個性を引き出す アイウェアブランド「アン・バレンタイン」 / コニサーズ・チョイス

LIFEIN THE LIFE
2020.02.27

平日のビジネスシーンでは難しくても休日には自分らしさをもっと表現してみたい。そんな自発的な諸氏におすすめなのが、形と色に特化した南仏発のアイウェアブランドだ。

倉野路凡:取材・文 Text by Rohan Kurano
吉江正倫:写真 Photograph by Masanori Yoshie

アン・バレンタイン

アイウェア アン・バレンタイン
「NUUK」はラインを追求したモデルで、六角形の力強いフロントとスケルトンのテンプルがポイント。「ORSON」はここ数年流行っているクラウンパントゥ型のモデルで、フロントのアセテートとテンプルのメタルの組み合わせが妙。「REMIX」は限りなくミニマルで、モダンなモデルだ。フレンチブランドらしいきれいなカラーリングも魅力的。(上)「NUUK」4万円。(中)「ORSON」5万円。(下)「REMIX」5万5000円。


個性を引き出す アイウェアブランド

 顔の形に合わせてアイウェアを選ぶ時代は終わった。1980年代までは「丸顔には四角い眼鏡が似合う」「丸顔に円い形の眼鏡は似合わない」といった黄金ルールがファッション雑誌ではよく取り上げられていた。正しいと言えば正しいのだが、顔のパーツのバランスや肌の色も人それぞれ異なるため、「あなたにはこれが一番似合います」と、一概には決めつけられないものだ。現在ではアイウェアの色やデザイン、形も多くなり、顔形を気にすることなく、気に入った中から似合うものを探せばいい。そんな自由な時代だ。

 さて、今回紹介するアン・バレンタインは1980年、フランス南西部の古都トゥールーズで創業した眼鏡店に端を発する。1994年にはハウスブランドとなり、「自分らしくあることの喜び」をコンセプトとし、掛ける人の個性を際立たせるアイウェアを展開してきた。

 デザインはシーズンや各モデルによって異なるが、アイデアの源泉は建築やアート、小説など、多彩な分野にわたっている点が面白い。また、トゥールーズという街そのものが眩い太陽の光に包まれ、碧い空と海、咲き乱れる花々など、南仏らしいカラーに溢れている。街そのものがアン・バレンタインのカラーに影響を与えているのだ。形も色もクリエイティブ、まさにフレンチブランドだ。

 アン・バレンタインの2019年秋冬モデルは、「輝き」「空間」「美しさ」「優しさ」の4テーマがベースとなった。そこにさらに新たな5つのコンセプトを加えて展開している。アン・バレンタインはデザインやカラーの種類が多いので、すべてを紹介するわけにはいかない。そこでブランドらしいデザインを3モデル、ピックアップしてみた。

 多角形がユニークな「NUUK」と「ORSON」、極限まで削ぎ落としたミニマルな「REMIX」だ。どれも一見すると派手なデザインに映るが、掛けてみると不思議としっくりとくるのだ。ベーシックなデザインのアイウェアに飽きた人や、休日に掛けるものを探している人、潜在的な個性を引き出したいと思っている人にぜひおすすめしたい。


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