豊かな個性を放つ、エレガントウォッチの現在進行形

定番をただ守るだけでは、スタイルは更新されない。ラフに羽織れる革ジャンの強さと、エレガントウォッチの落ち着いた上品さ。異なるふたつの表情をあえて重ねることで、装いは新しい均衡を見せる。強さが上品さを引き立て、上品さが強さを洗練へと導く。そんな“ギャップの妙”こそが、時代の感性に寄り添う大人にふさわしい美学だ。革ジャン×エレガントウォッチという組み合わせに、定番を進化させるためのヒントがある。ここでは、6つのカテゴリーに分けて、その“最適解”となるスタイリングを提示する。

『クロノス日本版』編集長がアドバイス！
エレガントウォッチ選びのポイント

　かつては地味と見なされてきた、いわゆる「エレガントウォッチ」。しかし、ディテールや色に工夫を凝らすことで、そのデザインは長く愛せる要素として市場に受け入れられるようになった。事実、新しいエレガントウォッチの多くは、かっちりしていながらも決して退屈ではない。

　では、どんなポイントでエレガントウォッチを選べばいいのか。一番大切なのは使う場面に合ったものを選ぶこと。時計として映えても、合わせる服を選ぶようでは意味がない。そして文字盤の出来が良いものを選ぶこと。普段使う時計は、イケメンが残るのです。

個性が光るエレガントウォッチカタログ

オメガ「デ・ヴィル プレステージ」

　サンブラッシュ仕上げの艶やかなサーモンカラーダイアルに、ローマ数字とカボションカットのインデックスが規律正しく並ぶ。6時位置には4分割の三日月型のパワーリザーブ表示、9時位置にはスモールセコンドを配置。搭載されたマスター クロノメーター認定を取得するムーブメントは高精度の証し。

キングセイコー「バナック SDKV009」

　シルバーダイアルにブルーの差し色を重ね、1970年代の「バナック」の華やぎを現代的に再解釈したモデル。多面カットを施したケースは、歪みのない面が異なる光を返し、シャープな造形を際立たせる。そして立体的なインデックスが、端正な表情に奥行きを与える。

ティソ「PRC 100 ソーラー」

　十二角形ベゼルとディープブルーのサンレイ文字盤が印象的なモデル。サファイアクリスタルを透過した光をハニカム構造のセルで電力に変換するライトマスター ソーラーテクノロジーを搭載。クォーツムーブメントCal.F06.615はフル充電で約14カ月駆動し続ける。100m防水性能を備え、幅広いシーンに対応。

ブローバ「クラシック エアロジェット 96A318」

　1960年代 の「エアロジェット」に着想を得て、オフホワイトの文字盤にバーインデックスとセンタークロスを配し、古典的な2時位置リュウズを採用したモデル。6時位置の開口部からは、ムーブメントの心臓部であるテンプの精緻な律動がのぞく。自動巻きムーブメントが約42時間の連続駆動を実現。

ジン「534 マザーオブパール S」

　黒蝶貝製のダイアルに、24個のひし形ファセットを刻んだ装飾的なベゼルを組み合わせたエレガントなモデル。手作業で植字されたロジウム仕上げのインデックスが奥行きをつくり、丸みのあるリュウズが全体の造形を整える。10気圧防水と減圧耐性を備えた実用性の高い1本だ。

ボール ウォッチ「マーベライト ブライトパス 36」

　縞模様が深みを帯びるタイガーズアイ文字盤に、針とインデックスには自発光マイクロ・ガスライトを採用。ムーブメントはCOSC認定を取得し、ミューメタル製インナーケースによる8万A/mの耐磁性と5000Gsの耐衝撃性を備えた高機能なメカニカルウォッチだ。