ロシアの独立時計師“アントン・スハノフ”が、初のリストウォッチ「レーサー ジャンピングアワー GMT」を発表

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2021.07.11

 ロシア、サンクト・ペテルブルクの独立時計師 ANTON SUHANOV(アントン・スハノフ)は、自身初のリストウォッチ「 RACER Jumping Hour GMT(レーサー ジャンピングアワー GMT)」を発表した。左側にタコメーター、右側がスピードメーターで、それが車のダッシュボードであることが一目でわかるデザインだが、クロノグラフとは全く違うトリプルジャンピングアワーである。

アントン・スハノフ
レーサー ジャンピングアワー GMT

  • アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

    ダブル・ローレット仕上げのリューズ、第二時間設定のための2 時位置に円錐形ガード付きプッシュボタン

  • アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

    文字盤はアルマイト処理、ルテニウム・コーティングがなされギョーシェが施された

  • アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

    右はレトログラードミニッツ、左はレトログラードアワー、12時位置に24時間式のセカンドタイム表示窓、6時位置は日付表示

  • アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

    クッション型とは異なる一辺が丸い正方形のケース

  • アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

    ケースバック一体型の自動巻きローター

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ユニークなデザインのためには、ユニークなムーブメントが必要だ。アントン・スハノフは、レトログラード・ミニット表示の機構に基づいた表示を備えたムーブメントを構築することに決め、複雑なデザインを完成させた。右側の分針は60 からゼロの位置にジャンプするが、アクセルペダルに瞬時に呼応する研ぎ澄まされたエンジンのようだ。その瞬間左側のレトログラード・アワーの針が1 時間進む。同時に12 時位置のウィンドウに配置されたレーサー ジャンピングアワー GMT の24 時間表示デジタル・セカンドタイムゾーン・インディケーターも1 時間分ジャンプする。
アントン・スハノフ「レーサー ジャンピングアワー GMT」
自動巻き(cal.Su100.20)。43石。28,800振動/時。SS(直径39mm、厚さ12.5mm)。3気圧防水。約8日間パワーリザーブ。世界限定20本。286万円(税込予価)。

弧を描くちょっと変わった20 秒の秒表示

アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

ダイアルのセンターには、弧を描くちょっと変わった20 秒の秒表示がある。これは、時間をゆったりと認識したいというアントン・スハノフの感覚により生まれたもので、3本腕の針が回転することにより、レトログラードのような動きを見せる。またダイアル下部には、毎日使用する時計に必須の日付表示窓が配された。


時間の感じ方が異なる時計

アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

 アントン・スハノフは語っている。「1 時間に1 回、または1 日に数回見る時計もあれば、特別な瞬間を見逃さないよう、常に眺めていたい時計もあります。ダイナミックな瞬間とゆったりした時間の経過を認識するということの組み合わせが私のレシピです。私の時計では、時間の感じ方が異なります。ある時点では、レースに参加しているように、1 秒1 秒を注視しています、また別の瞬間には、文字通り数秒で、あなたは自信をもって車を運転し、ゆっくりとマイルを数え、それらすべてが制御されたもとで、世界があなたの車の窓を通り過ぎます。」

ロシアでハイエンドウォッチを作るという現実

アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

 時計を作るということは、常に非常に複雑、費用もかかるし、骨の折れるプロセスが要求される。特に、伝統的なスイスのウォッチメイキングにおける最高水準に沿ってそれがなされる場合にはなおさらだ。時計製作に必要なパーツをどこで調達するか(自社工房で作る、あるいはサプライヤーから供給してもらう)ということを選択できるスイスのウォッチメーカーとは異なり、ロシアの独立時計師にそのような選択肢はない。

アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

現在ロシアには、ハイエンドで求められる特性と適切なレベルでの仕上げのクォリティを備えたパーツを供給してくれるようなサプライヤーは無い。だから、設計、エンジニアリング、技術面における準備、製造管理、仕上げからアセンブルに至る一連の過程は、すべてアントン・スハノフの工房内で行われている。
アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

手作業によるポリッシュと面取り、エングレービング、スクリュー、ピン、穴石の研磨がなされ、ペルラージュ、ファイン・ストレイト、サーキュラー・グラインディング、サンドブラスト、ロジウムプレイトなど、パーツの仕上げには伝統的なテクニックが用いられた。
アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT
アントン・スハノフ レーサー ジャンピングアワー GMT

独立時計師“アントン・スハノフ”

 ロシア人ウォッチメーカー Anton Suhanov(アントン・スハノフ)は、サンクト・ペテルブルク工科大学で CAD(Computer-Aided Design – コンピュータ 支援による設計)/ CAM(Computer-Aided Manufacturing – コンピュータ 支援による製造)等の技術における博士号を取得の後、防衛企業の設計局で働いていた。その後、2007年、ロシア人ウォッチメーカー、Konstantin Chaykin(コンスタンチン・チャイキン)との運命的な出会いにより、彼の工房にてコンストラクター、製造部門のディレクターを10 年間務めた。2016 年、Anton はバーゼルのウォッチメイキング・コンテストで優勝し、多くのすぐれたウォッチメーカーに出会ったことが、時計産業における彼のヴィジョンに影響を与えた。そして2019年、自身の工房である ANTON SUHANOVを立ち上げるに至った。

■ANTON SUHANOV 公式サイト http://www.anton-suhanov.com/

 

Contact info: ノーブルスタイリング Tel.03-6277-1604


強力なエネルギーを放つ、アントン・スハノフ「ロータス・クロック」

https://www.webchronos.net/news/56080/
ロシアの独立時計師アントン・スハノフのトリプル・アクシス・トゥールビヨン

https://www.webchronos.net/news/43103/