巻き返しの準備が整ったか? ポラールVantageシリーズを使ってみた/本田雅一、ウェアラブルデバイスを語る

FEATUREウェアラブルデバイスを語る
2019.04.19
Vantage V
本田雅一:文
Text by Masakazu Honda

テクノロジーの分野で知らぬ人はいないほどのジャーナリストが、本田雅一氏だ。その本田氏が、ウェアラブルデバイスについて語る本連載。今回はウェアラブルウォッチの分野で老舗のポラールから2018年に発売された現行モデルをインプレッションする。

 ガーミンがコアなスポーツファンの心に刺さる製品を開発するようになる以前、心拍計測とトレーニングに関するデータログ取得やアドバイスなどのアプリケーションで名を馳せていたのがポラール(Polar)だ。

 特にポラールがスポンサードしていた自転車競技の世界では、心肺機能をいかに高め、脚力などの身体能力を引き上げながら持久力も高めるために、正確な心拍計と連動するサイクルコンピューターなどが重要で、そうしたノウハウはランナーやトライアスロン競技者向けの製品に応用されていた。

 そのロゴをツール・ド・フランスなどで見たことがある方も少なくないだろう。

 しかしテクノロジーの進化とともに、GPSを用いたスポーツ向けの各種デバイスが開発されるようになると、トレッキングやカーナビなどの民生用機器だけでなく、航空機向けなど、GPSを用いた業務用ソリューションを提供してきたガーミンが、自転車競技やランナー、トライアスリート向け機器メーカーとして急伸したことをご存じの読者もいることだろう。

 得意だったジャンルも含め、すっかりガーミンにその座を追われたようなかたちになっていたポラールだが、近年、本来の得意ジャンルだった“心拍計測”を正確に行うことを訴求して復活してきた。

 とりわけ日本ではスポーツクラブなどへの納品数を増やしているという。

 心拍を正確、かつ一日中、常にモニターすることにより、身体への負担と心肺能力への影響などを継続的に記録し、トレーニングプログラムへのアドバイスを送る機能が特徴だ。

 実際に試用してみると、ポラールが意図しているスポーツに特化したウェアラブルデバイスの姿が見えてきた。

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