2023年に狙いたいメンズ腕時計。人気ブランドから新作モデルまで

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2023.03.23

メンズ腕時計で今どのようなモデルが人気なのかを知りたいなら、時計愛好家の間で高い支持を集めているブランドやコレクションを把握するのが近道だ。高級時計の名門ブランドが手掛けるロングセラーシリーズの歴史や特徴を把握し、愛機を選ぶ際の参考にしよう。


人気のメンズ腕時計ブランド5選

高級時計は身に着ける人の品格を判断されることも多いため、どのブランドを選ぶのかをしっかりと考えることが重要だ。確かな伝統や品質を誇る、信頼性の高いブランドを紹介する。

人気・知名度とも抜群な「オメガ」

シーマスター ダイバー 300M

オメガの代表的コレクションの中でも、常に高い支持を得ているのが「シーマスター」。写真は2022年にリリースされた「シーマスター ダイバー 300M」の新色で、波模様を施したグリーンダイアルが落ち着いた印象をもたらしている。自動巻き(Cal.8800)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径42mm)。30気圧防水。79万2000円(税込み)。

オメガの前身は、時計師ルイ・ブランが1848年にスイスで設立した会社である。1894年に開発したムーブメントが世界的な評価を獲得。このムーブメントの名称である「オメガ」を社名として、1903年からオメガブランドがスタートした。

1932年のロサンゼルスオリンピックで、オメガは公式時計に採用される。その後も、NASAのアポロ11号や大人気映画『007』シリーズに関わり、オメガは高級時計ブランドとして不動の人気と知名度を得るに至った。

オメガが選ばれる主な理由としては、ステータス性の高さやコストパフォーマンスの良さが挙げられる。ブランドの代表コレクションは、「スピードマスター」「シーマスター」「デヴィル」だ。

ロレックスの兄弟ブランド「チューダー」

レンジャー

英国海軍による北グリーンランド遠征から70周年を迎えたことを記念し、2022年に発表された「レンジャー」。サテン仕上げが施されたステンレススティール製の外装や視認性を重視したダイアルのデザインは、“ツールウォッチ”と称されるにふさわしい作り。自動巻き(Cal.MT5402)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径39mm)。100m防水。40万3700円(税込み)。

ロレックスの創業者ハンス・ウイルスドルフは、ロレックスの優れた技術を広く世間に知ってもらう目的で、1926年に新たにブランドを立ち上げた。それがチューダーである。

ロレックスと同じ部品や技術を使いながら、ロレックスよりも安価なチューダーは、庶民の人気を獲得していく。ロレックスのアイコンであるオイスターケースも、チューダーに採用されていた。

1960年代以降は独自路線に舵を切り、特徴的なイカ針や自社製造ムーブメント、カジュアルなデザインでチューダーならではの魅力も高めている。「ブラックベイ」や「ロイヤル」といった現行コレクションが評価を集めているが、生産を終了した「クロノタイム」や「サブマリーナー」の人気も根強い。

レーシング時計の雄「タグ・ホイヤー」

アクアレーサー プロフェッショナル200

「カレラ」や「モナコ」と並び、高い人気を誇るのがダイバーズウォッチのコレクション「アクアレーサー」。写真は2022年発表の「アクアレーサー プロフェッショナル200」で、1978年に誕生したダイバーズモデル「ホイヤー Ref.844」のデザインエレメントを継承しつつ、パフォーマンスを向上させている。自動巻き(Cal.5)。25〜26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径40mm)。200m防水。34万6500円(税込み)。

1860年創業のタグ・ホイヤーは、モータースポーツを主としたスポーツウォッチに強みを持つブランドだ。時計界の再生請負人とも称されるジャン-クロード・ビバーがCEOに就任した後は、よりクールなブランドイメージが定着していく。

タグ・ホイヤーはクロノグラフのスペシャリストとしても知られている。1969年に誕生した「モナコ」は、世界初の自動巻きクロノグラフウォッチであると同時に、世界初のスクエア型防水ケースを備えたモデルでもあった。

「カレラ」や「フォーミュラ1」など、世界的に有名なレース名を冠したコレクションも多い。ブランド唯一のダイバーズモデル「アクアレーサー」も人気だ。

実用性・機能重視の実力派「IWC」

ポルトギーゼ・クロノグラフ

IWCを代表するコレクションのひとつ「ポルトギーゼ」は、2020年にリニューアル。「ポルトギーゼ・クロノグラフ」は、定評のあるデザインはそのままに、ムーブメントを自社製のCal.69355に変更した。写真はシルバー×ブルーのコンビネーションが軽快な雰囲気を与える「IW371605」。自動巻き(Cal.69355)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径41mm)。3気圧防水。107万2500円(税込み)。

IWCは1868年にスイスで誕生した老舗ブランドだ。ドイツ国境近くのシャフハウゼンに拠点を構えており、ドイツ職人の質実剛健なスタイルが時計に色濃く反映されている。

徹底した品質管理を行っていることも、IWCの大きな特徴である。厳格な自社規格を設け、厳しいテストをクリアしたモデルのみを世に送り出している。

現在は「ポートフィノ」「ポルトギーゼ」「アクアタイマー」「パイロット・ウォッチ」「インヂュニア」という5つのコレクションを展開しており、毎年、いずれかのコレクションがアップデートしている。

業界の異端児「ウブロ」

ビッグ・バン インテグレーテッド

ウブロを代表する「ビッグ・バン」の中でも、2020年の誕生以来、注目を集めているのが、ケースとブレスレットに統合感を持たせた「ビッグ・バン インテグレーテッド」。チタニウム製のケース&ブレスレットを採用した写真のモデルをはじめ、キングゴールドやカラーセラミックなど、多彩なバリエーションを展開している。自動巻き(Cal.HUB1280)。43石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径42mm)。10気圧防水。282万7000円(税込み)。

1979年に誕生したウブロは、当初、斬新なデザインで業界から異端扱いされていた。しかし、2004年にジャン-クロード・ビバーをCEOに迎え入れると、2005年発表の「ビッグ・バン」で世界レベルのブランディングに成功する。

多くの著名人がウブロを身に着けるようになり、今やウブロ時計は成功者のステータスシンボルとなった。比較的若いブランドでありながら、名門と肩を並べるまでの知名度を獲得したのである。

特徴的なベゼルや異素材を融合した外装、自社製ムーブメント「ウニコ」など、他ブランドとは一線を画すクリエイションがウブロの魅力だ。旗艦コレクションの「ビッグ・バン」だけでなく、「クラシック・フュージョン」や「スピリット オブ ビッグ・バン」も評価が高い。