ワールドウォッチフェアで見てみたい、明るく光るテクノロジーが新しく楽しい、注目の新作 5選

2020.09.09

より明るく見やすい時計が増えている。しかも針やインデックスだけではなく、ダイヤルやケースやストラップの光るモデルも登場し、夜間や暗い場所での個性演出ができるようになっている。つまりこれまでにない着けこなしを楽しめる時計が増えてきているのだ。そんな明るさが新しく楽しめる新作5本を選抜。

福田豊/選&文

明るく光るテクノロジー

 暗闇で時間を知るにはどうしたらよいか。というのは、時計が誕生してからの、常に大きな問題とされてきたことだ。

 その解決策として、いわゆる夜光塗料が針とインデックスに塗られるようになったのは、第一次世界大戦の頃のこと。ラジウムベースの自発光塗料が発明されたのが、その始まりだ。

 しかし後年、ラジウムが大量の放射線を出していることに気がつき、トリチウムをベースとした自発光塗料へと移行。だがトリチウムも放射能がまったくないわけではなく、現在は安全性の高いスーパールミノバ™が使用されるのが一般的になっている。

 そして近年、新世代のスーパールミノバ™が発明されるなど、より明るく見やすい時計が増えている。しかも針やインデックスだけではなく、ダイヤルやケースやストラップの光るモデルも登場し、夜間や暗い場所での個性演出ができるようになっている。つまりこれまでにない着けこなしを楽しめる時計が増えてきているのだ。

 ここで集めたのは、そんな明るさが新しく楽しめる新作5本。プライス順でのご紹介だ。


ボール ウォッチ「ロードマスター マリン GMT」

ボール ウォッチ「ロードマスター マリン GMT」
直径40mm
自動巻き(Cal.PR1203-C)
25石
2万8800振動/時
200m防水
SS
29万円(税別)

 ボール ウォッチの誇るテクノロジーのひとつが、スイスの革新的レーザ技術により開発された、マイクロガスライト。トリチウムガスを真空のガラス管に密封し、ブラウン管のように光らせるシステムで、通常のスーパールミノバ™の約70倍の明るさ。電力や蓄電を必要とせずに10年以上輝き続ける画期的な夜光システムだ。これはそのマイクロガスライトを針とインデックスに使用した「ロードマスター」の新作。線路の施設や保守や点検などを行う「保線夫」を意味する「ロードマスター」は、鉄道時計をルーツとするボール ウォッチの代表作だが、これまで日本国内では未展開であった。それが第6世代となった今年、遂に日本初上陸。そういう意味でもおすすめだ。


ベル&ロス「BR 03-92 ダイバー フル ラム」

ベル&ロス「BR 03-92 ダイバー フル ラム」
直径42mm
自動巻き(Cal.BR-302)
25石
2万8800振動/時
300m防水
セラミック
世界限定999本
55万円(税別)

 ダイバーズウォッチには精確な規定があり、国際規格ISO 6425で定義された厳格な基準を満たした時計だけがダイバーズウォッチと表記することができる。その厳格な基準の大きなひとつが、暗い水中でも時間を判読できる視認性のよさで、これはそんな視認性のよさに優れた画期的ダイバーズウォッチの新作。ダイヤルにスーパールミノバ™C5を、インデックスと針とベゼルの目盛りにスーパールミノバ™C3を使用。ダイヤル全面をグリーンに光らせ、さらに明るいグリーンに針やインデックスを光らせることで、抜群の視認性を実現した。ケースをマットブラックのセラミックにしたことにより、コントラストをより際立たせているのも格好いい。


ゼニス「デファイ エル・プリメロ 21 カール コックス」

ゼニス「デファイ エル・プリメロ 21 カール コックス」
直径44mm
自動巻き(Cal.エル・プリメロ9004)
53石
3万6000振動/時
10気圧防水
カーボン
世界限定200本
206万円(税別)

 テクノ&ダンスミュージックの名プロデューサーであり、DJとしても活躍する、カール・コックスとのコラボレーションモデル。ベースはモデル名のとおりに、36万振動/時の超高速振動のクロノグラフ専用輪列を備えることで、1/100秒計測可能とした「デファイ エル・プリメロ 21」。その9時位置のスモールセコンドをビニールレコードを模したディスクにしたのがチャームポイント。そして最大の特徴が、カーボン製のベゼルにスーパールミノバ™を塗布したこと。そのためクラブのダンスフロアなどで、暗闇に溶け込んだマットブラックの時計のベゼル部分が、鮮やかなグリーンの輝きを放つ。大人の男のナイトライフのパートナーに最高なのだ。


パネライ「ルミノール マリーナ DMLS - 44MM 」(PAM01117)

「ルミノール マリーナー DMLS - 44MM 」(PAM01117)
直径44mm
自動巻き(Cal.P.9010)
31石
2万8800振動/時
30気圧防水
DMLSチタン
世界限定270本
209万円(税別)(12月発売予定)

 パネライは1910年代の初めに自発光塗料のラジオミールを発明。それをインデックスと針に用いた時計が「ラジオミール」。その後、ラジオミールが大量のガンマ線を放射することに気づき、トリチウムをベースに開発したのがルミノール。それをインデックスと針に用いた時計が「ルミノール」である。今年はルミノールの開発70周年で、これはその記念作。スーパールミノバ™の新世代であるX1を使用し、インデックスや針だけでなく、リュウズやストラップのステッチなども明るく光らせたのが特徴。3Dプリンターを使用したDMLSチタンケースも画期的。ルミノール開発70周年にちなんだ70年間の長期国際保証も特筆点だ。


ロジェ・デュブイ「エクスカリバー トゥーフォールド」

ロジェ・デュブイ「エクスカリバー トゥーフォールド」
直径45mm
手巻き(Cal.RD01SQ)
28石
2万1600振動/時
30気圧防水
ミネラルコンポジットファイバー
世界限定8本
予価3216万4000円(税別)

 3つの世界初を達成した革新的モデル。1つ目は、高級時計で初めて99.9%シリカの純白の合成素材であるミネラルコンポジットファイバー(MCF)をケースとベゼルに使用したこと。2つ目は、特殊なスーパールミノバ™技術によりキャリバー上部のアングルを明るく長く輝かせたこと。3つ目は、独自素材のFKMラバー製ストラップに施したルミネサント加工によりストラップが光を放つこと。そしてそれら3つの世界初により、この時計は明るいところでは目映いばかりの純白に、暗闇ではアイコンの星形やダブルトゥールビヨンの輪郭やストラップのパーツが浮かび上がるように光る。という、まったく違った顔をもつ、奥深い魅力のモデルなのだ。





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