ラベル・ノワール×レペによるスポーツカー型置き時計「タイムファストD8」

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2021.11.23

ジュネーブのカスタマイズ工房ラベル・ノワールが、レペの手掛けるスポーツカー型置き時計「タイムファスト」とのコラボレーションを手掛け、オールブラックモデルの「タイムファストD8」を世界5台のみの限定品として発表した。

タイムファストD8

「タイムファストD8」。手巻き(L’Epée 1839 Cal.1855 MHD)。1万8000振動/時。パワーリザーブ約8日間。ADLCブラックコーティング真鍮×ステンレススティールケース(全長38.5cmx幅16cm、高さ12cm、重さ4.7kg)。国内未入荷。世界限定5台(残数1台 ※2021年11月15日現在)。参考価格418万円(税込み)。
Originally published on Montres De Luxe
2021年11月23日掲載記事

1950年代のスポーツカーに着想を得た置き時計、製造台数は世界でわずか5台のみ

 スイスのラベル・ノワール社は、時計をカスタマイズして自分だけのオリジナル時計を作りたい愛好家たちに知られた存在であり、特にその「黒い時計」で知られている。既に同社は何年も、モーリス・ラクロアやアノニモといった時計のメゾンと一緒に仕事をしており、そこからスペシャルエディションを世に送り出してきた。

 今回ラベル・ノワールがコラボレーションしたのは置き時計を専門としているレペだ。レペは1839年にオーギュスト・レペが創業したスイスブランドで、ヨハネ・パウロ2世のデスククロック、エリザベス2世女王戴冠50周年の記念クロック、コンコルド旅客機の機内時計などを手掛けてきた実績がある。近年は新進気鋭のデザイナーを起用したアーティスティックなコレクションを発表し注目を集めている。

タイムファストD8

ADLC加工がなされた地板、歯車、脱進機。

 2者のコラボレーションにより生まれたのは、2019年にレペが発表した「タイムファスト」のオールブラックモデル「タイムファストD8」だ。タイムファストは、1950年代にコースで活躍したひとり乗りスポーツカーをモチーフとした置き時計である。

 自動車業界で実際に使用されているマットブラックの塗装が車体には施され、地板、歯車、脱進機にはADLC加工がなされている。ペールイエローのアクセントがロゴやホイール、時分表示に施され、スポーティーな印象を高めている。

タイムファストD8

ドーム型吹きガラスからは脱進機がのぞく。

 この時計をデザインしたのは、当時、ローザンヌ州立美術学校のラグジュアリーデザインとクラフツマンシップの修士課程に在籍していたゲオルグ・フォスターだ。彼はヴィンテージ・レーシングカーの世界からインスピレーションを得て、往時の車が失踪するコースの世界に凝縮したのである。

 そこから流線形のラインと強力なエンジンを搭載した、驚くべき置き時計のフォルムが生まれた。ここではピストン、ケーシング、シリンダーヘッドだけでなく、さまざまな歯車が一体となって、手巻きキャリバー1855 MHDに生命の息吹を吹き込んでいる。

 ムーブメントはレペによる自社製で、手作業で設計・製造された全長38cmのボディの曲線に沿って配置されている。

タイムファストD8

フロントに浮かび上がるのはレペのロゴ。

 このムーブメントは、約8日間(約192時間)のパワーリザーブを備えており、1週間に1回の巻き上げのみで十分だ。この巻き上げは、我々が子ども時代によく遊んだ自動車のおもちゃのように、後輪を逆に動かすことで行われるのである。

 時間と分は、酸化防止処理が施された2枚のステンレススチール製ディスクを使って時計の片側に表示される。そして開口部は、典型的なレースで用いられるナンバリングを想起させる。

 コックピットではハンドルが時刻調整の歯車の役割を果たす。反時計回りに回転させると、時刻を合わせられるのだ。また、それぞれの作品には、リミテッドエディションの番号が個々に与えられている。

タイムファストD8

タイヤの素材には耐摩耗性ラバーを採用。


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