EZM1誕生から20年 ジンの伝説的モデルが500本限定で復刻

2017.11.01

「EZM1.1」。自動巻き(Cal.SZ01)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SS(直径43mm、厚さ16.4mm)。20気圧防水。両方向回転ベゼル。シリコンストラップ。世界限定500本。73万円(税別)。


 1997年、ジンが初めて世に送り出したミッションタイマーEZM1の遺伝子を継承するモデルEZM1.1が、11月中旬より世界限定500本で発売される。

 ミッションタイマーEZM1は、ドイツ国境警備特殊部隊の関税局中央支援グループ(ZUZ)のために開発されたモデルで当時、隊員20名全員に支給された。ZUZとはドイツ税関に勤務する特殊警察部隊のような機関。開発の際には精密機器レベルの精度を持ったクロノグラフで、悪条件においても一瞬で時間を把握できる視認性が求められた。この要望に応えるべくジンのエンジニアや技術者たちが協力して完成させたのが、EZM1だった。

 このデザインには大きくふたつの特徴がある。ひとつは分積算計が一般的な30分計ではなく60分計であり、かつ、それがセンター配置である点。スモールダイアルではなく時計のダイアル外周の目盛りで分積算を読み取るために見やすさが向上する。もうひとつはスモールダイアルがひとつもなく、ミッションタイマーにおいて重要とされる時間計測のためのクロノグラフ機能、とりわけ秒と分積算計に特化したスタイルとなっている点である。視認性をより高めるため、針、目盛り、数字以外の表示は赤で目立たなくした。

 また、リュウズとプッシャーは通常とは反対の9時側に配され、結果、最も力の強い親指でクロノグラフを操作することが可能となった。それ以外にも−45〜+80℃の過酷な温度条件に耐える特殊オイル66-228の使用や、テギメント加工により表面を硬化したケースなど、今回の復刻版はEZM1の遺伝子を受け継いでいる。

 その後、ジンは長きにわたってプロフェッショナルのためのミッションタイマーを続々と開発してきたが、EZM1はまさにその先駆けとなったモデルである。その復刻版、ぜひ手にしてみたい。



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