未来の巨匠が手掛ける時計をヒコ・みづの卒展で目撃せよ!

LIFE編集部ブログ
2020.02.29

2020年度 専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ 卒業制作展

【日時】
2020年2月27日(木)~29日(土)
11:00~20:00(入退場自由)

【会場】
Spiral Garden (Spiral 1F)
東京都港区南青山5-6-23

ウェブサイト/https://www.hikohiko.jp/news-detail/data/1987

 東京・青山のスパイラルタワーでは、本日29日(土)まで専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジの卒業制作展を開催中。
 弊誌のイベントにも熱心に通ってくださった、時計コース研究生の関法史さんの作品が展示されているとのことで伺ってまいりました。

 こちらが関さんの作品、59日で1回転する大きな3Dムーンフェイズを備えた懐中時計です。センターには時針、10時位置に秒針、2時位置に分針、そして月・日ごとのカレンダー表示窓は8・4時位置にそれぞれ配しています。またパターンの異なるギヨシェ装飾や、太さの異なる青焼き針など細部まで丁寧に仕上げられています。アラビア数字まで手描きの徹底ぶり。

 トランスパレントバックからは立体ムーンフェイズを取り込みながら厚みを抑えた工夫が伺えます。

 完成まで1年がかりで取り組まれた関さんに、最も工夫された点をお聞きしました。
「まずデザインをいちばん美しいと思えるバランスで考えてみて、できうる限りそのままになるよう機構を作りました。ダイアルの仕上げには、200年以上前から存在する伝統的な白仕上げの技法の再現を自分なりに試みました」。

 関さんは4月から都内の洋品・時計店に就職し、アンティークウォッチの修理に取り組まれます。しかし「作ってみたいウォッチとクロックの構想がまだ4つあり、それらを100%妥協なく、イメージ通りに作ることが最優先です」と時計製造への一途な意欲を示し、「その目標を現実的な生活のなかで成り立たせるためにどう向き合うかを現在は模索しています」と話してくださいました。

 過去にも自作の腕時計を披露くださった関さん。ほぼ全パーツを自作される情熱には脱帽するばかりですが、加えて驚くのはセンスの高さ。前作は12・3・6時にアラビア数字、9時位置にスモールセコンドを備える腕時計で、洗練されたデザインに女性の私も好感を覚えるものでした。

 時計界の未来の巨匠が生み出す時計をこれからも追いかけていきたいです。関さんのこれから益々のご活躍をお祈りいたします。