシールド加工によりキズにも強い仕上がり。風防はサファイアガラスにスーパークリアコーティングを施し、視認性と耐久性を両立させている。5時位置のねじロック式リュウズや、着脱のしやすいワンプッシュ式バックル、アレルギーに配慮した素材選定など、細部にわたって日常使いを意識した設計が光る。Ref.SBXY095は、アストロンの技術とデザインを身近に楽しめる、現代的なエントリーモデルといえるだろう。
天体モチーフのダイアルを持つRef.SBXD023

GPSソーラー(Cal.3X62)。フル充電時約6カ月駆動(パワーセーブ時約2年)。Tiケース(直径42mm、厚さ12mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。27万5000円(税込み)。
Ref.SBXD023は、セイコー アストロンの中でも異彩を放つモデルである。文字盤には、惑星の表面を思わせる砂目調のパターンを採用し、深みのある青が手首に神秘的な存在感をもたらす。地球をイメージした色調と質感は単なるデザインではなく、自然や宇宙への敬意が込められているように感じられるほどだ。中心を大胆にくり抜いた太めの時分針や堂々としたインデックスが高い視認性を実現し、視覚的なアクセントとしても効果的に機能している。
このモデルの個性を際立たせているのが、異素材の組み合わせで構築された二層構造のベゼルである。上層のアルミに刻まれた6つのスリットから、下層の金属素材がわずかにのぞく立体的なデザインは、どこか近未来の工業製品を思わせる独特の造形美を持つ。さらに、ブレスレットのコマ一つ一つに施された面取りが、光の当たり方で繊細な陰影を生み出し、見る角度によって多彩な表情を描き出す。こうした緻密な作り込みが、高級感を裏打ちしている。
Ref.SBXD023には、衛星電波で自動的に現地時刻を補正する高性能Cal.3X62が搭載されている。世界中どこにいても正確な時間を受信できるほか、パーペチュアルカレンダーやパワーリザーブ表示など、日常生活に役立つ機能も充実している。ケース厚わずか12mmという薄型構造により装着感も軽やかで、純チタンのケース素材は軽量かつ高い耐久性を誇る。精密さと着け心地、そして宇宙的なロマンが一体となったこのモデルは、セイコー アストロンの先進性と詩的な感性が融合した1本と言える。