ブライトリングのオーバーホール概要。安心充実のサポート体制を知る

FEATUREその他
2023.11.08

時計を長期間愛用するためには、定期的なオーバーホールを意識することが重要だ。メンテナンスの基礎や時期の目安を知っておこう。今回は、ブライトリングのサポートに関する概要や利用方法なども解説する。


オーバーホールについて知ろう

オーバーホールとはどのようなことを指すのか、概要を解説する。適切な時期や頻度についても、併せて理解しておこう。

オーバーホールとは?

定期的に時計を分解し、点検や洗浄・修理などを行う作業がオーバーホールだ。時計の性能を良好な状態に保ち、より長く使い続けるために不可欠な作業と言えるだろう。

100を超えるムーブメントのパーツを、分解し実施するこのメンテナンスは、人間に例えれば定期健康診断のようなものである。

時計内部の状態は、人間の体と同様に外からでは判断できない。本体を分解し、内部の状況を確認した上で、部品の洗浄・点検・修理・交換などを定期的に実施する必要があるのだ。

オーバーホールは、機械式・クォーツ式のどちらにも必須なメンテナンスである。動力が電池かゼンマイかにかかわらず、精密機械であることに変わりはない。

時期や頻度

オーバーホールの頻度は、4〜6年に一度が目安だ。また、ブライトリングでは、2年に一度メンテナンス・サービスも推奨している。

ただし、頻度は時計の使用環境や保管状況により異なるだろう。例えば、複数所有していて同じ時計を毎日は使わない場合や、保管環境が整っている場合は、劣化しにくい可能性が高い。

逆に、気になる症状が発生した場合は、目安となる時期にかかわらず、早めに相談することが重要だ。


ブライトリングのサポート

スーパークロノマット B01 44

2020年に、オールパーパスウォッチとしてリニューアルを果たしたクロノマット コレクションを強化。航空計器の出自を強く感じさせるスペックへと進化した。翌年にはより力強いスーパー クロノマットが登場。左から、ブライトリング「スーパー クロノマット 44 フォー イヤー カレンダー」。自動巻き(Cal.19)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径44mm、厚さ14.5mm)。100m防水。221万1000円(税込み)。「スーパー クロノマット B01 44」。自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KRGケース(直径44mm、厚さ14.4mm)。200m防水。337万7000円(税込み)。「スーパー クロノマット B01 44」。自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径44mm、厚さ14.4mm)。200m防水。UTCモジュール:クォーツ(Cal.61)、SSケース(直径26.1mm、厚さ6.0mm)。145万2000円(税込み)。

オーバーホールなどのメンテナンスを依頼したい際に、ブライトリングで受けられるサポートについて解説する。保証や会員システムなどに関する理解も深めておこう。

保証について

ブライトリングの正規販売店で購入した時計には国際保証が適用され、購入後2年間は製造上の不備に対して保証が適用される。

マニュファクチュールムーブメントを搭載したモデルなら、保証期間は5年に延長される。ただし、購入後2年ごとにブライトリング正規サービスセンターで防水テスト(無料)を受ける必要がある。

海外で購入した時計に関しても、これらの条件は適用される。国際保証書は再発行してもらえないため、紛失しないように注意が必要だ。

落下・衝撃による故障や、誤った使用方法による故障は、保証対象外となる場合がある。また、落下や接触などが原因で外装部に付いた傷は、保証の対象にはならない。

また、アフターサービスでメンテナンスを受けた場合、1年間の修理保証が付与される。

安心のアフターサービス

オーバーホール

ブライトリングのアフターサービスには、いくつかのメニューが用意されている。

外装・ムーブメント・故障箇所のメンテナンスを実施してもらえるメニューが「メンテナンス・サービス」だ。クォーツ時計なら、バッテリー交換にも対応している。

「オーバーホール」は、メンテナンス・サービスで行われる作業に、劣化部品の交換を加えたメニューだ。作業内容には外装仕上げも含まれる。

そのほか、部品の取り付けやブレスレット関連の洗浄、外装仕上げなどを行う「限定修理」も用意されている。限定修理には、ムーブメントや防水などに対する保証が付与されない。

クラブ・ブライトリングメンバーなら特別価格

クラブ・ブライトリング

クラブ・ブライトリングのWEBページから、メンバー特典をチェックできる。

クラブ・ブライトリングとは、日本国内の正規販売店で時計を購入した場合に入会できる、会費無料のクラブだ。

クラブ・ブライトリングの会員になると、オーバーホールやメンテナンス・サービス、限定修理の際、技術料に関しては、メンバー特別価格が適用される。

新しい時計を購入したい場合に、現在の時計を下取りに出せるなど、正規販売店における時計の購入をサポートするプログラムが用意されていることもメリットと言えるだろう。

他にも、メンバーズマガジンやメールマガジンを受け取れたり、メンバー向けのイベントに招待されたりと、さまざまな特典が用意されている。

過去のメンバーイベントの一例。ブライトリング パイロット室屋義秀氏によるアエロバティック飛行体験で、ブライトリングのアビエーションの世界観を実際に味わうことができる。

損傷が激しい場合や特殊モデルはスイス送付

時計の損傷・腐食が激しい場合や、特殊モデルを依頼する場合は、国内ではなくスイスでメンテナンスが実施される。

アンティーク時計など、部品を取り寄せられない時計や、ブレスレットを固定するコマが破損している時計のメンテナンスに関しても同様だ。

スイスでメンテナンスを実施する場合、個別に見積もりを行ない、メンテナンスの期間や料金については、時計の状態・モデルにより異なる。なお、見積もり後にメンテナンスを取りやめた場合、キャンセル料を支払う必要があることは留意しておこう。


ピックアップサービスを使おう

ブライトリングのオーバーホールやメンテナンスは、全国の正規販売店および、スタジオ・ブライトリング東京/大阪で受け付けているが、より手軽に依頼が出来る「ピックアップサービス」も実施している。

オンラインで24時間いつでも申し込みができ、届いた専用梱包材キットを使って発送する。配送用の箱を準備する必要がなく、集荷も依頼できる便利なサービスだ。

正規の修理店に直接持ち込むことが困難な場合は、ピックアップサービスを利用しよう。

Breitling service: ピックアップサービス

ピックアップサービスの流れ

ピックアップサービスは、公式サイトの「ピックアップサービス」ページから申し込める。依頼したい内容のメモや時計本体、国際保証書を手元に準備しておこう。

申し込み後、約3~7営業日の間に、普通郵便で梱包キットが送られてくる。同封の説明書に従って時計を梱包し、指定の配送業者に集荷を依頼しよう。

発送した時計は、国内の正規メンテナンス・サービス拠点「スタジオ・ブライトリング」に送られ、メンテナンスや修理が行われる。

メンテナンス・サービスを依頼する場合や、部品交換が必要となる場合は、時計が到着してから約7~10営業日の見積もり期間があることを覚えておこう。

作業終了後、時計が発送され、受け取る際に代金引換で費用を支払えば完了だ。支払いは現金またはクレジットカード決済となる。

費用や期間

ピックアップサービスにかかる費用は、国内のどこで利用しても、税別800円の一律だ。代金引換時に、メンテナンスやオーバーホールなどの技術料、部品交換が発生した場合の費用・消費税と併せて請求される。

保障期間中にメンテナンスや修理を依頼する場合にも、ピックアップサービスは利用できる。無償メンテナンスの場合、ピックアップサービスの費用は無料となっている。


日常のメンテナンスについて

日頃からの手入れは、時計をより長持ちさせることにつながるだろう。正しいメンテナンスの方法や、時刻・カレンダーの合わせ方を紹介する。

時刻やカレンダーの調整

プレミエ B15 デュオグラフ 42

ブライトリング「プレミエ B15 デュオグラフ 42」
手巻き(Cal.B15)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KRGケース(直径42.0mm、厚さ15.3mm)。100m防水。277万2000円(税込み)。

時刻だけを合わせる場合は、ゼンマイを十分に巻いておくことが重要だ。巻き上げ不足の場合、せっかく時刻を合わせても時計が止まってしまう。

リュウズを回転させてゼンマイを巻いた後、リュウズを2段階引き出して時分針を合わせる。時刻を合わせたら、リュウズを元の位置に押し込んでおこう。

さらに、カレンダーを合わせる場合、針の位置が午後8時から午前3時の位置にある状態では、カレンダーの早送り機構を使えない。針を一度、それ以外の時間帯に合わせよう。

その後、リュウズを1段階引き出すと、リュウズを回転させることでカレンダーの日付が早送りされる。その後、時刻を合わせてリュウズを押し込めば完了だ。

ただし、マニュファクチュールムーブメントを搭載したモデルなら、いつでもカレンダー早送りが可能だ。

手入れの方法

ケースの汚れや裏蓋に付着した汗は、柔らかい布で乾拭きしよう。汚れた布や濡れた布で拭かないよう、布の状態に注意することが大切だ。

保管場所にも十分に気を配ろう。直射日光の当たる場所で保管すると、文字盤が変色したり内部の油分が乾いたりする恐れがある。また、高温多湿な場所は、サビにつながりやすい。

磁気に近付けないことも重要だ。金属の部品が磁気帯びし、精度に影響が出る。携帯電話やパソコン、バッグのマグネットなどには、できるだけ近づけないようにしよう。

防水性能が高い時計でも、入浴中は付けない方がよい。石鹸や温泉成分によりパッキンの劣化が早まったり、汚れの付着からサビが生じる原因になる場合がある。


適正なオーバーホールやケアで末永く使う

ブライトリングでは、オーバーホールやメンテナンスなどのサポート体制が整っている。ピックアップサービスを利用し、修理やメンテナンスを依頼しよう。

保証期間内なら原則無償で、期間外であってもクラブ・ブライトリングメンバーなら特別価格で対応してもらえる。

お気に入りの1本をできるだけ長く使うために、日頃から正しいケアを心掛けることも大切だ。



Contact info: ブライトリング・ジャパン Tel.0120-105-707

川部憲 Text by Ken Kawabe


ブライトリング「プレミエ」/時計にまつわるお名前事典

https://www.webchronos.net/features/71186/
ブライトリングのナビタイマーを知る。おすすめモデル8選と歴史的モデル

https://www.webchronos.net/features/40275/
ブライトリング「クロノマット B01 42」の着用レビュー

https://www.webchronos.net/features/68647/