ブローバの新作「アーカイブスシリーズ スノーケル」を深掘り! バイオセラミックケースで軽快かつカラフルな装いを

2026.04.06

時計ライターの佐藤しんいちが、2026年の注目作としてブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」を紹介する。本作はブローバの名作である“デビルダイバー”をベースに、ポップな色彩に再デザインしたモデルだ。また、アイコニックなオーバル型のケースを、セラミックスとプラスティックの複合素材であるハイブリッドセラミック製として軽快に仕立てている。海洋生物から着想を得た4つのカラーが用意され、各カラーに合わせてケース、文字盤、ラバーストラップがコーディネートされている点も魅力だ。

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B445

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B445は、ブルーとイエローの鮮やかなツートンカラーを持つ海洋生物ナンヨウハギをモチーフとする。文字盤は、波模様が施された新デザインだ。
佐藤しんいち:文
Text by Shin-ichi Sato
[2026年4月8日公開記事]


70年代のブローバのダイバーズウォッチ“デビルダイバー”をポップに再デザインした新作

 2026年に発表された新作時計のうち、ライターの佐藤しんいちが注目しているのが、“デビルダイバー”のケースをバイブリッドセラミック製に改め、ポップなカラーに仕立てた「アーカイブスシリーズ スノーケル」である。ケース径41mm、厚さ14.6mmというボリューム感は従来モデルとほとんど変えずに、ハイブリッドセラミック製ケースによって軽快に仕立てられているのが印象的である。今回は、ベースとなったデビルダイバーについておさらいしつつ、本作の魅力について深掘りする。

“デビルダイバー”の歴史と復刻モデル

 本作は、1970年代に誕生した「オーシャノグラファー」と、それの復刻モデルにあたる「アーカイブスシリーズ オーシャノグラファー“デビルダイバー”」の派生モデルである。そこで、本作について紹介する前に、本家デビルダイバーについて説明しよう。

 オーシャノグラファーが誕生した1970年代は、ダイビングがレジャースポーツとして広まり始めた時代である。その少し前の1960年代には、ブローバが居を構えるアメリカではサーフィンブームを迎え、マリンスポーツ向けの防水性能の高いモデルが増えていたという背景があった。

 ここで発表されたのがオーシャノグラファーであった。当時、腕時計の防水性というと300フィート(約90m)程度が多かったのに対し、オーシャノグラファーは666フィート(約200m)という高い防水性能を備えていた。また、文字盤にはその性能を示すために“666 FEET”と記載された点も注目された。“666”という表記は、新約聖書のヨハネの黙示録に登場する悪魔の数字を想起させるものであったため、“デビルダイバー”の異名でも知られる存在となったのであった。

ブローバ デビルダイバー

ブローバ「アーカイブスシリーズ オーシャノグラファー“デビルダイバー”」Ref.96B350
オリジナルモデルを復刻した1本。ISO 6425に準拠したダイバーズウォッチである。自動巻き。SSケース(直径41mm、厚さ14.6mm)。20気圧防水。9万200円(税込み)。

 このオリジナルモデルを復刻したのが、「アーカイブスシリーズ オーシャノグラファー“デビルダイバー”」である。オリジナルモデルのオーバル型ケース、回転ベゼル、視認性を助ける文字盤上の十字のデザイン、宝石を爪で留めたかのような透明なパーツによるインデックス、視認性の高い太い時分針といったアイコニックなデザインが継承されており、完成度の高い仕上がりを持つ1本である。

ブローバ新作は「アーカイブスシリーズ スノーケル」

 そんなブローバの新作アーカイブスシリーズ スノーケルは、デビルダイバーをベースとしながら、ポップなカラーリングに仕立てたモデルだ。ブローバの担当者は、本作の企画の原案として、「家族の古い持ち物を自分のスタイルへ取り入れるというムーブメントから着想を得た」と説明している。また、多様化するファッションの文脈の中で、1970年代への再注目もひとつの流れ(家族の古い持ち物を取り入れることと連動しているかもしれない)となっており、これらを反映したベースモデルのチョイスであろう。

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」

新作の「アーカイブシリーズ スノーケル」は、海洋生物から着想を得た色鮮やかな4つのカラーで展開される。ケースは軽量なハイブリッドセラミック製で、さらさらとした肌触りが特徴である。

 用意されるのは4つのバリエーションで、注目は各モデルに合わせて調色されたハイブリッドセラミック製ケースである。ハイブリッドセラミックは、プラスティックとセラミックスの複合素材であり、本作のようにさまざまなカラーに仕立てることができる。本作は10気圧の防水性能を実現しており、ダイビングに使うことはできないが、日常生活では十分な性能を有する。また、ベゼルもハイブリッドセラミック製だ。

オリジナリティーが盛り込まれたデザイン

 アーカイブスシリーズ スノーケルは、デビルダイバーのアイコニックなスタイリングを継承しつつ、ポップなカラーリングに改められたのに合わせて、オリジナリティーのあるデザインとなっている。印象が大きく変わったのはインデックスだ。よりコンサバティブなバーインデックスとなり、時分針も細く、スタイリッシュとなって、タウンユースにマッチするデザインとなっている。文字盤には、水面を思わせる波状の模様が施され、ダイバーズウォッチの系譜を表現している。

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B445

ブルーモデルのRef.98B445。文字盤の模様の掘り込みが深く、陰影が生まれて表情となっている。強い夏の日差しの下で映えそうだ。ボックス型で立体的な風防が採用されており、レトロテイストを生み出すポイントとなっている。

 4つのカラーは海洋生物から着想を得たもので、ケースバックにはそれぞれのモチーフとなった生物が刻印されている。ブルーモデルのRef.98B445は、ブルーとイエローのツートンカラーを持つナンヨウハギがモチーフだ。各モデルのベゼルの一部にはアクセントとなるカラーが配されており、本作では、ナンヨウハギのチャームポイントであるレモンイエローが差し色となっている。

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B445

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B445
クォーツ。ハイブリッドセラミックケース(直径41mm、厚さ14.6mm)。10気圧防水。4万6200円(税込み)。

 グリーンのRef.98B446はウミガメをモチーフとする。ライトグリーンのケースに、ウミガメの甲羅を想起させるブラウンの文字盤が組み合わされる。ケースやラバーストラップはブルーを感じさせる色調にまとめられており、澄んだエメラルドグリーンの海で泳ぐウミガメを表現しているのではなかろうか。

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B446

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B446
ウミガメをモチーフとするグリーンモデル。クォーツ。ハイブリッドセラミックケース(直径41mm、厚さ14.6mm)。10気圧防水。4万6200円(税込み)。

 オレンジモデルのRef.98B448は、カクレクマノミをモチーフとしている。カクレクマノミは、オレンジをベースにホワイトのストライプと、ブラックのワンポイントが特徴的で、魚をモチーフとしたアニメーション映画の主人公となるなど、人気や知名度が高い。本作は、ラバーストラップをオレンジ、ケースや文字盤、ベゼルをホワイト、ベゼルの一部や各種印字にブラックを用いることで、カクレクマノミの特徴的なスリートーンのカラーリングを表現している。

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B448

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B448
アニメ映画で主人公になるなど、人気も知名度も高いカクレクマノミをモチーフとするオレンジモデル。クォーツ。ハイブリッドセラミックケース(直径41mm、厚さ14.6mm)。10気圧防水。4万6200円(税込み)。

 グレーのRef.98B449は、日本ではホオジロザメと呼ばれるホワイトシャークをモチーフとする。ホワイトシャークは、腹側のホワイトと背側のグレーのツートンカラーが特徴のサメだ。多くの映画で恐怖の対象として描かれるが、個体数の減少から生物学の観点では保護が必要とされるサメである。ストラップとベゼルは濃いグレーで、ケースは薄いグレーであり、今回のラインナップの中では、最も落ち着いたカラーリングであったことが印象的であった。

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B449

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」Ref.98B449
恐怖の対象として描かれることも多いホワイトシャークをモチーフとするグレーモデル。クォーツ。ハイブリッドセラミックケース(直径41mm、厚さ14.6mm)。10気圧防水。4万6200円(税込み)。

軽量な着用感でハイブリッドセラミック製ケースの恩恵を感じる

 本作はケース径41mm、厚さ14.6mmとボリューム感があり、従来のオーシャノグラファー“デビルダイバー”と同等である。従来のステンレススティール製のデビルダイバーでは、ラバーモデルが約99g、ブレスレットモデルが約160gと、ずっしりと重量感のある仕立てであったのに対し、スノーケルは約62gで、手に取ってみると軽量さが際立つ仕上がりであった。

 本作のようなカラフルでボリューム感のあるモデルは、夏場の半袖のコーディネートに合わせたくなる。こういった軽快な着用感は、本作を選びたくなる魅力のひとつだ。

 本作のラバーストラップは、ヴィンテージのダイバーズウォッチで用いられたトロピックストラップを思わせるデザインだ。特徴は、ファブリック状のテクスチャーと、デザイン上のワンポイントにもなっている通気孔、ワニの背のような縁の突起である。この組み合わせは、時計全体にレトロな雰囲気を加えつつ、軽快な着用感にも寄与している。

ブローバ「アーカイブスシリーズ スノーケル」

1950年代に起源を持つトロピックスタイルのラバーストラップは、現在ではヴィンテージダイバーズウォッチらしさを演出するデザインとして親しまれている。本作ではカラーに合わせて鮮やかに仕立てられており、印象を決める重要な要素となっている。


ヴィンテージデザインをポップに仕立てたスノーケルに要注目

 近年のブローバは、モダンデザインかアイコニックなモデルを復刻したヴィンテージデザイン、あるいは独自ムーブメントにフォーカスしたラインナップというシンプルな構成が筆者の印象であった。その中でスノーケルは、ヴィンテージデザインをベースとしつつポップに仕立て、軽快で着用しやすいパッケージングにまとめており、新たな試みと言えよう。

 従来のオーシャノグラファー“デビルダイバー”が機械式モデルであり、スノーケルがクォーツ式であることを考慮する必要があるが、スノーケルは税込み4万6200円と、ハイブリッドセラミックを採用しつつ手に取りやすい価格に抑えられている(Ref.96B350は税込み9万200円)。オリジナリティーのあるカラフルさに魅力を感じたら、店頭でチェックしていただきたい。



Contact info:ブローバ相談室 Tel.0570-03-1390


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