カシオ「G-SHOCK」サムライが愛したビクトリーカラー"勝色"をまとったMR-Gの勇姿

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2021.07.16
PR:CASIO

G-SHOCKの特徴である耐衝撃性能はそのままに、ケースとバンドをフルメタル化。1990年代のブームを体感した世代にとっての“ネクストG-SHOCK”として誕生したMR-Gはその後、外装、機能ともに最高峰ラインにふさわしい進化を重ね、高級時計の愛好家をも魅了する存在となった。その最新モデルが「MRG-B2000B」。近年のMR-Gが打ち出している甲冑のイメージを強調するのみならず、新たに日本の伝統色である“勝色(かちいろ)”をまとい、G-SHOCKの最上級ラインにふさわしい勇猛な姿を作り上げた。

G-SHOCK MR-G

三田村優:写真 Photographs by Yu Mitamura
竹石祐三:取材・文 Text by Yuzo Takeishi


勝つことに命を懸けた武士の心意気が伝わるMR-Gのタフネス

 このデザインテーマをより色濃く打ち出したのが、2017年に発売された「MRG-G1000B-1A4JR」。“赤備え(あかぞなえ)”と名付けられたこのモデルは、戦国時代から江戸時代にかけて編成された、武具を朱塗りで統一した部隊・赤備えに着想を得ており、古くより強さの象徴とされてきた赤色を、日本の伝統色である深紅(こきべに)で表現。G-SHOCK最大の特徴であるタフさを、素材や構造のみならず、色によっても訴求した。その威風堂々としたルックスは、G-SHOCKのファンはもとより機械式時計愛好家の目にも留まり、G-SHOCKのなかでは高額なラインであるにも関わらず、好調な売れ行きを示した。

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戦国時代より勝色は、士気を高める色として多くの武士に愛用されてきた。写真はイタリア・フィレンツェにあるスティッベルト博物館に所蔵されている本多家の鎧で、この他にも有名な武将では伊達家が勝色の甲冑を使用した。

 これに続く新作が「MRG-B2000B」。日本の伝統色であり、紺よりもさらに濃く深い藍色である“勝色”をデザインに落とし込んだ、“赤備え”とは対を成すモデルだ。もともと勝色は“褐色”や“搗色”と表記されて装束などに用いられ、平安時代の武人たちに親しまれていた。やがて戦国の世に突入すると、武士たちはこれを“勝ち色”と置き換えて験を担ぎ、甲冑に用いるようになったと伝えられている。武士の時代が終わり明治時代に入っても勝色は軍服などに用いられ、最近ではサッカー日本代表のユニフォームで採用されたことが記憶に新しい。戦国時代の武士たちと同様、現在でも士気を高める色として親しまれているのだ。

“赤備え”の発表から4年の歳月を経て誕生した“勝色”モデルのベースとなったのは、「MRG-B2000」と「MRG-B1000」。この2モデルに搭載されたBluetooth搭載電波ソーラームーブメントを載せ、色も機能も“赤備え”とは異なる時計を完成させるべく企画はスタート。しかしその製作期間において多くの時間を費やしたのは、コンセプトを固める作業だったという。

 武田信玄をはじめ、真田幸村や井伊直政らも率いた赤備えは、歴史的にも有名な存在であったことからデザインイメージが湧きやすかったが、一方の勝色はそれを用いた武具が広く浸透していたためにインスピレーションの源泉となるようなイメージがなかなか見つからなかった。そこでカシオでは多くの有識者にリサーチを重ね、結果、伊達政宗をはじめとする多くの武将らが勝色を身につけていたことから、彼らの甲冑をイメージソースとする方向でデザインコンセプトを固めた。

前作の“赤備え”に続き、“勝色”モデルでも企画を担当した石坂真吾氏。「最近はモノよりコトと言われているが、特に高額なモデルになるほどユーザーは薀蓄や背景を重視する傾向にある」ことから、ひとつの商品を企画する際はストーリーの組み立てに注力するという。

(上)実際の勝色は、黒にほど近い深みを持った藍色。そのため、このモデルではあえて明るい色調の青を用いてデザインのアクセントにしたという。
(下)ベゼルに再結晶チタンを採用した「MRG-B2000R-1AJR」は付属するバンドに毘沙門亀甲柄を施し、和の雰囲気を一層強めている。

 とはいえ実際の勝色は、黒と並べても違いが分からないくらいに深い色合いだ。そこで「MRG-B2000B」では、デザインとして引き立つように青の色味を強調。さらに勝色を用いた甲冑の多くが金色を効果的に配していることから、それらを想起させるアクセントをインデックスやリュウズ、ビスなどに採用。こうして、戦国の世で勝つことに命を懸けた武士たちの心意気を感じさせる、勇猛な佇まいの時計を完成させた。