セイコーはジャパンメイドの時計として世界的に高い評価を獲得。その中でもブランドのグランドセイコーとクレドールもそれぞれ根強い人気を誇っている。各ブランドにはどのような違いがあるのかを解説し、おすすめモデルを厳選して紹介する。
セイコーの基礎知識
グランドセイコーとクレドールは、どちらもセイコーから独立したブランドだ。それぞれの特徴やセイコーの歴史を理解しておこう。
1881年創業 世界に誇る国産時計の巨頭
セイコーは1881年に創業し、わずか30年間で当時の国内における時計生産量の6割を占めるまでに成長。その後はスイスの天文台コンクールでも高い評価を受けるなど国内外で存在感を高めていった。
1969年には世界初のクォーツ式腕時計を発売し、世界に衝撃を与えた。スイスをはじめとしたヨーロッパの機械式時計産業が一時的に大きく売り上げを落とす、いわゆる「クォーツショック」を引き起こしたのだ。
もっとも、クォーツ式腕時計を実用化する前から、セイコーは機械式腕時計の技術においても、スイスの名だたるメーカーに肉薄していた。1964年の東京オリンピックでは公式計時を務めるなど、世界に誇る国産時計ブランドとして名を馳せていたのである。
グランドセイコーとクレドールを比較
グランドセイコーは、セイコーが世界と戦える最高峰の国産時計を目指し、1960年に誕生したブランドで、上品かつ普遍的なデザインを特徴としている。
一時、グランドセイコーは休眠状態となるものの、1988年にクォーツムーブメントを搭載して復活。その後2004年には、機械式とクォーツ式のハイブリッド機構であるスプリングドライブを搭載したモデルを発表。そして2017年、「グランドセイコー」はブランドとして独立を果たした。
クレドールも、グランドセイコーと同様、セイコーから独立したブランドだ。1974年に誕生し、45周年となる2019年に独立している。
セイコーが手掛ける時計の中でも、高級かつ美意識を追求したモデルを数多く展開してることが特徴だ。希少性の高いモデルも存在し、国内外で人気を集めている。

グランドセイコーのおすすめモデル
グランドセイコーは3つのコレクションを展開している。それぞれのコレクションを代表するおすすめモデルをチェックしておこう。
クラシックなフォルム SBGR261

自動巻き(Cal.9S65)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径39.5mm)。日常生活用防水。47万円(税別)。
初代グランドセイコーに通じる、クラシックなフォルムは継承しつつ、機械式の自動巻きタイプであるCal.9S65に搭載し直した「Elegance Collection」モデルだ。
趣深いアイボリー調のダイアルとブルースティールの秒針がおしゃれに組み合わさり、レザー素材のベルトと相まって上品なクラシックスタイルを醸し出している。
最大に巻き上げておけば約3日間持続し、最新のヒゲゼンマイを採用したことにより、日常における使用時の精度がより安定していることも特徴だ。
存在感ある42mmケース SBGR309

自動巻き(Cal.9S68)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径42mm)。日常生活用強化防水(10気圧防水)。48万円(税別)。
直径42mmのケースを採用し、「Heritage Collection」の中でもより存在感を強めたモデルだ。大きめのサイズでありながら、ラグ先を細く絞り込んだことにより、スタイリッシュなシルエットにまとまっている。
立体的なインデックスは大型のケースと調和し、力強い雰囲気を生み出している。放射模様を施したブラックダイアルからも、重厚な表情を感じ取れるだろう。
ムーブメントには、自動巻き式の大型タイプであるCal.9S68が採用されている。パーツ製造技術と職人の加工技術が光る、便利なカレンダー機能を備えたムーブメントだ。
スリムなダイバー SBGX337

クォーツ(Cal.9F61)。SS(直径43.6mm)。200m潜水用防水。42万円(税別)。
軽快なスタイルを持ちながらも、ケース上面に施された荒々しい縦の筋目や幅広のブラックベゼルがタフな印象を与える、「Sport Collection」のダイバーズウォッチだ。
曜日や日付表示のない、9Fクォーツの中で最もシンプルなムーブメントを搭載している。Cal.9F62と同様のコンパクトサイズであるため、ダイバーズウォッチの中でも最もスリムな形状である。
200m潜水用の防水性能が備わっており、マリンスポーツに向いたモデルと言えるだろう。プロフェッショナル仕様のようなシャープで無駄のない機能美を感じさせ、水中で素早く正確に情報を得たいユーザーにおすすめだ。