ワールドウォッチフェアで見つけたい新作クロノグラフ・5選

2021.08.25

クロノグラフは、時間を示すことのほかに、時間経過を測ることのできるストップウォッチの機能を備えた時計だ。そしてクロノグラフがほかの時計とは大きく違う特別なところは、そのストップウォッチの機能にある。

というのは、時計の本来的な機能は「時刻を示す」という、ただひとつだけ。そのほかのストップウォッチや、日付表示や曜日表示、ムーンフェイズ、アラームなど、そういう機能は「付加機能」という。

しかし付加機能のほとんどは時刻を示すことの延長でしかない。日付表示や曜日表示はより長い時刻である日・曜日を示すもの。ムーンフェイズも然り。アラームも音で時刻を示すということ。要するに、シンプルな3針モデルと基本的には「同じ」なのだ。

ところが、クロノグラフは大きく違う。自分の好きなときに、好きなように、時間を切り取り測ることができる。時刻を示すこと以外のことができるのだ。

しかもクロノグラフは、その自分の好きなときに、好きなように、時間を切り取り測る、という操作のできるところが魅力。自由自在に針をスタート・ストップ・リセットできるところも楽しい。そんなことは、ほかの時計にはできない、クロノグラフだけの特別な機能だ。

ということで、時計好きには「クロノグラフがいちばん好き」というひとが多い。そして今年は魅力的なクロノグラフの新作が例年以上に多数発表された。

ここに挙げたのは、そのなかでも大注目の5本。いうまでもなく、どれも大おすすめだ。

福田豊/選&文


ブライトリング「スーパー クロノマット B01 44」

ブライトリング「スーパー クロノマット B01 44」

ブライトリング「スーパー クロノマット B01 44」
直径44mm
自動巻き(Cal.01)
47石
2万8800振動/時
20気圧防水
SS
121万円(税込み)

昨年のリニューアルに続いて「クロノマット」に加えられた新コレクション。昨年と同様に1980年代のデザインを踏襲、ライダータブやルーローブレスレットも採用された。一方、昨年の42mm径への小型化とは逆に、44mm径の大型ケースにされたのが大きな特徴。「クロノマット」のシリーズで初となるセラミックをインサートしたベゼルも目を引く特徴だ。そして大注目が久々に復活したUTCモジュール。ルーローブレスレットとの組み合わせは本当に久しぶりで、UTCモジュールが時計と同じ200m防水に揃えられた(これまでは100m防水だった)のも特筆点だ。


カルティエ「パシャ ドゥ カルティエ」

カルティエ「パシャ ドゥ カルティエ」

カルティエ「パシャ ドゥ カルティエ」
直径41mm
自動巻き(Cal.1904-CH MC)
37石
2万8800振動/時
10気圧防水
SS
118万8000円(税込み)

「パシャ ドゥ カルティエ」は昨年に全面リニューアル。中3針機構の41mm径と35mm径の2つのモデルが発表された。そして今年はこのクロノグラフモデルが新しく登場。おそらく待ち焦がれていたファンも多いだろう。目盛り付き回転ベゼルの復活も1980年代のオリジナルを知るファンにはうれしいポイント。ブレスレットやストラップをワンプッシュで付け替え可能の「クイックスイッチ」システムと、工具なしでブレスレットのコマを脱着できる「スマートリンク」システムを採用。このブレスレットモデルには付け替え用のアリゲーターストラップが付属する。


オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」

オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」

オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」
直径42mm
手巻き(Cal.3861)
26石
2万1600振動/時
5気圧防水
SS
84万7000円(税込み)

1969年のアポロ11号による月面着陸で着用され、世界で唯一の月面に降り立った時計=「ムーンウォッチ」となった「スピードマスター」に、遂にオメガの真骨頂のコーアクシャル マスター クロノメーター ムーブメントを搭載した新作。新設計の5連ブレスレットを始め、ラグの形状や、インダイヤルのデザイン、ロゴの大きさ、ミニッツスケールの単位など、細かな変更点を探すのも時計ファンには楽しいところ。また、このサファイアクリスタル風防のほかに旧来のヘサライト風防があるのも通好み。これまでのモデルをもっていても欲しくなる1本だ。


タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション」

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション」

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション」
直径44mm
自動巻き(Cal.ホイヤー02)
33石
2万8800振動/時
10気圧防水
SS
71万5000円(税込み)

タグ・ホイヤーのアイコンである「カレラ」の新作で、モデル名の示すとおりに、ポルシェとのパートナーシップモデルというのが特徴。同じ「カレラ」という名のモデルがあるなどタグ・ホイヤーとポルシェは古くから深い関わりをもつが、パートナーシップモデルはこれが初。ベゼルに赤のポルシェのロゴを刻印しているのがチャームポイント。ダイヤルのアラビア数字のインデックスはポルシェのダッシュボードの数字と同じフォント。独特のダイヤルはレーシングコースのアスファルトを模した仕上げ。といった特別な仕様が、ポルシェ好きには堪らないはずだ。


ゼニス「クロノマスター スポーツ」

ゼニス「クロノマスター スポーツ」

ゼニス「クロノマスター スポーツ」
直径41mm
自動巻き(Cal.エル・プリメロ 3600)
35石
3万6000振動/時
10気圧防水
SS
116万6000円(税込み)

ゼニスは現在「クロノマスター」「デファイ」「エリート」「パイロット」の4つのコレクションを展開。これは「クロノマスター」の新シリーズで、最大の特徴が「エル・プリメロ」の進化版「エル・プリメロ 3600」の搭載。クロノグラフ秒針が10秒でダイヤルを1周し正確な1/10秒の計測が可能。ベゼルに1/10秒目盛りが刻まれる。クリアなデザインは「エル・プリメロ A386」を基調に「レインボー」「デ・ルーカ」「ストライキング」「A277」など各時代のモデルの特徴を組み合わせたもの。エルゴノミックにこだわった着け心地のよさも優れた長所だ。




ブライトリング【2021 新作】44mmにパワーアップした「スーパークロノマット」コレクション

https://www.webchronos.net/news/65020/
いつも時代を魅了する新生「パシャ ドゥ カルティエ」

https://www.webchronos.net/features/53688/
オメガ 新旧スピードマスター 徹底解析

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