腕時計のベゼルは何に使うの?主な種類や使い方を詳しく解説

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2021.12.14

腕時計のベゼルには数種類の目盛りがあり、回転ベゼルや逆回転防止ベゼルがある。これらは機械式時計のデザインや機能にも大きく作用するが、単なるギミックとは言い難い。ベゼルの種類や使い方とその意義を解説する。

タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 スポーツクロノグラフ


腕時計の用語を知ろう

機械式時計を愛好するほどに、その計測機器としての側面が二の次になってはいないだろうか。

複雑かつ美しく、技術の粋を極めた機械式時計にはロマンがある。もちろんこれは重要なファクターだが、ここで基本に立ち返って腕時計のパーツの基礎を見ていこう。

各部の名称を学ぶ

ロレックスのオイスターケース

ロレックスのオイスターケースは、防水機能を備えた時計の先駆けだった。1920年代に早くも、ねじ込み式の裏蓋とリュウズを導入した。

腕時計の外装は、「ミドルケース」「ケースバック(裏蓋)」「ベゼル」「ラグ」「防風(ガラス)」といったパーツから構成されており、これらを総合してケースと呼ぶことがある。一般的にはミドルケースを指して「ケース」という。

ムーブメントやダイアルをケースとケースバックで包み、文字盤を風防でカバーし、縁にベゼルをかぶせて固定する。ケースの上にベゼルが乗る形だ。高級機ではケースバックにもサファイアガラスをはめてムーブメントを観賞出来るようになっているものも多い。

腕時計の主に右側にはリュウズやプッシュボタンがあり、ケースから伸びる主に4本のラグで、ブレスレットの末端にあるエンドピースと接続する。

文字盤には、アラビア数字やローマ数字、バーのインデックスがあり、これを針で指して計時するのが腕時計の基本機能だ。

ベゼルについて知ろう

ロレックス「サブマリーナー」

1953年に発表されたロレックスの「サブマリーナー」は、水深100mの防水性能が保証された初のダイバーズウォッチ。

ベゼルの主な役割は、ガラスの固定、衝撃・傷からの保護、さらに時計内への浸水防止であるため、基本的にはねじ込み式、あるいは接着剤で固定されている。

腕時計の主な機能は時刻の表示だが、歴史の中で計器としてさまざまな機能を搭載する試みが行われてきた。

ここでは、計測機器としての腕時計の発展とともに機能が付与されたベゼルの概要に触れておこう。

ベゼルの種類

ベゼルは、可動の「回転ベゼル」と、動かすことの出来ない「固定式ベゼル」に大きく分けられる。

回転ベゼルはさらに、「逆回転防止ベゼル」と「双方向回転ベゼル」に大別できる。逆回転防止ベゼルは、時計回りか反時計回りのどちらかにしか回らない。どちらに回るかは計測機器としての機能による。

計測する内容によっては双方向回転ベゼルが採用され、逆回転防止機能が備わっていないことから単に「回転ベゼル」とも呼ぶ。