軽快なトークと関西人ならではのキャラクターで愛される西川貴教。地元愛にあふれすぎて“次期滋賀県知事候補”と冗談を言われるほど、すっかり滋賀を代表するアーティストとして浸透している。ソロではT.M.Revolutionとして活躍を続ける西川の腕元に、グランドセイコーの“勇姿”を発見した。

Text by Yukaco Numamoto
土田貴史:編集
Edited by Takashi Tsuchida
[2025年11月16日掲載記事]
初代「滋賀ふるさと観光大使」に任命されるほどの地元愛
滋賀県出身の西川貴教は、県初の大型野外ロックフェス「イナズマロックフェス」を2009年以降、毎年主催。「音楽を通じて地元にお返しがしたい」……観光大使就任の際にそう語った西川の思いを形にしたのが、このロックフェスだ。
ミュージシャンのライブパフォーマンスだけでなく、お笑いステージ、キッズコーナー、ご当地グルメなど、有料ゾーンのチケットを持っていなくても一日中楽しめるイベント設計が極めてユニークである。全国から音楽ファンが多数来場し、地元観光名所のPRや宿泊施設への経済効果をもたらした成功例として、国内のみならず海外からも注目を集めている。
さらに西川は、滋賀県観光キャンペーン「戦国ディスカバリー滋賀・びわ湖」のアンバサダーも務めている。オリジナルの鎧を身に纏った戦国武将・西川貴教の姿が、ポスターをはじめ観光パンフレットやPR動画で展開されているのだ。
就任に際して、本人は「私、滋賀ふるさと観光大使の西川貴教、今回は武将です!『戦国ディスカバリー滋賀・びわ湖』、熱く盛り上げてまいります。近江(滋賀)の新たな戦国の魅力を“発見(ディスカバリー)”しに、ぜひ滋賀へ出陣してください!」と熱い思いを語った。
こうした強い地元愛にあふれる西川貴教は、滋賀県民1000人に行ったアンケートで『地元の顔』第1位に選ばれたこともある。県民からの絶大な支持を受け、バラエティ番組では「将来的には滋賀県知事になるのでは?」と冗談めかしていじられていたが、まんざらでもなさそうな返しをする一幕もあったほどだ。
T.M.Revolutionとして日本の音楽シーンを牽引
西川貴教の活動を振り返ってみよう。1991年にメジャーデビュー、1995年の「access」活動休止の後に、浅倉大介のソロシングル「BLACK OR WHITE?」にヴォーカルとして参加。翌1996年にソロプロジェクト「T.M.Revolution」として活動を開始し、ラジオパーソナリティや音楽トークバラエティなどで軽快なトークスキルを発揮した。
商業的にも音楽的にも最も人気が高まった全盛期は、1990年代後半から2000年代前半にかけてのT.M.Revolutionとしての活動時期だと言われている。その一方で、最近でもボディビル大会「BEST BODY JAPAN」での活躍や、アニメ「片田舎のおっさん、剣聖になる」の主題歌への起用で再び注目を集めており、“第二の全盛期”とも言われるほどパワフルに活動する姿を見せている。
2008年に滋賀県初となる「滋賀ふるさと観光大使」に任命され、翌2009年に滋賀県で大型野外音楽フェスティバル「イナズマロックフェス」を開催。ほかにもヨーロッパツアーを敢行したり、インディーズレーベルを立ち上げたりと、充実した日々を駆け抜けている。
その体力は、並々ならぬ努力の上に成り立っているのだろう。3つのトレーニングジムに通い、食事管理を徹底。体脂肪率は9%を保つなど、15年以上トレーニングを続け、ライブでのパフォーマンスのために体づくりに励んでいる。
また、東日本大震災発生時には、被災者救済のチャリティライブ企画などの実現に向けていち早く動き出し、チャリティオークションを行ったほか、ライブ会場に募金コーナーを設置するなど、ボランティア活動にも積極的だ。
なかやまきんに君との『筋肉』ツーショットでグランドセイコーを発見
出ます!パワー!(๑•̀ㅂ•́)و✧#ワイドナショー #JBBF #BBJ https://t.co/O2FMKl33HT pic.twitter.com/wJBM5q9syt
— 西川貴教 (@TMR15) January 29, 2022
「大好物の貴教さまの腕を拝見できて幸せです!」とコメントするファンもいるほどの自慢の筋肉を、なかやまきんに君と共に自身のXで披露した西川貴教。その腕元には、グランドセイコー「SBGC003」が確認できる。
スプリングドライブを搭載したクロノグラフで、販売特約店「マスターショップ」でのみ取り扱われたモデルだ。ケースサイズは直径43.5mmと大振りで、クロノグラフのプッシュボタンもひと際存在感を放っているが、それに負けない太腕の持ち主である西川貴教によく似合っている。
搭載されるムーブメントは、Cal.9R86。自動巻きスプリングドライブに、クロノグラフとGMT機能を搭載している。2007年に誕生した、世界で最も高精度なぜんまい駆動のクロノグラフで、ストップウォッチ機能を備え、高精度を保ちながら約72時間のパワーリザーブも実現している。
マッシブな男にこそ、マッシブな時計が似合う
大振りなケースに、複雑機構を凝縮したグランドセイコー「SBGC003」。マスターショップでのみ取り扱われた特別なモデルは、選ばれた者だけが手にできる時計だ。スプリングドライブというセイコー独自の機構が生み出す、クォーツを超える精度と機械式の美しさ。その両立は、日本が世界に誇る技術力の結晶である。

自動巻き(Cal.9R86)。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径43.5mm、厚さ16.1mm)。10気圧防水。
西川貴教という男を象徴するキーワードは「ストイック」だろう。音楽活動と地元貢献、そしてチャリティ活動まで――すべてに全力で取り組む姿勢は、まさに「マッシブ」という言葉がふさわしい。
そんな西川の腕元で、グランドセイコーは静かに、しかし力強く時を刻み続けているに違いない。鍛え抜かれた肉体と、精緻なメカニズムを誇るグランドセイコー。滋賀への愛と、日本が世界に誇る時計技術。両者のマッチングは、まさに完璧だ。
来年はT.M.Revolutionとしてデビュー30周年を迎える西川貴教。音楽でも、地元貢献でも、さらなる高みを目指す彼の挑戦を、この一本が支え続けることだろう。ますますマッシブな活動を届けていってほしい。



