2026年1月の「スピードマスター ムーンウォッチ」から始まり、2針でありながらマスター クロノメーターを取得した「コンステレーション オブサーバトリー」、次いで「スピードマスター 38」等、多彩な新作時計をリリースしてきたオメガ。早くも時計好きの間で話題になっている同ブランドの今年の新作時計を、まとめて紹介する。

Text by Tsubasa Nojima, Kento Nii, Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2026年4月2日公開記事]
2026年9月28日更新
『007 ファースト・ライト』を着想とした「シーマスター ダイバー300M」

自動巻き(Cal.9900)。54石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径44mm、厚さ17.2mm)。300m防水。139万7000円(税込み)。
オメガは、ジェームズ・ボンドを主人公とするアクションアドベンチャーゲーム『007 ファースト・ライト』に登場する腕時計を実機化した「シーマスター ダイバー300M クロノグラフ 007 ファースト・ライト」を発売した。本作は、ゲームを手掛けたIO InteractiveおよびAmazon MGM Studiosとの共同デザインによるモデルであり、「シーマスター ダイバー300M」に属するボンドウォッチとしては、初めてクロノグラフを採用している。
セラミックス製ベゼルインサートを取り付けた直径44mmのケースは、ステンレススティール製。レーザーエングレービングによる波模様を施したブラックセラミックス製ダイアルを組み合わせている。ダイアル3時位置には60分積算計と12時間積算計を同軸に配し、クロノグラフでの計測時間を直感的に把握することができる。9時位置のインダイアルはスモールセコンドだ。3時位置のインダイアルリングとクロノグラフ秒針にはPVDブロンズゴールドを採用し、そのほかの針とインデックスにはホワイトのスーパールミノヴァを塗布している。ポリッシュ仕上げのブラックセラミックス製プッシュボタンも、本作ならではの特徴だ。
ストラップには、ブラック、グレー、ベージュを組み合わせた専用のNATOストラップを採用。映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で使用された時計と共通するカラーリングだが、本作ではパターンを変更し、金具には「007」と「First Light」の刻印を施している。搭載する自動巻きCal.9900は、コーアクシャル マスター クロノメーター仕様のハイスペックなムーブメントだ。サファイアクリスタル製ケースバックには「007 First Light」のロゴがあしらわれ、ゲーム内で時計を収めるスーツケースに着想を得た専用ボックスが付属する。
リニューアルされた「スピードマスター 38」

自動巻き(Cal.3332)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.75mm)。10気圧防水。97万9000円(税込み)。
オメガは「スピードマスター 38」コレクションを刷新し、よりクラシカルなスタイルに改めた。その中でも特に大きく変化したのが、ブラックダイアルモデルだろう。直径38mmというコンパクトなサイズはそのままに、「ムーンウォッチ」を彷彿とさせるデザインを採用。新しいコレクションでは唯一、日付表示を持たないモデルとなっている。
ブラックラッカー仕上げのダイアルには、3つのマットなラウンド型インダイアルを配置し、針にはホワイトラッカー仕上げを施した。ブラックのアルミニウム製ベゼルインサートにはタキメータースケールを備え、スピードマスターらしいクロノグラフのスタイルを踏襲している。ステンレススティール製のケースは、直径38mm、厚さ14.75mm。両面に無反射処理を施したボックス型強化サファイアクリスタルを採用し、防水性能は100mを確保している。
搭載するCal.3332は、コラムホイール機構とコーアクシャル脱進機を採用した自動巻きクロノグラフムーブメントだ。シリコン製ヒゲゼンマイを用いたフリースプラングテンプを採用し、クロノメーター認定を取得する。ケースバックにはシーホースのメダリオンを刻印し、ブレスレットには容易に微調整可能なコンフォートリリースシステムを採用している。
デイト表示付きの「スピードマスター 38」にも注目したい

自動巻き(Cal.3330)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.75mm)。10気圧防水。105万6000円(税込み)。

自動巻き(Cal.3330)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.75mm)。10気圧防水。99万円(税込み)。

自動巻き(Cal.3330)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。18Kムーンシャイン™ゴールド×SSケース(直径38mm、厚さ14.75mm)。10気圧防水。173万8000円(税込み)。

自動巻き(Cal.3330)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。18Kセドナ™ゴールド×SSケース(直径38mm、厚さ14.75mm)。10気圧防水。173万8000円(税込み)。
直径38mmの自動巻きクロノグラフ、スピードマスター 38の日付表示付きモデルの新作。前作に対し、インダイアルの形状をラウンド型に改め、ベゼルの幅を広く取るなど、スピードマスター 38らしいコンパクトさを損ねることなく、新たな表情を与えている。素材とカラーの組み合わせが豊富である点も、前作から受け継いだ特徴だ。
「Ref.324.30.38.50.04.001」はホワイトラッカーダイアルを採用したモデルであり、鮮やかなブルーのセラミックス製ベゼルインサートや針とのコントラストを楽しむことができる。一方、「Ref.324.30.38.50.02.003」はオパーリンシルバーカラーのダイアルとグレーのアルミニウム製ベゼルインサートを組み合わせ、セドナ™ゴールドのPVDコーティングのインデックスと針を与えることで柔らかな印象にまとめている。
バイカラーモデルでは、ステンレススティールと18Kムーンシャイン™ ゴールドの「Ref.324.20.38.50.02.001」と、ステンレススティールと18Kセドナ™ ゴールドの「Ref.324.20.38.50.02.002」をラインナップさせている。
4モデルはいずれもコラムホイールによって制御するクロノグラフ機構を備えた自動巻きムーブメント、Cal.3330を搭載。約52時間のパワーリザーブを備えている。
ダイヤモンドを使った「スピードマスター 38」

自動巻き(Cal.3330)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.75mm)。10気圧防水。183万7000円(税込み)。

自動巻き(Cal.3330)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.75mm)。10気圧防水。194万7000円(税込み)。
刷新されたスピードマスター 38には、ダイヤモンドを取り入れた2種類のステンレススティールモデルも加わった。いずれも直径38mmのケースを採用し、ポリッシュ仕上げのベゼルには52個のダイヤモンドをセット。クロノグラフとしての機能性を保ちながら、ジュエリーの要素を強く打ち出したモデルに仕上がっている。
「Ref.324.15.38.50.03.001」は、ブルーのPVDコーティングを施したアイスブルーダイアルを採用。ラウンド型のインダイアルと6時位置の台形型日付窓を配し、インデックスと針にはポリッシュとロジウム仕上げを施している。ホワイトの蓄光塗料を塗布することで、暗所での視認性も確保している。
「Ref.324.15.38.50.05.001」では、ホワイトのマザー・オブ・パールダイアルを採用。素材特有の華やかさに加え、天然素材ならではの個体ごとに異なる表情を楽しむことができる。
両モデルとも、コラムホイール機構とコーアクシャル脱進機、シリコン製ヒゲゼンマイを備える自動巻きクロノグラフムーブメントのCal.3330を搭載。パワーリザーブは約52時間だ。ステンレススティール製ブレスレットにはコンフォートリリースシステムを備え、ケースバックにはスピードマスターを象徴するシーホースのメダリオンが刻印されている。
2針でマスター クロノメーター!「コンステレーション オブザーバトリー」
「コンステレーション」の新作として、「コンステレーション オブザーバトリー」が発表された。時分のみを表示する2針ウォッチとして、史上初めてマスター クロノメーター認定を取得したシリーズとして打ち出されている。

新作のラインナップの中で唯一、ブラックセラミックス製のダイアルを備える1本。自動巻き(Cal.8914)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。O-MEGAスティールケース(直径39.4mm、厚さ12.23mm)。30m防水。172万7000円(税込み)。

自動巻き(Cal.8914)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。O-MEGAスティールケース(直径39.4mm、厚さ12.23mm)。30m防水。154万円(税込み)。

自動巻き(Cal.8914)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。O-MEGAスティールケース(直径39.4mm、厚さ12.23mm)。30m防水。154万円(税込み)。

自動巻き(Cal.8914)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。O-MEGAスティールケース(直径39.4mm、厚さ12.23mm)。30m防水。154万円(税込み)。

自動巻き(Cal.8915)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18Kセドナ™ゴールドケース(直径39.4mm、厚さ12.23mm)。30m防水。535万7000円(税込み)。

自動巻き(Cal.8915)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18Kムーンシャイン™ゴールドケース(直径39.4mm、厚さ12.23mm)。30m防水。535万7000円(税込み)。

自動巻き(Cal.8915)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18Kムーンシャイン™ゴールドケース(直径39.4mm、厚さ12.23mm)。30m防水。834万9000円(税込み)。

自動巻き(Cal.8915)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18Kカノープス™ゴールドケース(直径39.4mm、厚さ12.23mm)。30m防水。622万6000円(税込み)。
新作モデルをマスター クロノメーター認定とするのに大きく影響したのが、独立認定機関「ラボラトワール・ドゥ・プレシジョン」が開発した音響検査法「デュアル メトリック テクノロジー」の導入であったという。これは、ムーブメントが発する音で精度検査を行う新技術であり、従来では対象にはなかった秒針を持たない時計であっても、マスター クロノメーターの認定が可能となった。


ラインナップは、計9種で構成される。オメガ独自の高性能ステンレススティールであるO-MEGAスティールケースからはブラック、グリーン、ブルー、シルバーダイアルを持つ4モデルが、同じく独自の合金である18Kセドナ™ゴールド、「18Kムーンシャイン™ゴールド、18Kカノープス™ゴールド、そしてプラチナをそれぞれケースやダイアル、あるいはブレスレットに使用した、プレシャスな5モデルも展開される。

デザインは、オメガ創立100周年記念ウォッチ「センテナリー」に範を取った、1952年誕生のコンステレーション初代モデルを参考としている。12のファセットを持つ通称“パイパンダイアル”や、6時位置の星のモチーフが継承されたほか、ブラックダイアルモデルを除く8モデルのファセットには、1953年モデルを彷彿とさせる溝状のパターンがあしらわれた。なお、このパターンは、O-MEGAスティールモデルでは型押し、18Kゴールドおよびプラチナモデルは手作業によるギヨシェ彫りで表現される。

これら新作のもうひとつのトピックは、搭載される新たな2種のムーブメントが、基本的な性能を共有しつつも、「スタンダード」「リュクス」「グランドリュクス」の3つのカテゴリで分類されている点だ。
例えば、O-MEGAスティールモデルには「スタンダード」にあたるCal.8914が搭載され、ロジウム仕上げのローターが備わる。一方、プラチナを除く貴金属を用いたモデルは、「リュクス」仕様のCal.8915を搭載。ケース素材に合わせて、ローターおよびブリッジに18Kセドナ™ゴールド、もしくは18Kムーンシャイン™ゴールドが使用されており、内部に至るまでラグジュアリーな意匠が貫かれているのである。

特別な「コンステレーション オブザーバトリー」
9本発表されたコンステレーション オブザーバトリーのうち、Ref.140.93.39.21.99.001は、プラチナを外装に用いたラグジュアリーな仕様の1本である。本作には、先述したムーブメントのカテゴリのうち、最高ランクである「グランドリュクス」仕様のCal.8915が収められている。

自動巻き(Cal.8915 グランドリュクス)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。Ptケース(直径39.4mm、厚さ12.32mm)。30m防水。817万3000円(税込み)。
本ムーブメントでは、ローターとブリッジの素材に18Kセドナ™ゴールドを採用する。ハイライトは、ローターにあしらわれた天文台ドームのメダリオンだ。18Kホワイトゴールドをベースに、アヴェンチュリンガラスとエナメルの8つの星によって夜空が描かれており、レーザー加工による天文台ドームが、いっそう神秘的に演出されている。

先述のゴールドモデルと同様に、ダイアル各部のパーツにも貴金属が用いられている。ダイアル本体には、ケースと同様のプラチナを使用。イエローの色味を帯びたプラチナPVDコーティングが施されており、18Kホワイトゴールド製のインデックスおよび針を際立たせている。また、中央のサンブラッシュ仕上げとギヨシェ彫りによって、控えめながら品格のある表情に仕上げられた。
“逆パンダダイアル”の「スピードマスター ムーンウォッチ」
1月最初の“スピーディーチューズデー”に、今年の新作オメガ第一弾として登場したのが、「スピードマスター ムーンウォッチ」の、“逆パンダダイアル”だ。
1957年に誕生した「スピードマスター」は、18Kゴールドモデルや特別モデルを除き、ブラック一色のダイアルが定番であった。2024年、ベーシックなステンレススティールモデルにホワイト一色の文字盤がリリースされ、それまでとはまた違った印象の顔立ちを見せたスピードマスターに、今年はブラックダイアルにホワイトのインダイアルが組み合わされた、“逆パンダダイアル”モデルが追加された。ステンレススティール製および18Kムーンシャイン™ゴールド製の、2モデルが同時に発表されている。

手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm)。50m防水。147万4000円(税込み)。

手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。18Kムーンシャイン™ゴールドケース(直径42mm)。50m防水。697万4000円(税込み)。
なお、ブラック×ホワイトの組み合わせは、2017年に#SPEEDYTUESDAY(腕時計専門のWEBサイト「Fratello Watches」が2012年より、毎週火曜日にスピードマスターを取り上げる際に使ったハッシュタグで、現在はスピードマスター愛好家にも浸透し、さらにオメガ自身も火曜日を狙ってスピードマスターの新作発表を行なっている)へのオマージュとして登場した「スピードマスター “スピーディ チューズデー” リミテッド エディション」といったごく一部のモデルに止まってきた。そのため直径42mmの非対称ケースや、2本のポリッシュ仕上げのラインが入ったブレスレット等、スピードマスターのスタイルはそのままであっても、どこか新しさを感じさせる意匠に仕上がった。

そんな新しいダイアルは2枚のプレートで構成されており、ブラックはにニス塗装とラッカー仕上げが施され、その後ポリッシュがかけられている。ホワイトのインダイアルもニス塗装とラッカー仕上げにより製造されており、ロジウム仕上げのフレームで囲われることで、奥行きが強調されている。ブラックダイアルにはホワイトで、インダイアルにはブラックでスケールが転写されている。

ベゼルリングはセラミックス製で、タキメータースケールはホワイトエナメルによって施された。現代的な素材が使われる一方で、ドットオーバー90やドットダイアゴナルトゥ70といった、かつてのムーンウォッチにあしらわれた仕様がベゼルに盛り込まれている。
ムーブメントはこれまでのスピードマスター ムーンウォッチ同様、手巻きのCal.3861が搭載されている。1万5000ガウス超の耐磁性能に代表される、優れた性能を有したマスター クロノメーター認定ムーブメントであり、どちらのモデルもシースルーバックからこのムーブメントを観賞することができる。

ミラノ・コルティナ2026モデル第4弾となる「シーマスター ダイバー300M」
2月6日〜22日までの17日間にわたってイタリアで開催された、「ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック」。この国際的なスポーツ大会のオフィシャルタイムキーパーを務めるオメガは、毎回開催を記念するモデルをリリースする。今大会では、ミラノ・コルティナ2026パラリンピックも含め、2025年に3モデルが登場しており、2026年には第4弾としてこの「シーマスター ダイバー300M ミラノ・コルティナ2026」がラインナップに加えられた。なお、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックまであと2週間のタイミングでのリリースだった。

自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。セラミックス×Tiケース(直径43.5mm、厚さ14.37mm)。300m防水。148万5000円(税込み)。
大きな特徴は、ホワイトをまとった外装だ。ケース、ベゼル、ダイアルはホワイトカラーのセラミックス製となっており、ミラノ・コルティナ2026が開催された冬季の、雪景色を彷彿とさせる。
そんな冬の情景は、ダイアルのパターンにも落とし込まれている。ホワイト一色ではなく、レーザーによるフロスト加工が施されており、ミラノ・コルティナ2026のエンブレムにある「26」から着想を得たパターンが浮かび上がる様は、まるで雪面を指でなぞったかのような雰囲気となっているのだ。このパターンは前年に発表された「スピードマスター 38」のミラノ・コルティナ2026オリンピックおよびパラリンピックモデルにも採用された。

なお、ベゼルやケースバック、ヘリウムエスケープバルブ等の一部のパーツはグレード5チタンで製造されている。セラミックスと併せて優れた耐食性や軽量さを備えているため、冬のみならず、夏場に軽快に装着するのにも好適だろう。

搭載されるムーブメントは、マスター クロノメーター認定の自動巻きCal.8806。シースルーではないのでムーブメントは見えないものの、ケースバックにはミラノ・コルティナ2026のエンブレムがあしらわれており、特別感を楽しめる仕様と言える。



