ジラール・ペルゴ マネージングディレクターのマーク・ミシェル=アマドリーにインタビュー

2025.06.07

ジラール・ペルゴの新しいマネージングディレクターに就任したのが、マーク・ミシェル=アマドリーだ。時計師の一族としてラ・ショー・ド・フォンで育った彼は、ラグジュアリー業界での長いキャリアを経てIWCに入社し、チーフ・コマーシャル・オフィサーを務めた後、今年の3月から現職に就いた。

広田雅将(本誌):取材・文
Text by Masayuki Hirota (Chronos-Japan)
Edited by Yukiya Suzuki (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2025年7月号掲載記事]


私たちが得意とするのはロレアートだけではないのです

マーク・ミシェル=アマドリー

マーク・ミシェル=アマドリー
ジラール・ペルゴ マネージングディレクター。1970 年、スイス生まれ。HECローザンヌ校を卒業後、タグ・ホイヤーやLVMHグループを経てエベルに入社。後にIWCでチーフ・コマーシャル・オフィサーを務める。2025年3月から現職。

「もともと、ソーウインド グループCEOのパトリック・プルニエのことは知っていました。そして、私が自分のために初めて買った腕時計が、ジラール・ペルゴのWW・TCでした。何よりも、ジラール・ペルゴは、私が生まれ育ったラ・ショー・ド・フォンの名門ブランドとして、子供の頃からリスペクトしていました。したがって、私が加わったのは自然の流れかもしれません」

 そんなミシェル= アマドリーは、ジラール・ペルゴをどう導こうとしているのか?

「このブランドは234年も継続しており、まずはその歴史と時計製造の専門知識をもっと広く、知らしめることですね。つまりは、オートオルロジュリーと純粋さのさらなる追求です。ジラール・ペルゴは1990年代以降、高級機械式時計の復興を担った立役者であり、真のマニュファクチュールです。それだけではなく、私たちは純粋で時を超えた美しさを持っています」

ジラール・ペルゴ「ディープ ダイバー」

ジラール・ペルゴ「ディープ ダイバー」
ジラール・ペルゴのアイコニックなモデルを復活させる「レガシー エディション」。「キャスケット」に続く第2弾が、1969年発表のダイバーズウォッチ「9108ディープ ダイバー」をリバイバルさせた本作だ。しかし、単なる復刻ではなく、イギリスのバンフォードとコラボレーションしたのは新しい。自動巻き(Cal.GP03300)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。Tiケース(縦40.30×横38.00mm、厚さ13.91mm)。200m防水。世界限定350本。213万4000円(税込み)。

 同社はロレアートで世界的な人気を得たが、今後、製品構成をどうしていくのか?

「ひとつ言えるのは、私たちが得意とするのはロレアートだけではない、ということです。多様性があり、素晴らしいムーブメントを持っています。その証拠に、違うモデルを将来リリースします」。彼は加えて、もうひとつの課題を指摘した。

「ロレアートは素晴らしい腕時計ですが、今後は、それ以外にも選んでいただけるモデルを出していきたい」。確かにその通りで、ジラール・ペルゴのラインナップは、ベーシックなモデルの上は、高価なオートオルロジュリーが多くを占める。ユーザーの選択肢を増やすためには、製品構成がやや偏っているようだ。「ジラール・ペルゴはマニュファクチュールですから、何でも作れます」。彼は明言しなかったが、今後、中価格帯(といっても高価になるが)をテコ入れするということだろう。

 最後にミシェル= アマドリーが強調したのは、今回の来日の主目的である大阪ブティックについてだ。「ブティックは、私たちの哲学を感じてもらうポイントであり、意味のある時間を喜んで過ごしていただける場所です。言うまでもなく、ジラール・ペルゴは素晴らしいブランドですが、お客様にはもっと説明する必要があると思っています。それを体感できるステージがブティックなのです」。



Contact info: ソーウインド ジャパン Tel.03-5211-1791


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