ライバル不在を示した新型Apple Watch。ライフスタイルを変える存在に近付く

FEATUREウェアラブルデバイスを語る
2019.09.12

Apple Watchの後を追いかけるメーカーに期待

 残念な事は、こうした研究開発がアップルの本拠地である米国でしか進んでいないことだ。これには健康や医療に関するデータをどう扱うべきかという、国ごとに扱いが異なる法的な問題も関連してくる。

 Apple Watchに競合がいるならば、良いライバルとして幅広い国の研究機関や大学と連携できるだろうが、スマートウォッチという枠組みではアップルが先行しすぎている。単一のプラットフォームで“数が多い”ことは、さまざまな研究において発見の手助けになるものだ。Apple Watchに匹敵するプラットフォームが生まれて欲しいところだが、当のアップルは粛々と“大量にユーザーが存在すること”を活かしてビジネスの幅を広げはじめた。

 こうした取り組みに、協業するブランドメーカーも呼応しはじめた。

 今年はエルメスがはじめて「スペースブラックステンレススチール」の本体を扱い始め、これまでにないテクスチャのバンドも用意している。エルメス、ナイキそれぞれのブランドも、冒頭で紹介したApple Watch Studioでは(同一ブランドでの組み合わせに限り)カスタマイズしての購入も行える。

Apple Watch series 5

 実機については近く入手予定のため、その際に各ケース素材の質感やカラーバリエーションも含めてレビューをお届けしたい。


本田雅一
本田雅一(ほんだ・まさかず)
テクノロジージャーナリスト、オーディオ・ビジュアル評論家、商品企画・開発コンサルタント。1990年代初頭よりパソコン、IT、ネットワークサービスなどへの評論やコラムなどを執筆。現在はメーカーなどのアドバイザーを務めるほか、オーディオ・ビジュアル評論家としても活躍する。主な執筆先には、東洋経済オンラインなど。