「LVRR-01 クロノグラフ・ア・ソヌリ」ウォッチメイキングの限界に挑むルイ・ヴィトンの新たな挑戦

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2023.10.26

ルイ・ヴィトンと独立系ウォッチメーカー「レジェップ・レジェピ」のコラボレーションにより、チャイミングコンプリケーションを備えたダブルフェイスのクロノグラフが「タンブール」に収められた。レジェップ・レジェピが設立したアトリエ・アクリヴィアでは、新しいトゥールビヨンムーブメントを本作のために開発している。

LVRP-01 クロノグラフ・ア・ソヌリ

ルイ・ヴィトン「LVRR-01 ソヌリ・クロノグラフ」
手巻き(Cal.LVRR01)。41石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ptケース(直径39.9mm、厚さ12.2mm)。3気圧防水。


“ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズ”の初回プロジェクト

LVRP-01 クロノグラフ・ア・ソヌリ

著名な独立系ウォッチメーカーであるレジェップ・レジェピが設立した「アトリエ・アクリヴィア」の発想と技術が集約された作品であることを表現した「AKRIVIA」のロゴに着目したい。Vの部分がLVロゴになっている。ルイ・ヴィトンが他のブランドのロゴと組み合わせられるのはメゾン史上初のことである。

「LVRR-01」には高い技術力が集約されている。チャイミングコンプリケーションを備え、ダブルフェイスのクロノグラフを搭載する。また、まったく新しいトゥールビヨンムーブメントが再解釈されたタンブールのプラチナ製ケースに収められている。本作は、レジェップ・レジェピの時計作りへの情熱とルイ・ヴィトンの時計作りに対する思想が重なって生まれた。

 例えば、現在時刻を表示するトゥールビヨンレギュレーターを備えた高精度クロノメーターであると同時に、経過時間を計測する計器でもある。ソヌリ機構により、時間の経過を示す時計の誕生は時計業界の歴史上、初めてのことだ。また、片面は淡い色を施したサファイアクリスタルは現代的な要素を感じさせるが、もう片面はホワイトカラーのグラン・フー・エナメルを使用して伝統的な雰囲気に仕上がっている。これらは両メゾンの個性と思想が表現されている点であるといえる。

 歴史を知ればさらにこのコラボレーションウォッチが意味深いものであることに気付かされる。アトリエ・アクリヴィアの初のタイムピースである「AK-01」はクロノグラフとトゥールビヨンの両方が搭載されていたものであった。また、ルイ・ヴィトン初のコンプリケーションウォッチ「タンブールLV277」はクロノグラフで、メゾン初のハイウォッチコンプリケーションはトゥールビヨンだった。

LVRP-01 クロノグラフ・ア・ソヌリ

本作のムーブメントを特徴づけるクロノグラフ・ア・ソヌリ。時計製造の歴史上はじめて、統合された2つのコンプリケーションだ。

 搭載されるムーブメントはレジェップ・レジェピが独自に開発したまったく新しいキャリバーである。手作業で施された装飾や優美な形状のクロノグラフレバーを見ることができる。従来のムーブメントと比較すると、本作のキャリバーは裏表が逆になっており、クロノグラフとチャイミング機構が表側に見えるようになっているため、いつでも腕元で仕掛けを観賞することができる。

LVRP-01 クロノグラフ・ア・ソヌリ

表面のダイアルはサファイアクリスタルに着色がされている。この半透明のダイアルにより、アングラージュやブラックポリッシュなどの伝統的な技法により手作業で仕上げられた部品一つ一つの装飾が見られる。

 フロントの6時位置配される5分ごとに1回転するトゥールビヨンは歴史的なクロノメーターの精神に則り、レジェップ・レジェピが新たにデザインしたものである。ケージの内部には2本の幅広のアームと8つの振動錘を備えたバランスホイールが搭載されており、マリンクロノメーターに見られる機構を着想源としている。

 クロノグラフ機能は2時位置のプッシャーで操作する。加えて、このクロノグラフには1分おきにチャイムが鳴る経過時間を音で知らせる機能がついている。このチャイムは、アトリエ・アクリヴィアで開発された強化スティール製のゴングをブラックポリッシュ仕上げのスティール製ハンマーが叩くことでクリアな音色を奏でる。

LVRP-01 クロノグラフ・ア・ソヌリ

トゥールビヨン、クロノグラフ、ソヌリを一本の腕時計の中で動かすには動力源が十分に確保される必要がある。レジェップ・レジェピはツインバレルモデルに仕上げ、さらにひねりを加えた。標準的なツインバレルはそれぞれが独立して動くようにするところだが、2つ目のバレルを特殊な方法を用いてギアトレインに連結させたのだ。

 クロノグラフが作動し、中央の可動部がハンマーによってリリースされると、2番目のバレルからの回転を妨げていたブロックが解除される。クロノグラフと打刻機構が作動している間に、ベースギアにエネルギーが供給され、ムーブメントを妨げることなく2つのコンプリケーションが適切に機能するために十分なエネルギーが確保される仕組みだ。

LVRP-01 クロノグラフ・ア・ソヌリ

プラチナ製ケースはコンプリケーションモデルとしては実用的なサイズ感に収まっており、かつフォルムもクラシックだ。なお、本作ではドラムから着想を得た「タンブール」のケースを再解釈しており、流線形のフォルムへと生まれ変わらせている。ベゼルの傾斜角度、ラグのエッジが特徴的だ。

 クラウンとクロノグラフプッシャーはそれぞれ7面を持つ。ムーブメントのパーツと同様に、エッジに面取りが施されたクラウンとプッシャーにはレジェップ・レジェピが採用しているものと全く同じ技法が用いられ、ハンドハンマーによる装飾が施されている。このケースはアトリエ・アクリヴィアにより、そのケースメイキング工房のマスターケースメーカーであるジャン-ピエール・ハグマンが監督している。右下のラグに控えめに刻印された彼のイニシャル「JPH」はハグマン本人によって裏打ちされた最高品質の証である。

 また、時計裏面には「Louis cruises with Rexhep」と手彫りされており、レジェップと旅するルイ、とルイ・ヴィトンならではのウィットに富んだメッセージが選ばれている。

LVRP-01 クロノグラフ・ア・ソヌリ

ダイアルには半透明の焼成エナメルで満たされた6粒のゴールドキューブが配されている。プリカジュールと呼ばれるステンドグラスに似た特別なエナメルの技法で、ルイ・ヴィトンが特許を取得したコンプリケーションのひとつ、ジャンピングアワーディスプレイ「スピン・タイム」に由来するディティールだ。

LVRP-01 クロノグラフ・ア・ソヌリ

「LVRR-01」のために特別に作られたトランクにはエナメルダイアル上のクロノグラフの目盛りモチーフと、「AKRIVIA」のロゴ、そしてそれぞれのウォッチのシリアルナンバーがハンドペインティングで描かれる。

LVRP-01 クロノグラフ・ア・ソヌリ

世界限定10本の制作で、ユーロでの価格は540,000だが、日本で手に入れることができる人はいるのだろうか。



Contact info:ルイ・ヴィトン クライアントサービス Tel.0120-00-1854


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