ブレゲ マリーンの万有引力

2017.06.02

MARINE ROYALE 5847

第2世代「マリーン」シリーズの第4弾として2009年に登場したのが、現行の「マリーン ロイヤル 5847」である。このモデルも非凡な独自性が際立っている。
「マリーン」の名にふさわしく、300mに向上した防水性や逆回転防止ベゼルの装備などに前作までとは異なる特色があるが、
こうしたダイバーズウォッチを思わせる本格仕様の時計にアラーム機能も搭載する異色作だ。デザインと機能が融合して、またしてもオンリーワンの個性を確立している。

マリーン ロイヤル 5847
ケースを45mmに拡大し、防水性も300mにアップして2009年に登場した「マリーン」第4弾。エッジの立った逆回転防止ベゼルを配し、海でも使えるタフな高機能ウォッチに仕上がっている。アラーム機能も初搭載し、ケース4時位置にアラーム針の設定リュウズ、8時位置にアラームのオン/オフボタン、ダイアルにアラームのパワーリザーブ表示を装備。自動巻き(Cal.519R)。36石。2万8800振動/時。右の18KWGは513万円。左の18KRGは501万円(ブティック限定)。

 各モデル名に付された数字の「58」に続く「17」「27」「37」「47」「57」から第2世代モデルの発表順が分かる。それぞれの機能は、第1弾の「5817」は3針ビッグデイト表示、続く「5827」はフライバッククロノグラフ、そして「5837」がトゥールビヨンクロノグラフで、「5847」がアラーム、「5857」がMGMT機能付きである。

 これら一連の「マリーン」の中で、ブレゲの現行コレクションにおいても最高峰モデルのひとつに数えられるのが、トゥールビヨン機構に最先端のシリコン素材を導入した、まさに伝統と革新の見本と言える「マリーン トゥールビヨン 5837」だ。マリンクロノメーターの本質がそうであったように、過酷な環境においても高精度な時を刻み続けるというイメージを連想させる複雑時計だ。また、ブレゲにおいて、これほどモダンでスポーティーなトゥールビヨンも他に見当たらない。

 このトゥールビヨンクロノグラフに続く「マリーン ロイヤル 5847」もユニークな個性の持ち主である。前作までは100mだった防水性能を一気に300mにまで高め、逆回転防止ベゼルを初めて装備、さらに水中で音がよく伝わるというアラーム機能まで加えた。ダイバーズウォッチを作ってこなかったブレゲだが、ここで初めてそれに通じるタフでファッショナブルなイメージのモデルが誕生し、新たなファンを獲得した。

 新作のたびに進化を遂げてきた「マリーン」は、シリーズのモデルごとに異なる多様な機能と個性に大きな魅力があり、その幅広さが多くの時計愛好家たちを引きつけてきた。そこには、まさに「万有引力」が宿っているかのようだ。


MARINE TOURBILLON 5837

トゥールビヨンとクロノグラフ機構を併せ持つ「マリーン」シリーズ第3弾モデルは、フライバッククロノグラフの「5827」と同年の2007年に初モデルが発表された。
画期的なのは、トゥールビヨンの中枢部を成す脱進調速機のアンクルとガンギ車、ヒゲゼンマイにシリコン素材を使用している点である。
2世紀も前にブレゲが発明した伝統の複雑機構と、最先端のハイテク素材とを融合して、ラグジュアリースポーティーウォッチの新たな次元を切り拓いたと言える。

マリーン トゥールビヨン 5837
2007年に初めて発表されたシリーズ第3弾は、ブレゲの伝統を打ち出したトゥールビヨンクロノグラフ。12時位置にトゥールビヨン機構、3時と6時にそれぞれクロノグラフの積算計をバランスよく配置。手巻き(Cal.554.4)。25石。2万1600振動/時。18KRG(直径42mm)。100m防水。1725万円。搭載されるトゥールビヨンムーブメントは、キャリッジの一部にチタンを用い、中に収められたアンクル、ガンギ車、ヒゲゼンマイはシリコン製というハイテク仕様ながら、ケースバックから見える地板や受け、各パーツは、伝統的なオートオルロジュリーの製造法を忠実に守り、手作業によって面取りや研磨仕上げが施される。その美しさは比類ない。

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