ウブロのアンバサダーを務める “史上最高”のプロテニスプレイヤー、ノバク・ジョコビッチ。2025年11月に成し遂げられたプロ通算101勝目を祝して、 “GOAT” の名を掲げた「ビッグ・バン トゥールビヨン」が発表された。ジョコビッチ自身も使うラケットやポロシャツを封入したマーブル調の複合素材に加え、今作では新たにHPP素材も導入。これはウブロが到達した、もうひとつのマテリアルマジックだ。

[クロノス日本版 2026年5月号掲載記事]
もうひとつのマテリアルマジック

2025年11月に、通算101勝目を成し遂げたプロテニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ。2021年からウブロのアンバサダーを務め、2024年には42mmの「ビッグ・バン ウニコ」をベースとした、世界限定100本のリミテッドエディションがリリースされているが、ここに新たなラインナップが加わった。史上最高(=グレイテスト・オブ・オール・タイム)を意味する「GOAT エディション」の名を冠した新作は、44mmの「ビッグ・バン トゥールビヨン」がベースとなる。

1987年、セルビア生まれのプロテニスプレイヤー。ビッグタイトルの獲得数72は、男女通じて史上最多。2021年からウブロのアンバサダーを務め、2024年には「ビッグ・バン ウニコ ノバク・ジョコビッチ」が発表された。2025年11月に通算101勝目を達成。
鮮やかな3色で展開されるGOAT エディションは、ベゼルやケース上下のプレートに、前作同様のハイブリッドマテリアルを採用。独特なマーブル調の質感を持つこの素材は、ジョコビッチ自身も使用するHEADのテニスラケットと、ラコステのポロシャツを樹脂内に封入したものだ。一方、前作ではPEEKカーボンが用いられていたミドルケース部分には、新たにHPP(高性能ポリマー)の一種である「ティタプラスト」を採用。高い強度重量比を誇るだけでなく、アルマイトに似た陽極酸化処理も可能で、陽極酸化アルミニウムを採用するベゼルプレート(いわゆる耳)やバックケースなどと色味を完全に調和させている。

搭載される「HUB6035」は、キャリバーナンバーや基本構造こそ従来機と同じだが、意匠面は大幅に手が入れられている。最も大きな変化は地板で、テニスラケットのガットを模したデザインが、レーザー彫刻で彫り込まれている。もちろんこれは、1本1本を編み込んだものではなく、一体で削り出されたものだが、ガット部分の厚さはわずか0.55mmほどに仕上げられている。香箱裏に覗く角穴車に、テニスボールのようなレリーフとペイントが加えられる他、細かな部分ではベゼルを留めるビスの頭も、従来のHモチーフから、テニスボールの模様のようなS字カーブに改められた。

ダイアル側のデザインも、6枚のサファイアクリスタル製プレートを用いることでオープンダイアル化されており、地板に施されたスケルトナイズ加工をより楽しむことができる。ベゼルやベゼルプレート、ラグの両端などにも大胆な肉抜きが施されており、軽量化も徹底されている。前作から受け継ぐゴリラガラス(軽量樹脂)製の風防とも相まって、時計全体での重量はわずか56gに留まっている。
最も驚くべきは、このGOAT エディションが限定モデルではないことだ。現在の生産数は、ハードコートの勝利を意味するブルーが72本、クレーコートのオレンジが21本、グラスコートのグリーンが8本(合計101本)となるが、この数は今後の大会優勝数に応じて増えてゆくという。

ノバク・ジョコビッチの通算101勝を記念したトゥールビヨン。ラケットやボールを模したムーブメントの意匠に加え、ケース素材には、実際のラケットやポロシャツから作られた複合材料や、HPP素材の「ティタプラスト」が用いられる。現時点での生産数はブルー72本、オレンジ21本、グリーン8本。自動巻き(Cal.HUB6035)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。直径44mm、厚さ14.4mm。3気圧防水。各1551万円(税込み)。



