セイコーウオッチ株式会社は、同社のクロックブランド「デコールセイコー」より、日本の伝統工芸である江戸切子で文字盤を飾った新作置き時計を発表した。東京で最も歴史のあるガラスメーカーのひとつ「廣田硝子」との共同で製作されたクロックであり、2025年7月4日(金)より発売が予定されている。
伝統のガラス細工が息づくプレステージクロック
国産時計としてのクォリティと芸術性を追求し、日用品としての枠にとどまらず、工芸品や宝飾品としての側面も持つ、デコールセイコー。その新作として、江戸切子が施された文字盤を持つ優美な置き時計が登場した。

クォーツ。電池寿命約5年。クリスタルガラス×アルミケース(高さ245×幅233×奥行き99mm)。重さ3.8kg。77万円(税込み)。
ケース内に浮かぶように配置された江戸切子の文字盤は、東京に位置する老舗ガラスメーカー「廣田硝子」が手掛けたものだ。熟練の職人の手によって、文字盤全面には「麻の葉」文様と呼ばれる伝統的な幾何学パターンが施されており、輝きとともに、際立つ個性を見せている。そしてその上には、インデックスの役目を担うアルミ製フレームと針が配置され、ワントーンでありながらも、視認性に優れた端正な顔立ちが構築されている。

江戸切子の製作工程は極めて緻密であり、カットのラインと切れ込みの深さを常に均一に保ちながら美しい柄に仕上げるためには、豊かな経験に裏打ちされた高度な技術が不可欠となる。下絵の写しから始まり、精緻なカット、そして丹念な仕上げの磨きに至るまで、全工程が熟練職人の手によって丁寧に行われ、みずみずしくも凛とした表情が完成するのである。その魅力を体現した本作は、工芸品のような趣を持つクロックとして、格別の存在感を放つ。

大胆に江戸切子が施された文字盤は、光を受けることで透明感に奥行きが加わり、角度によってさまざまに変わる表情を見せてくれる。なお、ムーブメントはクォーツ式だ。時間精度は平均月差±15秒である。
廣田硝子
1899年(明治32年)に創業した、東京で最も歴史のあるガラスメーカーのひとつ。創業より積み重ねられてきたデザイン資料を基に、江戸切子や吹きガラスといった、伝統的な製造技法を継承し、現代のインテリアにも調和する、高品質なガラス商品を創り続けている。