【88点】ロレックス/ オイスター パーペチュアル エアキング

FEATUREスペックテスト
2018.02.16

リュウズはねじ込み式で、二重にパッキンを入れたトゥインロック構造になっている。王冠マークの下のラインがそれを示す印だ。

 シルエットはミルガウス、そこへわずかにエクスプローラーの風味を加え、王冠はイエロー。ロレックスを象徴するグリーンを差し色に、目を引くフォント。これら要素が満載になっているのが2016年に登場したエアキングの文字盤だ。エアキングは長年、ロレックス初心者の最初の1本として人気を得てきたが、その理由は価格だけではない。同モデルはロレックスの中でも幾多の逸話とともに愛されており、今回の新作の外観は、そうした背景を裏切ることのない仕上がりとなっている。

 ロレックスと航空の世界を結び付ける有名なエピソードがある。1930年代の航空発展期に数々の記録を打ち立てた英国人飛行士のパイオニアであるチャールズ・ダグラス・バーナードは、同社のオイスターの特徴に着目し、ロレックスが飛行の際に適した腕時計だと考えた。そして彼は今後の長距離飛行に着用すると述べたのだ。また、別のレジェンドとしては、英国空軍のパイロットたちが防水性能の高いオイスターをいたく気に入って、支給される腕時計をよそに自腹でロレックスを購入したという話もある。なお、新作の文字盤に記された〝Air-King〟のフォントは、1950年代に特別にデザインされたものである。

 モデルとして確立されてから数年が経つと、バリエーションも豊富になった。コレクターの中には、それぞれの持つストーリーに格別の愛着を抱いている者もいる。例えば、アメリカにかつてあったパン・アメリカン航空は、長年勤めたパイロットが引退する際にエアキングを贈呈していた。こうしたストーリー付きの個体はコレクターたちの垂涎の的だ。また、かつて製造されていた日付表示付きのエアキング デイトはかなり稀少かつ目立つモデルのため、探し求めている者も多い。もともとはパイロットのために作られたモデルではあるが、コックピットに座ることのない者の間でも人気は高まり続けている。新しいモデルが次々と登場しているという事実が何よりの証拠だ。加えて、以前のケース径は34㎜だったが、新作では時代にかなった40㎜になった。