まるで時刻が読み取れない、ルイ・エラールとスイスの抽象芸術家「オリヴィエ・モセ」のコラボモデル

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2024.02.06

ルイ・エラールは、スイスの抽象芸術の歴史的かつ反逆的な人物であるオリヴィエ・モセとの新しいコラボレーションを発売した。キラキラと輝くスパークリング インレイ ダイヤルとブラック オン ブラックに統一されたこのモデルは、世界限定178 本の希少モデルだ。※写真の時刻は2 時10 分10 秒。

腕時計の中に表現されたアブストラクト(抽象)オブジェ

エクセレンス レギュレーター ルイ・エラール x オリヴィエ・モセ

ストリートカルチャーを愛するオリヴィエ・モセの作品は、モーターバイクや車などで使用されるメタリックなエレメントが、重要な位置を占めている。この時計でもメタリックなペイントと黒くてキラキラした文字盤により、自動車のボディの外観と感触を想起させる。

 ケース、ストラップ、ハンズの全てがブラックで統一されたこの作品は、ブランドロゴやインデックス全てを削ぎ落とした、まさに抽象的なオブジェアートである。唯一の対比する要素はキラキラとシルバーに光るダイヤルだ。3 本の針は棒状で、時間、分、秒、すべてが同じ長さと幅で、同じ丸い先端を持っている。もうひとつの特徴的なディテールが、方向を示す穴のサイズである。これが、読み取り感覚を完全に失わないようにするための唯一の機能性だ。


『エクセレンス レギュレーター ルイ・エラール x オリヴィエ・モセ』

 精度や視認性が求められるウォッチメイキングにおいて、この時計は挑戦的で反逆的な芸術作品と言えよう。究極のミニマリズムがアーティスティックに表現されたレギュレーターは、幾何学的な再解釈により、中央に分針、上部に時針、下部に秒針が整然と配置されている。

  • エクセレンス レギュレーター ルイ・エラール x オリヴィエ・モセ
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エクセレンス レギュレーター ルイ・エラール x オリヴィエ・モセ
自動巻き(Cal.SW266-1)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径42.0mm)。5気圧防水。82万5000円(税込み)。世界限定178本。

 オリヴィエ・モセは、スマートフォン全盛の今日における機械式腕時計の意味を熟考しながらデザイン制作に励んだ。この時計は彼の答えでもある。腕時計は高級な付属品であり、芸術品である、と。そして、それはまさに映画『イージーライダー』のシーンを思い出させる。バイクを買ってまさに立ち去ろうとしているとき、主演俳優のピーター・フォンダが時計を外して投げ捨てる場面だ。

 抽象芸術作品としての本作の178 個の時計のそれぞれには、「アート作品 - 着用しないでください」と書かれた赤いタグが付いている。また、ケースにはアーティストによって署名された2 つの交換可能なストラップが付属する。時計製造の常識や規範を変えようとする試みは、芸術的なコラボレーションを通じて、世界中のコレクターや現代アート愛好者を楽しませたい、という願いからなのだ。

オリヴィエ・モセとは?

オリヴィエ・モセ

 オリヴィエ・モセは 1944 年にベルンで生まれ、1960 年代初頭にアートの世界に入った。彼はジャン・ティンゲリーの助手として働き、その後ダニエル・スポエリのもとで活動。1963 年にパリに到着し、アートの意味とアーティストの役割を問い直し絵画を始めた。最初は小さなフォーマットに "A" の文字を描いていた。その後、彼の象徴的なモチーフの中には、白い背景に黒い円が含まれており、これを彼は1966 年から1974 年の間に200 回描いていた。それは彼が絵画においてゼロ度に到達する手段であった。

 1966 年12 月には、ダニエル・ビュラン、ミシェル・パルメンティエ、ニエル・トロニとともにパリでB.M.P.T グループを設立する。グループは1967 年12 月に解散したが、オリヴィエ・モセのアートは根本的なものであり、ジャン・ボードリヤールによれば「見るものが何も残っていない」ようなモノクロームに至った。彼は1977 年にパリを離れてニューヨークに移住し、反文化に触れながらコラボレーションを増やす。現在、オリヴィエ・モセはアリゾナ州ツーソンに住み、制作活動を行っている。



Contact info: 大沢商会 Tel.03-3527-2682


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