オメガが2025年に発表した新作腕時計をまとめて紹介する。同社を代表するコレクション「スピードマスター」からオリンピック開催記念モデル、“ボンド”モデルなど、今年も話題性の高い新作モデルを続々打ち出している。
2025年8月2日更新
オメガ2025年新作①「レイルマスター」
オメガを代表する不朽のウォッチデザインのひとつである「レイルマスター」が、特徴的な耐磁性能とシンプルなダイアルデザインを引き継ぎつつ、センターセコンドモデルとスモールセコンドモデルのふたつのバリエーションで復活した。

自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径38mm、厚さ12.7mm)。15気圧防水。81万4000円(税込み)。

自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径38mm、厚さ12.7mm)。15気圧防水。86万9000円(税込み)。

自動巻き(Cal.8804)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径38mm、厚さ12mm)。15気圧防水。91万3000円(税込み)。

自動巻き(Cal.8804)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径38mm、厚さ12mm)。15気圧防水。95万7000円(税込み)。
オリジナルのレイルマスターは、“プロフェッショナルライン”として知られる3部作(トリロジー)のひとつとして1957年に発表された。当時は急速な科学技術の向上に伴って、スポーツ、探検、運輸をはじめとした多くの分野が進歩を見せた時代であった。オメガはそれらに関わるスペシャリストをサポートするため、レーシングドライバーのための「スピードマスター」、ダイバーのための「シーマスター 300」、そして鉄道員のためのレイルマスターの3つの高性能ウォッチをデザインした。このような経緯で開発されたオリジナルのレイルマスターは、鉄道路線周辺で働くエンジニアに向けて最大1000ガウスの磁場に耐えることができた点が特徴であった。
レイルマスターはしばらくの休止期間の後、2003年以降に何度か復活を遂げており、今回、ステンレススティール製の新バージョンが発表された。発表された新作はふたつのバリエーションがあり、いずれもケース径38mmで、一方はセンターセコンドデザインでブラックのグラデーション文字盤モデルと、もう一方はスモールセコンドデザインでベージュをベースとしたブラックのグラデーション文字盤である。ブレスレットとのコーディネートのほか、ブラック文字盤モデルではブラックのレザーストラップ、ベージュ文字盤モデルではブラウンのレザーストラップの組み合わせも選択可能である。
オリジナルモデルの特徴であった耐磁性能は、METAS(スイス連邦計量・認定局)によるマスター クロノメーター認定ムーブメントのCal.8806(センターセコンド)あるいはCal.8804(スモールセコンド)によって確保する。その耐磁性能は1万5000ガウスに達し、それ以外にもパワーリザーブ残量が変動した場合にでも精度を維持することなどが細かく検査されており、現代基準で最高峰の性能を有する。
オメガ2025年新作②オレンジをまとった「シーマスターダイバー300M」
「シーマスター ダイバー 300M」に、オレンジを取り入れた新作が追加されている。オレンジカラーは、過去20年間にわたってオメガのダイバーズウォッチに使用され、水中での視認性と安全性の向上に大きく貢献しただけでなく、コレクションの象徴的な要素となってきた。今年発表された新作は、このような象徴的なオレンジカラーをシーマスター ダイバー 300Mに取り入れたものとなる。

自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。300m防水。103万4000円(税込み)。

自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。300m防水。97万9000円(税込み)。
近年のシーマスター ダイバー 300Mは“ボンドダイバー”として親しまれており、メッシュブレスレットやドーム型サファイアクリスタル、シュウ酸アルマイト加工を施したアルミ製ベゼルが採用され、モダンなスタイリングにクラシカルなテイストを加えたデザインとなっている。
新作はこれらのデザインを継承しつつ、文字盤上では秒針と3時、6時、9時、12時のインデックスの縁取り、そして“Seamaster”のロゴにオレンジが用いられて、ブラックとオレンジのコントラストが効いた配色となる。メッシュブレスレットのほかに、オレンジのラバーストラップとの組み合わせも用意され、よりスポーティーなスタイリングを楽しむことも可能だ。搭載されるのはMETASによるマスター クロノメーター認定ムーブメントのCal.8806であり、その性能には文句の付け所がない。
オメガ2025年新作③「スピードマスター ムーンフェイズ メテオライト」
オメガの中でも不動の人気を誇るコレクション「スピードマスター」の新作モデルは、文字盤にメテオライトを用いた「スピードマスター ムーンフェイズ メテオライト」だ。本作は、鉄隕石を素材としたメテオライトを文字盤に用いているだけでなく、オメガが果たしてきた宇宙開発への貢献や、宇宙とのつながりを色濃く反映したモデルとなっている。バリエーションとして、スピードマスターらしさにあふれるブラックモデルと、グレーとブルーのツートンモデルが用意される。

手巻き(Cal.9914)。45石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径43mm、厚さ13.6mm)。50m防水。272万8000円(税込み)。

手巻き(Cal.9914)。45石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径43mm、厚さ13.6mm)。50m防水。272万8000円(税込み)。
鉄の他にニッケルを多く含む鉄隕石は、何らかの衝撃で飛散した天体の核の一部とされており、宇宙空間で極めて長い時間をかけて冷却されることで特有の結晶構造が生まれる点が特徴だ。本作では、この結晶構造を際立たせるため、ブラックPVDあるいはガルバニックグレーを施し、文字盤に用いている。
本作に搭載されるのは新開発の手巻きコーアクシャル マスター クロノメーター ムーブメントのCal.9914であり、6時位置にカボションシェイプのふたつの月隕石があしらわれたムーンフェイズ表示を備える。また、ムーンフェイズ表示のサブダイアル上に描かれるのは、1969年のアポロ11号による月面着陸の際にスイスのビエンヌにあるオメガ本社から見上げた星空である。
オメガ2025年新作④「シーマスター アクアテラ」ターコイズカラー文字盤
オメガの中核コレクションと言えるほどバリエーションが豊富で、人気のインフォーマルウォッチの「シーマスター アクアテラ」に、近年人気のターコイズカラー文字盤の新作が追加された。
今回紹介するのはケース径41mmモデルで、ターコイズカラーを流行のグラデーションによって、文字盤外周に向かってダークな色調となるカラーリングに仕上げている。組み合わされるのはダークグレーでコーティングされた針とインデックスで、日付表示および日付表示窓の枠もダークグレーとなり、落ち着きや統一感のあるカラーコーディネートだ。
注目は文字盤の仕上げで、ラッカー塗装のポリッシュ仕上げとなる。41mmモデルの多くのモデルではウッドデッキを思わせる水平方向の凹凸である「チークコンセプト」を採用してきたが、本作では平滑な仕上げで、グラデーションの魅力を引き出したものとなっている。
搭載されるのは自動巻きコーアクシャル マスター クロノメータームーブメントのCal.8900であり、その高精度さと高い耐磁性能が、アクアテラの人気の理由のひとつである。

自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.2mm)。150m防水。105万6000円(税込み)。
オメガ2025年新作⑤「シーマスター ミラノ・コルティナ 2026」

1932年以来、オリンピックのオフィシャル タイムキーパーを務めるオメガが、1年後の2026年2月6日に開会式を迎えるミラノ・コルティナ 2026 冬季オリンピックの開催を記念する「シーマスター ミラノ・コルティナ 2026」を発表した。
本作は、1956年のメルボルン大会を記念するモデルをほうふつとさせる意匠を備えており、当時のモデルの特徴的な“猫足”型のラグやラウンドケース、楔形のインデックス、ドーフィン針、六角形のリュウズ等にその特徴が見て取れる。そして本作は、クラシカルなテイストの色濃いデザインを備えつつ、現代のオメガの技術やクラフトマンシップが融合している。
ケースはオメガ独自の18K ムーンシャインゴールド製で、ダークブルーの空に輝く月の光からインスピレーションを得た素材だ。一般的なイエローゴールドよりも淡い色調で、本作のホワイトの文字盤との組み合わせによりエレガントさを生み出している。このホワイトの文字盤はグラン・フー エナメル製であり、艶やかな質感が本作の特別さを演出している。
搭載されるのは自動巻きコーアクシャル マスター クロノメータームーブメントのCal.8807であり、実用精度や耐磁性の高さは現代基準で申し分ない。ケースバックには、ミラノ・コルティナ 2026 冬季オリンピックの記念メダリオンがセットされる。
自動巻き(Cal.8807)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。18Kムーンシャインゴールドケース(直径37mm、厚さ11.55mm)。100m防水。306万9000円(税込み)。
オメガ2025年新作⑥「シーマスター ダイバー300M ブロンズゴールド&バーガンディ」

オメガの中でも最もアイコニックなコレクションのひとつである「シーマスター ダイバー300M」に「シーマスター ダイバー300M ブロンズゴールド&バーガンディ」が追加された。本作は2020年公開の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のために発表された「シーマスター ダイバー300M 007 エディション」にインスパイアされたモデルで、メッシュブレスレット、シュウ酸アルマイト加工のアルミニウム製ベゼルリングと文字盤、ドーム型サファイアクリスタルにその特徴が表れている。
そして本作の注目ポイントは、オメガ独自の合金であるブロンズゴールドを外装に用いている点である。この合金は37.5%のゴールド、パラジウム、シルバーなどで構成されており、優れた耐食性を備えて酸化による緑青を生じない特性を持つ。
アルミニウム製の文字盤は、マットブラックを基調としたサンドブラスト仕上げで、そこにPVDによる18Kブロンズゴールドの針とブラック仕上げのインデックスが組み合わされる。針やインデックスには焼け色を思わせるヴィンテージ スーパールミノバが塗布され、オメガのロゴや印字はライトブラウンで施される。いずれもブロンズゴールドの色調と調和した仕上がりである。そこに落ち着いた色調のバーガンディのベゼルインサートがクラシカルかつエレガントな印象を生み出している。
用意されるのはふたつのバリエーションで、ブロンズゴールド製のメッシュブレスレットの組み合わせと、ブラックラバーストラップの組み合わせから選ぶことができる。搭載されるのは、オメガ コーアクシャル マスター クロノメーターの自動巻きムーブメントのCal.8806であり、その基本性能は現代基準でもトップクラスだ。

自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。ブロンズゴールドケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。300m防水。444万4000円(税込み)。

自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。ブロンズゴールドケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。300m防水。221万1000円(税込み)。
オメガ2025年新作⑦「シーマスター プラネットオーシャン ワールドタイマー」
ブラックのセラミックス製ケースとスポーティーなスタイリングが印象的な「シーマスター プラネットオーシャン ワールドタイマー」が発表された。ワールドタイマーは「シーマスター アクアテラ」シリーズで人気を集めてきたスタイリングだ。本作は、「プラネットオーシャン ディープブラック」の外観を踏襲した直径45.5mmのブラックセラミックス製ケースに、ベゼルにもブラックセラミックスを用いてスポーティーに仕立てたモデルである。
ワールドタイマーならではのディテールとして注目は、文字盤中央部に描かれた地図だ。これは、グレード5チタンの表面に、レーザー加工とニスで北極上空から望む大陸の姿を描いたものである。この地図を囲むように、ヘサライトガラスの下に昼夜を分ける24時間表示が配され、世界各地の時刻を表示するワールドタイマー機能を実現している。
用意されるのはふたつのバリエーションだ。いずれもブラックセラミックスの外装とマッチするブラックをベースに、ひとつめは、地図の海洋部分に鮮やかなターコイズブルーを用いてヴィヴィッドな印象を加えたモデルである。もうひとつは、ブラックをベースにグレーやホワイトによってモノクロームに仕立てたモデルとなる。
搭載されるのは自動巻きコーアクシャル マスター クロノメータームーブメントのCal.8938であり、実用精度や耐磁性能といった基本性能は現代基準で最高レベルである。さらに、本作はシーマスター プラネットオーシャンに準じて600mの非常に高い防水性能を有している。

自動巻き(Cal.8938)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。セラミックケース(直径45.50mm、厚さ18.99mm)。600m防水。236万5000円(税込み)。

自動巻き(Cal.8938)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。セラミックケース(直径45.50mm、厚さ18.99mm)。600m防水。236万5000円(税込み)。