2025年9月4〜7日までスイス・ジュネーブで開催される、ジュネーブ・ウォッチ・デイズ。この時計イベントの立役者のひとりであるブルガリからは、4種の新作モデルが発表されている。コレクションに加わったブロンズモデルから「オクト フィニッシモ」の特別モデルまで、4月の祭典に引き続き、その多彩な顔触れを紹介していく。

Text by Tsubasa Nojima
[2025年9月4日公開記事]
「ブルガリ ブロンゾ GMT」

自動巻き(Cal.B192)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。ブロンズケース(直径40mm、厚さ9.7mm)。100m防水。73万1500円(税込み)。2025年10月発売予定。
アルミニウム製ケースを特徴とする「ブルガリ アルミニウム」。そのデザインを踏襲した新作、「ブルガリ ブロンゾ」が発表された。ラインナップは、GMTモデルとクロノグラフモデルの2種類。
GMT機能を搭載したスタイリッシュな「ブルガリ ブロンゾ GMT」は、サンドブラスト仕上げを施したツール感あふれるブロンズ製ケースに、ブラックのラバーベゼルとラバーストラップを組み合わせたモデルだ。経年による変化を楽しむことのできるブロンズ素材は、長年愛用することで個体特有の風合いに育て上げることができる。ケースバックは、DLC加工を施したチタン製だ。
アラビア数字とバータイプのインデックスを組み合わせたシンプルなダイアルは、外周にツートンカラーの24時間表記を採用しており、矢印型のGMT針と合わせることで第2時間帯を読み取ることができる。針にはピンクゴールドプレートとサンドブラスト加工が施されており、ケースは調和した質感に仕上げられている。
搭載するCal.B192は、信頼性の高い汎用機をベースとした機械式自動巻きムーブメントである。
「ブルガリ ブロンゾ クロノグラフ」

自動巻き(Cal.B381)。パワーリザーブ約42時間。ブロンズケース(直径41mm、厚さ12.35mm)。100m防水。91万3000円(税込み)。2025年10月発売予定。
ブロンズケースを採用したクロノグラフモデル、「ブルガリ ブロンゾ クロノグラフ」。ブルガリ アルミニウムのデザインコードを受け継ぎつつ、サンドブラスト仕上げのブロンズケースをまとうことによって、よりタフな印象に仕上げられている。ブランドロゴを配したブラックラバーベゼルやプレートをつなぎ合わせたようなラバーストラップも特徴だ。
ダイアルは、クロノグラフウォッチらしい凝縮感のあるデザイン。外周にタキメーター、3時位置にスモールセコンド、6時位置に12時間積算計、9時位置に30分積算計、そして4時半位置にデイト表示を配している。GMTモデルと同様、針にはピンクゴールドプレートとサンドブラスト加工が与えられている。
ケースサイズは直径41mm。幅広のベゼルを採用しているため、数値よりもややコンパクトな印象だ。自動巻きクロノグラフムーブメントを内部に収め、かつ100m防水を備えていながらもケースの厚さは12.35mmに抑えられており、日常使いに適した取り回しやすさを実現している。ケースバックは、耐蝕性に優れるチタン製。DLC加工が施されている。
「オクト フィニッシモ リー・ウファン 限定モデル」

自動巻き(Cal.BVL138)。31石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。Tiケース(直径40mm、厚さ5.5mm)。30m防水。世界限定150本。316万8000円(税込み)。
日本とフランス・パリを拠点に、世界で活躍する韓国出身のアーティスト、リー・ウファンとのコラボレーションによって誕生した「オクト フィニッシモ」の新作。人間の意識、自然、宇宙のつながりを探求するリー・ウファンの世界観を表現した神秘的なデザインが与えられている。
ダイアルは鏡面に磨かれ、インデックスはない。センターに時分針、7時位置にスモールセコンドを配し、ブラックで仕上げられた針がゆったりと流れる時間を可視化する。ランダムな模様が刻まれたケースとブレスレットはチタン製。この模様は、やすり等の工具を用いて1本ごとに手作業で施されている。
本作が搭載しているのは、薄型のマイクロローター式自動巻きムーブメント、Cal.BVL138。リー・ウファン氏のサインが入ったシースルーケースバックからは、コート・ド・ジュネーブやペルラージュ等の装飾、マイクロローターやテンプの動きを鑑賞することができる。


「オクト フィニッシモ マーブル トゥールビヨン」

手巻き(Cal.BVL268)。11石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約52時間。Ptケース(直径40mm、厚さ5.75mm)。30m防水。世界限定30本。要価格問い合わせ。
オクト フィニッシモに、トゥールビヨンを搭載した新作「オクト フィニッシモ マーブル トゥールビヨン」が加わった。コンプリケーションウォッチでありながらも厚さ5.75mmという驚異的な薄さを誇る本作には、なんと大理石を用いたダイアルが採用されている。
ブルガリ創業の地であるローマとも関わりの深い大理石。それをダイアルとして薄く精密に切り出すためには、高度な技術が要求される。優れた宝飾技術を有するブルガリだからこそ実現したものと言えるだろう。
同社は今年、「ブルガリ・ブルガリ」のルーツである「ブルガリ・ローマ」の誕生50周年を記念した「ブルガリ・ブルガリ 50周年アニバーサリー限定モデル」を発表した。シンプルな18Kイエローゴールドケースをまとった本作に採用されていたのもまた、ヴェルデ・アルピ大理石ダイアルであった。
ブルガリ・ブルガリ 50周年アニバーサリー限定モデルではグリーンカラーであったが、今回発表されたオクト フィニッシモ マーブル トゥールビヨンに採用されているのは、ブルーに彩られたヴェルデ・アルピ大理石だ。
搭載するCal.BVL268は、手巻きのトゥールビヨンムーブメント。わずか1.95mmという薄さでありながら、約52時間ものパワーリザーブを備えている。
