これはレアかもしれない。スウォッチのタイム・トゥ・ムーブ限定モデル

2019.05.30

タイム・トゥ・ムーブ スウォッチ

タイム・トゥ・ムーブで配られたオリジナル・スウォッチ

 5月14日〜17日にかけて、スウォッチ グループが独自の見本市「Time to Move」(タイム・トゥ・ムーブ)を開催した。ハリー・ウィンストン、ブレゲ、ブランパン、ジャケ・ドロー、グラスヒュッテ・オリジナルにオメガの6ブランドが、世界各国のジャーナリスト約150人に対して、新作をお披露目したのである。その内容はwebChronosであげたし、本誌でも詳細は書くつもりだから、改めては述べない。ただ、スウォッチは今回のイベントに、よほど気合いを入れたらしい。それを示すのが、各参加者に渡された記念品だ。

 ただのスウォッチかと思いきや、タイム・トゥ・ムーブの限定品とのこと。僕はスウォッチコレクターでないから詳細は知らないが、確かにこんなモデルは見たことがない。ベルトとケースにはスイスのモチーフがちりばめられており、裏蓋にも「Time To Move 19」の文字がある。

 タイム・トゥ・ムーブとは、スウォッチ グループのみのイベントだ。だから参加者は、スウォッチ グループ各社の時計を着けるのが、礼儀と言えば礼儀である。僕はそういうのは苦手だけども。ただ時計を指定されるのが大嫌いな人は、あえてスウォッチ グループの時計を着けない可能性が高いし、筆者のように、グラスヒュッテ・オリジナルの時計を持っているにもかかわらず、忘れた人もいるだろう(ある著名なジャーナリストも忘れたとのこと)。そこで、このスウォッチの出番というわけだ。この時計が示すメッセージは明確である。「もしスウォッチ グループの時計を持っていないなら、どうかこれを着けて参加してください」だ。当然、筆者はこの時計を巻いて各ブランドの新作発表に顔を出した。

 デザイン以外は普通のスウォッチだから、取り立てて価値があるとは思えない。しかし、あるメーカーのプロダクトマネージャーは「その限定スウォッチは羨ましいなあ」と述べていたので、それ系の人には響くのかもしれない。まあ世界で数百人しか持っていないスウォッチというのは、確かに、レアと言えばレアだろう。欲しがる人は少なくなさそうだ。ちなみにだ。このスウォッチは、数百本しか作っていないのに、個体差があるらしい。ストラップの柄はすべての個体で異なるし、モノによっては針も違う。普通の生産ラインに乗らないほどの少量生産だから、こういうばらつきが生じたと筆者は推測する。これがブレゲならば、仕様違いで値段の差は出そうだが、スウォッチだからもちろん関係ない。

 ちなみに筆者は悪なので、この時計を手にしたとき、脳裏に“めるかり”なる単語が浮かんだことは否定しない。“やふおく”でもいいんだけどさ。しかし手放したら失脚は必定なので、このまま愛用することにしよう。

そうそう、そういえば。6月7日に、スウォッチのイベントで新作時計の話をするんです。
https://www.webchronos.net/features/31140/

 その際に、この時計を着けていく模様。ご興味のあるかた、お声掛けください。時計、お見せしますよ。(広田雅将)