「“ワオ”と言わせるものを作らなくては」。高級時計工房「ローマン・ゴティエ」を探る

2005年に創業し、今や「世界屈指のマイクロブランド」とも称されるローマン・ゴティエ。なぜこの高級時計ブランドは成功を収めているのか？　創業20周年を記念して開催されたエキシビション、「ローマン・ゴティエ Tokyo エキシビション 2025」と、これに合わせて来日した創業者・ゴティエ氏を広田雅将が突撃取材。同社の過去、現在、そして今後の展望を探る旅に出る。

高級時計工房「ローマン・ゴティエ」を探る旅へ

　2005年に創業したローマン・ゴティエ。独創的な機構と造形、そして手作業による最上級の仕上げを施したそのプロダクトによって、マイクロブランドでありながらも、多くの時計愛好家から高い注目を集めている。

　そんなローマン・ゴティエが創業20周年を迎える今年の8〜9月、東京で特別なエキシビションが開催された。「ローマン・ゴティエ Tokyo エキシビション 2025」だ。このエキシビションには創業者であるローマン・ゴティエも来日のうえ、参加。そこで『クロノス日本版』およびwebChronosの編集長・広田雅将がエキシビションを突撃取材。ゴティエ氏とともに、歴史、卓越した技術力、創意工夫にあふれる歴代コレクション、そして今後の展望など、同ブランドを探る旅に出る。

目次

00:00 オープニング／「ローマン・ゴティエTokyo エキシビション 2025」より
01:02 ブランドの歩みと新工房について
03:25 ブランド初作「プレステージHM / HMS」
07:38 代表作「ロジカル・ワン」とコンスタントフォース機構の必然
11:40 ゴティエ流高精度の新たなアプローチ「インサイト・マイクロローター」
16:08 よりモダンでスポーティーな挑戦「C by ローマン・ゴティエ」
19:36 ブランド20周年を記念した「C by ローマン・ゴティエ 2025」
22:42 ローマン・ゴティエの仕上げとは？　工具内製と精度思想“アート・オブ・ツーリング”
28:21 ローマン・ゴティエ インタビュー。自身の時計観について語る／今後の展望

ローマン・ゴティエとは？

　前述の通り、ローマン・ゴティエは2005年に誕生した。2007年に初の作品となる「プレステージ HM」を発表。20年の歴史の中で4つのムーブメントを製造し、「プレステージ HMS」「ロジカル・ワン」「インサイト・マイクロローター」「インサイト・マイクロローター スケルトン」「C by ローマン・ゴティエ」といったコレクションを展開していった。

　そんなローマン・ゴティエの作品は、ユニークな機構や造形はもちろん、卓越した仕上げによって、審美性が追求された外装およびムーブメントを有している。また、時計ブランドとしてだけではなく、他社へ部品を供給するサプライヤーとしての顔も持つ。2014年、そして2025年に自社工房が竣工。動画内でゴティエ氏は、新型ムーブメントをはじめ、今後も独自の時計づくりにいっそうの意欲を示している。