男のシャネル。ビジネスでもカジュアルでも手首に装いたいメンズ腕時計とは?

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2024.04.01


男性におすすめしたいシャネルの時計

シャネルの時計のラインナップの中から、男性におすすめしたいモデルを、おもに「J12」からピックアップする。


J12

2000年に登場した「J12」は、シャネルのフラッグシップコレクションだ。

ケース、ベゼル、ブレスレットといった外装にハイテクセラミックスを採用したことで、軽やかで快適な装着感が得られる。

シャネルは創業時から一貫して、女性向け、特にシンプルでマスキュリンな女性用のファッションアイテムを展開してきた。そのため、2000年に発売されたJ12が斬新であったのは、男性も身に着けられるシャネルウォッチであった点だ。

無駄を削ぎ落としたシンプルなJ12の意匠は、性別を選ばない。ケース径の展開も幅広く、現行コレクションでは19mmから41mmまでが用意されている。

シンプルなデザインや多彩なサイズにより、マスキュリンな時計を求める女性も、シャネルの洗練されたデザイン性を求める男性も、同じコレクションの中からモデルの選択が可能となった。

シャネル「J12」Ref.H5697
自動巻き(Cal.12.1)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。セラミックス×SSケース(直径38mm、厚さ12.6mm)。200m防水。123万7500円(税込み)。

とりわけオールブラックのモデルは、男女問わず身に着けられるスタイルだ。38mm径ケースも大きすぎず、ジャケットの袖口にしっくりと収まってくれる(レディースのジャケットだとややはみ出してしまうかもしれないが、シャネルウォッチは軽量であるため、大きすぎて持て余すといったことは少ないだろう)。

また、ケニッシで組み立てられるCal.12.1を搭載しており、トランスパレント式の裏蓋を備えることで、ムーブメントの鑑賞が可能だ。この仕様は結果的にステンレススティール製の裏蓋が廃され、より金属アレルギーを起こしにくくなったことも示唆している。


オールホワイトもJ12らしいスタイルだ。ちなみにJ12は誕生当初ブラックのみのラインナップであったが、2003年にホワイトがコレクションに加わった。

シャネル「J12」Ref.H5700
自動巻き(Cal.12.1)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。セラミックス×SSケース(直径38mm、厚さ12.6mm)。200m防水。123万7500円(税込み)。

白は清潔なイメージがあり、カジュアルシーンによりフィットする。ファッションのアクセントとしてもよく機能し、特に黒基調のスタイルにはよく似合う。

時計にも白を求めるニーズはあるが、J12が登場するまでは選択肢が限られていた。ビジネスシーンでは着用しにくいかもしれないが、コーディネート次第ではシーンを問わず着用できるだろう。


「J12 パラドックス」も、男性に注目してほしいシャネルウォッチだ。

シャネル J12 H6515

シャネル「J12 パラドックス」Ref.H6515
自動巻き(Cal.12.1)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。セラミックス×SSケース(直径38mm)。50m防水。156万2000円(税込み)。

超鋼のホワイトとブラックセラミックスを合体するという、驚くべき製法が取られる「J12 パラドックス」。ホワイトとブラックの境界線はシームレスで、一見すると染め上げているようだが、形状が異なる2種類のセラミックスをカットして組み合わせている。

ひと目でシャネルと分かるアイコニックな意匠はそのままに、同ブランドのハイレベルなウォッチメイキングを見せつける逸品に仕上がっている。


ムッシュー ドゥ シャネル

シャネルはメンズ、レディースの区別をコレクションに明確には設けていない。しかし、時計は「J12」を除くと、多くが女性向けの意匠、サイズである。しかし2016年、シャネル初の自社製ムーブメント搭載コレクションとして誕生した「ムッシュー ドゥ シャネル」は、機械式時計好きの大人の男性に、ぜひ選択肢に入れてほしいタイムピースだ。

シャネル ムッシュー ドゥ シャネル

シャネル「ムッシュー ドゥ シャネル」Ref.H6596
手巻き(キャリバー 1.)。30石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約3日間。18Kベージュゴールド(直径40mm)。787万6000円(税込み)。

J12などといったほかのコレクションとは、大きく異なる文字盤が目に飛び込んでくるだろう。本コレクションは、6時位置のジャンピングアワーと、レトログラード式分針、そして中央のスモールセコンドで時刻表示を行う機構だ。レトログラードとはフランス語で逆行を意味しており、扇形のインジケーターを針が進み、最後の数値まで達した瞬間、ゼロ位置まで針がフライバックする。時計にとって実用的な機構ではないが、針が瞬時に戻るさまや、独特の表示形式は、見ているだけで楽しい気分にさせてくれる。

直径40mmケースに収められた文字盤には3つの表示機構が搭載されているにもかかわらず、視認性はもちろん、シンプルというスタイルを崩さないのは、さすがシャネルと言うべきか。

定価787万6000円(税込み)と、なかなか気軽に入手できるモデルではないが、機械式時計が好きな男性にとっては、一度手にしてみたいシャネルウォッチではないだろうか。