ルイ・ヴィトンから現代建築を思わせるスケルトンウォッチ「ヴォヤジャー スケルトン」が登場

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2023.05.04

ルイ・ヴィトンから、オープンワークムーブメントの技術的専門知識を受け継いだ新作「ヴォヤジャー スケルトン」が発表された。時を超える旅、機械式時計ムーブメントが織りなす世界への旅へと誘う。「ヴォヤジャー」ならではの独特なケースに搭載されるのはキャリバーLV60だ。メゾンの世界観を連想されるスケルトン・ムーブメントとなっている。

ルイ・ヴィトン「ヴォヤジャー スケルトン」

いくつかのフラッグシップストアのダイナミックな建築や、フォンダシオン ルイ・ヴィトンの幻想的なフォルムを連想させるスケルトン・ムーブメントが特徴。


ウォッチ版の現代建築

 スケルトン仕様で「ヴォヤジャー」のケースに収めることを前提に考案されたキャリバーLV60のブリッジは、必要不可欠な構造部品だが、単なる機能的メカニズムというより、ルイ・ヴィトンを体現するようにデザインされている。

 これにより、不動のはずの要素がフランク・ゲーリーによって設計されたフォンダシオン ルイ・ヴィトンの風を孕み膨らんだ帆のようなガラス構造さながら、動きのある工学的フォルムに変化する。

ルイ・ヴィトン「ヴォヤジャー スケルトン」

メゾン初の自動巻き時刻表示スケルトンムーブメントであるLV60は「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」が設計・開発し、スイスのヌーシャテルにある工房、ル・セルクル・ドルロジェと共同で製造されている。

 ルイ・ヴィトンの建築的な美を表現したキャリバーLV60は、メカニズムとデザインのショーケースであり、レザーグッズやトランク、さらには建築にまで体現されたルイ・ヴィトンの真髄を表現するスタイルである。すべてのブリッジとプレートは、構造的完全性のために必要最小限まで巧みに削ぎ落とされている。

 ただ削ぎ落とすだけでなく、デザイン性を念頭に置いて行われた削減のプロセスで、LVロゴを象ったブリッジの特徴は、気が核的なラインと独特の直線性であり、その一方でモノグラム・フラワーをさりげなくあしらったローターブリッジなど、いくつかの装飾も組み込まれている。特に際立ったディティールは「LOUIS VUITTON」と綴るために大胆なオープンワークが施された香箱角穴車だ。

 こうした細部への配慮により、ウォッチフェイスはロジウムメッキが施されたムーブメントの部品が醸し出すモノクロームに近い美意識と完璧にマッチしたものとなっている。機械式の部品を縁取るディープブルーのリングには分を表すインデックスが刻まれブルーの時針と分針で高い視認性が確保されている。

ルイ・ヴィトン「ヴォヤジャー スケルトン」

ルイ・ヴィトン「ヴォヤジャー スケルトン」
自動巻き(Cal.LV60)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。Ptケース(直径41.0mm、厚さ9.00mm)。50m防水。価格要問い合わせ。150本限定。


ゼンマイが露出した香箱でパワーリザーブを読む

 キャリバーLV60は、デザイン性を追求しただけのものではない。LVロゴを象ったブリッジを実現するには従来のフルサイズのブリッジより遥かに手の込んだ装飾が必要とされる。上面に細かい直線の木目調装飾が施され、角が面取りされたブリッジは、下面がサンドブラスト処理されており、機械的造形美を生み出している。

ルイ・ヴィトン「ヴォヤジャー スケルトン」

全工程において、細部にいたるまで細心の注意が払われている。

 キャリバーLV60の透過性を最大限に高めるため、本ムーブメントにはホワイトゴールドのロジウムメッキが施されたプレートで飾られたタングステン製マイクロローターが装備されている。LVロゴを象ったブリッジや内部のメカニズムの視認性を最大限に高めるため、マイクロローターは意図的に中心からずらされている。マイクロローターは控えめなサイズにも関わらず、両巻き上げのローターの採用により、ゼンマイを効率よく双方向に巻き上げることができる。

 ムーブメントの透過性により、本ムーブメントの基本的なメカニズム、すなわち動力が5時位置にあるゼンマイから、輪列を経て、12時位置にあるテンワと脱進機にどう到達するかを見ることができる。

 また、ゼンマイが露出した香箱は、パワーリザーブを知る目安にもなる。ゼンマイが見えるため、ゼンマイの透過性から残りの作動時間を概算できる。隙間なくしっかりと巻かれたゼンマイは完全な巻き上げを示す一方で、光が透けて見えるほどゆるく巻かれたゼンマイは巻き上げの合図となる。


シンプルなプラチナ製のケース

ルイ・ヴィトン「ヴォヤジャー スケルトン」

キャリバーLV60と好対照をなすシンプルなウォッチケース。

 2016年に初登場した「ヴォヤジャー」のケースはルイ・ヴィトンのハイウォッチメイキング製品でのみ採用されているルイ・ヴィトンオリジナルのデザインだ。ヴォヤジャー スケルトンはプラチナ製で、ケースバックには純度95%の稀少かつ貴重な合金である証明に「Pt950」と刻印されている。

 永遠に輝きを保つ明るい色合いで珍重されるプラチナは、ウォッチメイキングで使用される最も高密度の合金のひとつに数えられており、ルイ・ヴィトンの中でもハイウォッチメイキングやリミテッド・エディションなど特別なタイムピースでのみ使用される素材である。

ルイ・ヴィトン「ヴォヤジャー スケルトン」

ケースの中間部とベゼルが一体化したモノコック構造が採用されている「ヴォヤジャー」のケース。

 本作のケースは波紋のような曲線と対照的な表面仕上げを組み合わせた、入念に成形されたフロントがニュアンスを醸し出しているが、これをプラチナで実現するのは、最も熟練した職人でさえ腕前を試されるプラチナ合金の機械加工上の特性ゆえに大変な課題である。

 鏡面仕上げの表面はラグからケースの両側へと延びたあと、3時と9時の位置にあるマットサテン仕上げの面で終わり、サテン仕上げの面は、上方のダイアルを囲むサテン仕上げのベゼルと、下方のケース両脇へと続く。

ルイ・ヴィトン「ヴォヤジャー スケルトン」

ネイビーブルーのアリゲーターレザーストラップとトリヨンレザーストラップの2種が付属する。

 リミテッド・エディションで150本限定の販売ということだったが、2023年4月のプレスリリース発表時点で完売しているという情報が入っている。


Contact info: ルイ・ヴィトン クライアントサービス Tel.0120-00-1854center>


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