オメガの人気腕時計を徹底解説。定番シリーズから人気モデルまで紹介

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2023.04.24

スイス時計界を代表する名門オメガは、スピードマスターやシーマスターなど、数々の人気コレクションで知られる高級時計ブランドである。オメガの歴史や特徴、定番シリーズや人気モデルの魅力を知り、時計選びに役立てよう。


輝かしいオメガの歴史

オメガの偉大さを物語る歴史を見ていこう。オリンピックと人気映画で使われていることが、これまでの輝かしい歴史を象徴している。

オメガの誕生と名前の由来

時計師ルイ・ブランにより1848年に開設された小さな工房が、オメガの前身である。スイスのラ・ショー・ド・フォンにその工房は開かれた。

オメガ 創業者

オメガ創業者のルイ・ブラン。1848年、スイスのラ・ショー・ド・フォンに時計組み立て工房を開設したことがオメガの始まりだ。職人により手作業で行われていた製造工程を機械化・自動化したり、部品ごとの分業化を世界で初めて採用するなどの改革を進めながら、生産規模を広げた。

77年には、ルイ・ブランの息子であるルイ・ポールとセザールが会社経営に加わった。会社名は「ルイ・ブラン&フィルズ」に変更されている。

94年に開発したムーブメントが、高い精度とメンテナンス性で世界的な評価を得ることに成功する。このムーブメントは「究極」を意味する「オメガ」と名付けられた。

1904年には会社名にもオメガが採用され「ルイ・ブラン&フレール-オメガウォッチ」となり、オメガブランドが誕生する。

オリンピックの公式時計に採用

1932年のロサンゼルスオリンピックで、オメガは初めて公式時計として採用された。以来、計30回のオリンピックで、オフィシャルタイムキーバーを務めている。

48年の冬季サンモリッツ大会とロンドン大会では、初めて光電子写真装置を使用した。テレビ画面にタイムを重ねる「オメガスコープ」は、64年の冬季インスブルック大会で使用され、世界に衝撃を与えている。

光電子写真装置

測定・記録の分野でも技術革新を行ったオメガ。上は1948年のロンドンオリンピックで使用された光電子写真装置だ。

その後も、水泳選手が計時装置を手で止めるタッチパネルや、タイムを約1/1000秒の単位でデジタル計測する機器を登場させるなど、スリリングな瞬間と正確な結果を捉え続けている。

名作映画主人公の相棒として

オメガの時計は、大人気映画「007」シリーズで使用されていることでも知られている。1995年公開の「007 ゴールデンアイ」以降、全ての作品で主人公のジェームズ・ボンドが着用している。

ボンドウォッチ

1995年公開の映画「007/ゴールデンアイ」は、ジェームズ・ボンドがオメガの時計を着用した最初の作品である。

初めてジェームズ・ボンドの相棒となった時計は「シーマスター プロフェッショナル ダイバー300M クォーツ」だ。以来、全作中でシーマスターコレクションを着用し続けている。

映画の公開に合わせて、これまでにいくつかの記念モデルも発表されている。劇中で使われた時計が、そのままの形やデザインで市販化されたこともある。


オメガが選ばれる理由

「ステータス」「コストパフォーマンス」「コーアクシャル機構」の3つが、オメガの魅力を高めている主なポイントである。それぞれについて詳しく解説する。

ステータス性が高い

オメガは世界的に知名度が高い高級時計ブランドである。多くの国や地域において、人気ランキングの上位に顔を出している人気ブランドだ。

オメガ

日本においても、高級時計ブランドの認知度は、オメガとロレックスが2強という調査結果も出ている。

オメガが支持を集めている理由のひとつに、世代を問わず愛されていることも挙げられる。若い層からは憧れとして、ミドル層からはスーツに似合うステータスシンボルとして認知されているのだ。

高級時計初心者だけでなく、時計愛好家からも好かれているオメガは、何年、何十年経っても価値が下がらないブランドと言えよう。

コストパフォーマンスに優れる

トータルバランスに優れていることも、オメガが選ばれる理由のひとつである。他の高級時計ブランドに引けを取らない、性能・耐久力・ステータス性の高さに加え、コスト面も優れているのだ。

メンテナンス

高級時計王国スイスを代表するブランドでありながら、オメガは富裕層だけをターゲットにしていない。一般の人にも手が届く存在であり続けているのだ。

他のブランドと一線を画しているコストパフォーマンスの高さは、高級時計を初めて購入する人にとっても大きなポイントである。

コーアクシャル機構を持つ

オメガのムーブメントのほとんどには、コーアクシャル機構が搭載されている。オメガが独自に開発し、オメガのみにしか搭載されていないムーブメント機構である。

コーアクシャルは、時計の心臓部である脱進機を指す。パーツの摩擦が少ないため、通常3~5年周期で行うオーバーホールを、5~8年周期まで延ばせることが特徴である。

コーアクシャル機構

一般的なスイスレバー脱進機はアンクルの爪がふたつだが、コーアクシャル脱進機には3つある。ガンギ車も風車状になっているため、摩擦を抑え、安定した脱進が可能となっている。

2014年に登場したシーマスターには、さらに耐磁性能を高めた「マスター コーアクシャル」が搭載された。1万5000ガウスもの耐磁性を誇り、日常では磁気帯びの可能性がほとんどなくなった。