リシャール・ミルの〝陰の右腕〟硬く、美しい素材加工の名手

2017.03.30

バンゲルターで製作されたブラックジルコニウム製の針。針に磁気の影響を与えないために自社開発したサンプル。

摩耗しない脱進機を目指して製作されたホワイトジルコニウム製のガンギ車。まだ試作段階だが、摩擦をより一層減らすことができる理想的な歯の形状を開発中だという。


 セラミックスのブランクから削り出して成形するメリットは、少量多品種の製品をより精密に加工することができる点だ。だが、加工に時間がかかり、高価な人工ダイヤモンドのバイトもすぐに消耗してしまうため、莫大なコストがかかる。加えて、加工精度と効率を上げるためには、CNCマシンへの継続的な投資が不可欠だ。取材時も、その1週間前にリシャール・ミルの新作のために約60万ユーロのCNCマシンを導入したばかりであった。