カシオ G‐SHOCKの最高峰モデル「MR‐G」の実力を検証

2016.02.04

Ref.MRG-G1000DC-1AJR。MR-Gの限定モデル。古くから甲冑や銅細工に用いられる銅(あかがね)色を、インデックス、インダイアル、リュウズに採用する。デュアルダイアルワールドタイムは極めて視認性が高く、操作性も良い。2時位置のプッシャーと4時位置のプッシャーリングにはブラックDLC加工が施されている。クォーツ(GPSハイブリッド電波ソーラー)。Ti(直径49.8mm)。20気圧防水。28万円。
MRG-G1000DC-1AJRの見るべきディテールの数々。(左上)特殊な研磨技術として知られるザラツ研磨が用いられたブレスレット。H駒の強度が従来にも増して高まった2ピース構造だ。(左下)インデックスは薄膜メッキを施した樹脂製のリング。言うまでもなく、耐衝撃性を担保するための構造だ。(右下)発色の良い銅色に染められたリュウズが印象的なプロファイル。2時位置のプッシャーと4時位置のプッシャーリングはブラックDLC加工。

 何と美しくしなやかで、力強い時計だろう……。カシオが世に問うたG-SHOCKの最高峰ライン「MR-G」の新作モデルを初めて手に取った時の偽らざる印象だ。細かなディテールを積み増ししながら、それがMR-Gの特性であるタフネスへとものの見事に結実しているさまは、痛快ですらある。

 ケースとブレスレットはチタンカーバイト処理を施したチタン製。耐摩耗性が強化され、ザラツ研磨をアクセントにしたケースの輝きがより際立っている。さらに、ベゼルは通常のチタンを凌ぐ高い耐久性を誇る64チタンを採用(124ページのモデルのみ)。ジェットエンジンのブレードなどに使われるこの難切削素材に、カシオの技術陣は複雑な造形を与えることに成功した。ちなみに、ベゼルの造形をよりマッシブに見せるフロントビスは、MR-G専用に製作されたもの。DLC処理が施されているため、耐摩耗性も大いに期待できる。

 細かな仕上げにも触れてみたい。MR-Gの代名詞でもあるタフネスを象徴するのが、クラッドガード構造であろう。これは、リュウズとボタン、そしてそのガードを一体化することにより、耐衝撃性を向上させる特殊構造である。さらに、リュウズユニットのヘッドカバーには、リュウズ本体の衝撃吸収性をより高めるためにαゲルが充填されていることも特筆に値しよう。

 搭載するのはカシオの先端技術を集結したモジュール。いうまでもなく、GPSハイブリッド電波ソーラーだ。意匠と強度、そして機能性が驚くまでの融合を果たしたMR-G。これをして、〝才色兼備の腕時計〟というのではなかろうか。

Ref.MRG-G1000D-1AJR。MR-Gのレギュラーモデル。深層硬化処理とDLC加工がなされたチタン製ベゼルは、通常のチタンに比して数倍の強度を備える。表面はDLC処理でコーティングされている。デュアルダイアルワールドタイム、クロノグラフ、アラームなど、簡潔にして十分なファンクションもMR-Gの美徳であろう。クォーツ(GPSハイブリッド電波ソーラー)。Ti(直径49.8mm)。20気圧防水。26万円。
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