2026年になったと思ったら、あっという間に1月も終わりに差し掛かってしまったことに驚きを隠せない今日この頃。そんな1月末までで、時計業界では、早くも新作モデルが続々と登場している。すでに発表されている新作のうち、LVMHウォッチウィークに参加したブランドの発表モデルの内覧会があったので、その一端をお見せしよう。
Photographs & Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2026年1月30日公開記事]
1月から各社が新作モデルを続々とリリース!
時計業界最大の新作見本市と言えば、例年4月に開催されるウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブだ。この見本市の参加・不参加にかかわらず、2026年明けてすぐの1月、すでに複数のブランドから新作時計が発表されている。
今回は、1月19日〜21日の3日間にかけて、イタリア・ミラノで開催されたLVMHウォッチウィークに参加したウブロ、ゼニスの新作時計の内覧会に参加して実機を見ることができたので、個人的に欲しいと思った1本をそれぞれご紹介しよう。写真がいつものごとくへたっぴなのはご容赦を……! 広報写真を使った記事はアップしているので、↓も要チェック!
まだW&WGも控えているのに!? 相変わらず豊作のウブロ

テニスプレイヤーのレジェンドであるノバク・ジョコビッチとコラボレーションしたモデル。3つのバリエーションが登場したが、その最も稀少なモデルのサンプルがいち早く日本に入ってきた。自動巻き(Cal.HUB6035)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。複合素材ケース(直径44mm、厚さ14.4mm)。300m防水。世界限定8本。1551万円(税込み)。(問)LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ Tel.03-5635-7055
昨年、アイコンである「ビッグ・バン」の誕生20周年を迎えたウブロ。例年その新作時計の豊富さで耳目を集めるが、今年もまだウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブを控えているというのに、LVMHウォッチウィークでは、17本もの新作時計をリリースした。
前述の通り、内覧会以前にすでにwebChronosではウブロの新作時計について記事をアップしていて、その中で最も実機を楽しみにしていたのが、こちらの「ビッグ・バン トゥールビヨン ノバク・ジョコビッチ GOAT エディション」だ。あんまりテニスに詳しくない私でも知っているノバク・ジョコビッチの特別モデルというだけあり、テニスへのオマージュが随所に意匠に取り入れられているほか、彼のキャリアまでもが反映されている。どういうことかと言うと、計3つのバリエーションが打ち出され、それぞれがコートの色、そしてジョコビッチの各コートでの勝利数がシリアルナンバーで表されているのだ。ブルーカラーのモデルはハードコートで72勝したために72のナンバー、レッドカラーのモデルはクレーコートで21勝したために21のナンバーとなっている。

自動巻き(Cal.HUB6035)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。複合素材ケース(直径44mm、厚さ14.4mm)。300m防水。世界限定71本。1551万円(税込み)。(問)LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ Tel.03-5635-7055

自動巻き(Cal.HUB6035)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。複合素材ケース(直径44mm、厚さ14.4mm)。300m防水。世界限定21本。1551万円(税込み)。(問)LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ Tel.03-5635-7055
実機を見ることができたのが、最も稀少なグラスコートでの勝利を表した、8本のナンバーを持つグリーンカラーのモデル。なお、コレクション自体は数量限定ではなく、今後のジョコビッチの大会での優勝に応じて、そのコートに準じたカラーリングのモデルが追加されるという。
手にして驚かされたのが、その軽さだ。直径44mm、厚さ14.4mmと、決して小ぶりではないケースにトゥールビヨンが収められているにもかかわらず、重量は56gに抑えられている。ケースはラコステのポロシャツとHEADのテニスラケットを再利用したマーブル模様の複合素材で製造されており(今回の新作において、ポロシャツはブルーが12枚、オレンジが4枚、グリーンが2枚使われ、さらにラケットは12本が使用されている!)、ミドルケースにはティタプラストという、強度重量比に優れるポリマーが用いられている。
また、堅牢である一方でどうしても重みを持ちやすい風防およびケースバックのサファイアクリスタルは、ゴリラガラスという強化ガラスが使われた。
ムーブメントが極限まで肉抜きされていることも、独創的な意匠と軽量さに大きく寄与していると言える。地板はレーザー加工によって、テニスのラケットをイメージした格子状とされた。また、トゥールビヨンのキャリッジはアルミで作られているとのこと。格子状の地板の上には薄いサファイアクリスタルの層が備わっており、その上からインデックスがあしらわれている。

さすがの素材使いによって実現した軽量さとともに、凝った意匠もウブロの腕の見せどころだ。ケースバックからのぞく、香箱のテニスボールはとりわけユニークだ。香箱の、ケースバック側から見た天面にラッカーでイエローグリーンカラーを施し、さらにレーザー彫刻で加工して、ボールの起毛している質感を表現している。
加工技術の発達によって、各社の創意工夫にあふれる意匠の新作時計が楽しめる昨今だが、ウブロには毎年、予想をはるかに超えた驚きを経験させられる。
ハイビートムーブメントを目で楽しむゼニスの新作時計

「デファイ スカイライン」に加わった“黒金”のモデル。6時位置の1/10秒計の動きが目を引く。自動巻き(Cal.エル・プリメロ 3620 SK)。35石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約55時間。セラミックケース(直径41mm)。10気圧防水。255万5300円(税込み)。(問)ゼニス ブティック銀座 Tel.03-3575-5861
ゼニスはLVMHウォッチウィークで「デファイ」コレクションから、5種の新作モデルを発表した。デファイがリニューアルしたのは2017年。この年に某時計のショップに入社した私は、同ブランドの人気コレクションへと成長していくデファイをショップの立場からちょうど見ており、まだ時計の知識は浅いながらも「かっこいい時計だな」と感じていた。
入社の翌年から自分自身でも時計を購入するようになり、デファイは良いなと思っていたが、女性の私にとってケースがかなり大ぶりだった。2018年には直径41mmの小ぶりな「デファイ クラシック」もラインナップに加えられたが、エル・プリメロを載せたモデルは径44mmで、手首幅に収まりきらなかった。
しかし近年では小径化がトレンドになったためか、アンダー40mm径ケースのモデルが続々登場。今回も「デファイ スカイライナ 36」に新色がリリースされて、そちらもかなり刺さったが、小径薄型ケースにシンプルな表示機構を備えつつも、エル・プリメロ“らしさ”を感じられる「デファイ スカイライン スケルトン」をピックアップ。

本作はケース・ブレスレットがブラックセラミックスで作られている一方で、スケルトナイズされた文字盤からのぞくムーブメントはゴールドカラーに彩られている。このムーブメントは「エル・プリメロ 3620 SK」で、3万6000振動/時というハイビートな脱進機から直接駆動させる1/10秒計測表示の針が10秒で1回転する。ハイビートによって精密計測を可能としたエル・プリメロ“らしさ”が視覚的に楽しめる仕様だ。パープルカラーのシリコン製ガンギ車に星モチーフが与えられているのも良い。

ケースは直径41mmで、厚さはホームページには掲載されていないが、おそらく12mm程度では? と予想。私の手首から大きくはみ出さないし、浮いている感じもしなかった(女性用としては大きいけど)。
セラミックス製でありながら、ブレスレットがインターチェンジャブル式で、しかも本当に簡単に脱着できるのもポイント。アタッチメント部分はチタン製とのこと。
2017年のリニューアル当時から続く「かっこよさ」はそのままに、幅広い層にリーチするデファイの進化を、改めて感じられる新作モデルであった。ちなみにゼニスもすでにかなり豊作の印象だが、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブでは何が出るのか? 期待したい。






