2026年4月に発売されたフルメタルG-SHOCK「GMW-BZ5000RC-1JR」を、いち早く着用レビューする。本作は、2025年に誕生した「GMW-BZ5000」シリーズにおける、初のスペシャルエディションにあたる。特別仕様として取り入れられたのは、鮮やかな光沢を放つマルチカラーだ。本記事ではその魅力を、大胆かつ巧みな色使いも含めて、深掘りしていく。

Photographs & Text by Kento Nii
[2026年4月8日公開記事]
新型G-SHOCKのスペシャルカラーは「レインボー」だ!
2025年、カシオはフルメタルG-SHOCKの新シリーズとして「GMW-BZ5000」を発表した。その最大のトピックは、長年の研究データを生成AIに学習させることで編み出された、新たな耐衝撃構造と造形を備えている点であった。カシオは、コンセプトモデルや「MTG-B4000」シリーズなどでAI技術を積極的に活用してきたが、フルメタルG-SHOCKにおいてもこの最先端のアプローチが採られたのである。

デビュー時から本シリーズの市場での反響は大きく、ファーストリリースの3種のうち、ブラックとゴールドのバイカラー仕様は、公式オンラインショップにおいて発売から間を置かず完売するほどの人気を集めた。
その要因には、先述の新設計を取り入れる一方で、初代G-SHOCK「DW-5000C」を彷彿とさせる、王道のフェイスを兼ね備えていた点も挙げられるだろう。“ちょっと良い“G-SHOCKとして高い支持を集めるフルメタルG-SHOCKの新作として、非常に好調なスタートを切ったシリーズではないだろうか。

本作を含むGMW-BZ5000シリーズは、公式オンラインショップおよびCASIO WATCH Partner Shopでのみ購入が可能だ。タフソーラー。フル充電時約22カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦49.3×横43.6mm、厚さ13mm)。20気圧防水。12万1000円(税込み)。
今回、そんなGMW-BZ5000シリーズへ新たにラインナップされた、「GMW-BZ5000RC-1JR」を着用レビューする機会を得た。シリーズ初のスペシャルピースと銘打たれているだけあって、注目度は高いことがうかがえる。その魅力を、以下より細部まで確認していこう。
新構造を生かした巧みな配色
本作のハイライトはやはり、特別仕様のレインボーカラーである。そして、その取り入れ方も実に大胆だ。ガラス蒸着で液晶の周囲にマルチカラーのスクエアラインを引くだけでなく、センターケース全体にIPコーティングを施すことで、サイドビューのケースバック側半分を、光沢のある虹色に仕上げているのである。

対照的に、ケースのフェイス側半分にあたるベゼル部からブレスレットにかけては、金属らしいソリッド感が前面に出ており、丹念なポリッシュとヘアラインの磨き分けが施されている。反転液晶によってフェイスにブラックが占める割合も多く、ストイックな印象さえ感じられる。
本作では、このふたつの組み合わせが実にユニークだ。正面からみた姿はシルバーのフルメタルG-SHOCKとそこまで大差ない。しかしながら、新構造が見て取れるサイドビューでは、これまで鳴りをひそめていた色彩が一気にその鮮やかさを放ち、シルバーケースとのツートンが実に際立って見えるのである。

加えて、フロントビューもよくよく観察してみると、従来のフルメタルG-SHOCKとの違いが随所に見受けられる。
例えば、G-SHOCK特有の、ボタンを衝撃から守る凹凸からは、センターケースからブレスレットに伸びるラグがのぞいており、腕時計の上部ではオレンジ、下部ではブルーが顔を出している。また、鈍いゴールドカラーに仕上げられたビスは、フェイスにささやかなアクセントを添えている。仕様を知らずに本作を見た人は、第一印象でシルバーのフルメタルG-SHOCKのように感じ、垣間見える色鮮やかさによって、本作に隠された強烈な個性を段階的に知っていくことになるのだ。

G-SHOCKではこれまでにも、樹脂製、ステンレススティール製を問わず、レインボーカラーがたびたび用いられてきた。腕時計全体に反映させたデザインも珍しくなく、ストリート界隈から人気が爆発したG-SHOCKならではの、受け皿の広さを感じさせるものであったように思う。しかしながら、本作では独自の設計を生かし、存在感のあるマルチカラーをあえて忍ばせ気味とすることで、主役でありながら、さまざまなコーディネートに合わせやすいルックスにまとめているのである
ビジネスシーンなどで積極的に手首に巻こうとは考えなかったが、プライベートでは周囲にサイドを見せつけてやりたくなるような、そんな楽しい1本であった。
ケースは新型ながら着用に違和感なし
本シリーズを実際に手にするのは初めてなので、着用感も確かめてみる。本作のケースサイズは、縦49.3mm、横43.6mm、厚さは13mmだ。従来のフルメタルG-SHOCK「GMW-B5000」シリーズと比較すると、縦と厚さは据え置きで、横方向のみ0.4mmほどサイズアップしている。実際に着用してこの変化を感じられるかと思ったが、体感できるほどの違いはなかった。

ブレスレットも従来からの変更は見受けられず、着用した感覚はそのままだ。ピッチの短いコマが連なった形状は、違和感なく手首にフィットする。また、ブレスレットは手首回り20.5cmまで対応しており、筆者の場合は7コマ抜きでちょうどよかった。ちなみに、バネ棒で連なっているため、調整は細いピンさえあれば可能だ。加えて、バックル部でも4段階の微調整ができるようになっており、フィット感を突き詰められる。

時計本体の重量は172gであり、「GMW-B5000」シリーズに比べ、6gほど本作の方が重い。しかしながら、これだけ大胆な設計変更を行いつつも、サイズや重さにほぼ変化が無い点は、むしろ驚くべきポイントかもしれない。下部のセンターケースの方ががっしりとした造りであり、重心も腕時計の下側にあるのだろう。手首で振られるような感覚もなかった。
機能面も充実。クラシックフォントへの変更も可能
実用面は言わずもがな万全だ。耐衝撃性に加え、20気圧防水を備えている。実際にアクティブシーンで着用し、その性能を検証するには及び腰になる価格帯の腕時計だが、いざというアクシデントの際に、このタフネスは心強い。
機能は、タフソーラーに加え、日本・北米・ヨーロッパ・中国地域に対応する電波受信機能「MULTIBAND6」を備える。また、ワールドタイムやストップウォッチ、アラームといった定番機能も網羅している。さらに、Bluetoothと専用アプリ「CASIO WATCHES」を用いれば、スマートフォンとの連携によって、細部の設定や時刻自動修正、携帯電話探索なども可能だ。

そして、これらの情報はすべて、MIP(メモリ・イン・ピクセル)液晶に映し出される。G-SHOCKのプロフェッショナルラインでも用いられる、きめ細かい描画が可能なディスプレイであり、日中の屋外であってもはっきりと情報を判読できる。
また、一度に確認できる情報量も多く、フェイス正面から見て右上のサブウィンドウとの組み合わせによって、年、日付、曜日、デュアルタイム、トリプルタイムなどを自由に組み合わせて表示させることができる。外装面だけでなく、システム面でも着実なアップグレードが施されたG-SHOCKと言えるだろう。

まとめ
本記事では、フルメタルG-SHOCKの最新作である「GMW-BZ5000RC-1JR」を着用レビューした。レインボーカラーは、そもそも扱うブランドもそこまで多くない仕様だが、幾度となくウォッチメイキングに取り入れてきたカシオだからこそ実現した、色合いの面白みを実感できるタイムピースではないだろうか。

また、このカラーリングを抜きにしても、新設計のケースは素晴らしい。従来のフルメタルG-SHOCKは精密な鍛造によって、ベゼルからケースサイドまでをひとつの部品で構築していた。しかし本作では、ケース上部と下部の明確な分割もあって、目にみえる外装の情報量が多く、いわゆるメカ感が増しているのである。筆者のようなガジェットファンには、何ともたまらない仕様であった。
惜しむらくは、特別モデルと称されていることから推測するに、本作がどうもスポット的な1本であるということだ。これまでもマルチカラーを前面に押し出したG-SHOCKは、色合い自体が人を選ぶ意匠であるため、限定モデル的な立ち位置であることが多かったように認識している。

しかしながら、本作は虹色を主役に置きつつも、それを文字通り表に出しすぎないという、非常にシビアなバランスの表現をかなえている。「この塩梅なら、きっと多くの人がこの個性的なカラーに挑戦してみようと考えるはず」。そう思えるほどに、完成度の高い1本であった。発表後間もない今、すでに購入を手配している方の審美眼と判断力の高さに脱帽しつつ、レビューの締めくくりとする。



