「かわいい」も「エレガント」もそろう。2025年に発表されたレディース向け高級腕時計5選

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2025.12.10

本記事では、2025年発表のレディースウォッチの中から、特筆すべき魅力を持つモデルを傑作選として紹介する。今回、ブレゲ、ブルガリ、オメガ、ブランパン、カルティエといった名門ブランドから、華やかな個性を放つタイムピースを5本ピックアップした。


2025年の新作レディースウォッチ傑作選

 ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2025やジュネーブ・ウォッチ・デイズ2025などの主要な見本市を経て、今年も多彩なレディースウォッチが出そろった。

 今年は、各ブランドのアイコニックな意匠や優れた機能性を維持しつつ、女性でも着用できるよう小ぶりにリサイズされた新作の登場が目立った。また、既存モデルをよりきらびやかに仕立てた、あるいは新ムーブメントを搭載したモデルなどもリリースされ、現代女性の多様なニーズに応える選択肢がさらに広がった印象である。

 今回は、そんな豊作となった2025年の新作群から、特に注目すべきレディースモデルを5本、各ブランドからピックアップして紹介する。デザインの完成度の高さはもちろん、内部機構にも妥協のない傑作たちを、ぜひチェックしてみてほしい。

ブレゲ「レーヌ・ドゥ・ナープル 9935」Ref.9935BH/4Y/964 D0

 ブレゲは、創業250周年を迎えた今年、「クイーン・オブ・ネイプルズ」のコレクション名を、フランス語の「レーヌ・ドゥ・ナープル」へと改めた。このレーヌ・ドゥ・ナープルは、1810〜1812年にかけてナポリ王妃カロリーヌ・ミュラのために作られた、ブランド初の腕時計にインスピレーションを得たコレクションである。

ブレゲ レーヌ ドゥ ナープル

ブレゲ「レーヌ・ドゥ・ナープル 9935」Ref.9935BH/4Y/964 D0
自動巻き(Cal.537L2)。28石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約45時間。18Kブレゲゴールドケース(縦36.5mm×横28.45mm)。3気圧防水。942万7000円(税込み)。(問)ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211

 Ref.9935BH/4Y/964 D0は、そんな創業250周年記念モデルのひとつだ。ダイアルはタヒチ産マザー・オブ・パールにアヴェンチュリンガラスを重ねた2層構造を採用。6時位置にオフセンターダイアル、12時位置にムーンフェイズが配置されており、夜空に浮かぶ月のようなロマンチックな表情を見せる。

 華やかにセッティングされたダイヤモンドも、本作の特徴である。ダイアル12時位置とアワーマーカーに計7つのペアシェイプダイヤモンドがあしらわれたほか、球形のラグにはスノーセッティングで施されるなど、随所にきらびやかな装飾が見られる。ケースは、オリジナルをほうふつとさせる優美なオーバル型のフォルムを持ち、ダイヤモンドの装飾に加え、コレクション初の18Kブレゲゴールドが採用されたことで、節目の年にふさわしい特別感を演出している。

 搭載するムーブメントはCal.537L2だ。パワーリザーブ表示を廃した新型であり、従来機より大ぶりなムーンフェイズを搭載している。また、このムーンフェイズの月もマザー・オブ・パール製であり、ここにはブレゲのシグネチャーであるシークレットサインが記されている。

ブルガリ「セルペンティ トゥボガス」Ref.103905

 2025年、ブルガリのアイコニックな「セルペンティ」コレクションには、極小サイズの自社製自動巻きムーブメントを搭載した新作モデルが追加された。その中から、ガスチューブに着想を得たブレスレットを持つ「セルペンティ トゥボガス」に属する、Ref.103905をピックアップした。

ブルガリ セルペンティ トゥボガス

ブルガリ「セルペンティ トゥボガス」Ref.103905
自動巻き(Cal.BVS100 レディ ソロテンポ)。28石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KPGケース(直径35mm)。30m防水。832万7000円(税込み)。(問)ブルガリ・ジャパン Tel.0120-030-142

 セルペンティ トゥボガスは、古来より永遠や知恵の象徴とされてきた“蛇”のモチーフを、螺旋状にうねるブレスレットでモダンに表現したコレクションだ。ケースとシームレスに連なるブレスレットは、はんだ付けを用いずに、コイル状に仕上げることで柔軟性を備えており、手首に巻きつくようにフィットする。Ref.103905は、このアイコニックな造形を、18Kピンクゴールドを用いてラグジュアリーに仕立てた1本である。

 ギヨシェ装飾が施されたホワイトオパーリンダイアルには、ピンクゴールドコーティングの針とインデックスが配され、知的でエレガントな表情を見せる。また、ベゼルにはダイヤモンド、リュウズにはカボションカットのピンクルベライトがあしらわれ、腕時計全体のエレガントかつフェミニンな印象が強められた。

 搭載されるCal.BVS100 レディ ソロテンポは、直径19mm、厚さ3.9mmというコンパクトなサイズでありながら、自動巻きと約50時間のパワーリザーブを実現したムーブメントだ。本機の搭載によって、ジュエリーウォッチの優美さと機械式時計の精密さを兼ね備えつつ、ドロップ型ケースのサイズを抑えることに成功している。

オメガ「シーマスター アクアテラ 30MM」Ref.220.55.30.20.60.001

 オメガのダイバーズウォッチライン「シーマスター」の中でも、ひときわエレガントなデザインを持つ「シーマスター アクアテラ」。2025年には、直径30mmのケースを持つ新作モデルが多彩にラインナップされ、より幅広いニーズに対応するようコレクションが拡充された。

オメガ「シーマスター アクアテラ 30MM」Ref.220.55.30.20.60.001
自動巻き(Cal.8751)。2万5200振動/時。パワーリザーブ約48時間。18Kムーンシャイン™ゴールドケース(直径30mm、厚さ10.65mm)。150m防水。600万6000円(税込み)。(問)オメガ Tel.0570-000087

 中でもRef.220.55.30.20.60.001は、ケースとブレスレットにオメガの独自合金である18Kムーンシャイン™ゴールドを使用したモデルである。サンブラッシュ仕上げのグリーンダイアルには、ダイヤモンドがセッティングされたインデックスとベゼルが組み合わされ、いっそうラグジュアリーな表情に仕立てられている。加えて、ダイアル上のアプライドパーツにもケースと同素材が用いられるなど、細部まで統一感のある輝きが追求された。

 ムーブメントも特筆すべき、本作のポイントである。シーマスター アクアテラの30mm径ケースの中には、共通して新開発のマスター クロノメーター認定ムーブメントが搭載されており、小径ながら、安定した精度と1万5000ガウス以上の耐磁性能を実現している。なお、本作に採用されるCal.8751は、ローターとブリッジに18Kセドナ™ゴールドを採用した特別仕様となっている。

 150m防水に加え、肌なじみの良いブレスレットのバックルには微調整可能なコンフォートリリースシステムが搭載されているため、ジュエリーライクでありながら、日常使いにも適した1本と言える。

ブランパン「フィフティ ファゾムス オートマティック」Ref.5007 12B44R NAFA

 1735年創業の老舗ブランド・ブランパンの代表作であり、1953年の誕生以来、近代ダイバーズウォッチの祖として知られる「フィフティ ファゾムス」。その今年のトピックには、コレクション初となる直径38mmのユニセックスサイズのケースが追加された点が挙げられる。

フィフティファゾムス

ブランパン「フィフティ ファゾムス オートマティック」Ref.5007 12B44R NAFA
自動巻き(Cal.1153)。28石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約100時間。チタンケース(直径38.2mm、厚さ12.0mm)。300m防水。257万4000円(税込み)。(問)ブランパン ブティック 銀座 Tel.03-6254-7233

 このコンパクトなフィフティ ファゾムスからは、Ref.5007 12B44R NAFAを選出した。ペタルピンクのグラデーションカラーに彩られたマザー・オブ・パールダイアルと、サファイアクリスタル製インサートを持つ同色のベゼルを備えた、スポーティーかつ愛らしい印象を与える1本だ。鮮やかなピンクカラーで針や各種スケール、インデックスが彩られており、柔らかな表情の中に視認性も確保されている。

 ケースはダウンサイジングされつつ、300m防水をはじめとする本格派ダイバーズウォッチの機能性を一切損なうことなく、再設計されている。ケース素材には、軽量かつ耐久性に優れるチタンを採用。全面にサテン仕上げが施されており、鮮やかなダイアルの色彩を際立たせつつ、ダイバーズウォッチらしいストイックさを残している。一方で、ピンクストライプ入りのNATOストラップは、ダイアルとの一体感を高め、遊び心を感じさせる意匠となっている。

 ムーブメントには、Cal.1153を搭載する。従来モデルと同様に約100時間のロングパワーリザーブを有するほか、シリコン製ヒゲゼンマイの採用によって、優れた耐磁性能を備えている。また、トランスパレントバックからは、初代モデルをオマージュした18Kレッドゴールド製のローターを見ることができる。

カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」Ref.W2SA0033

 世界初の量産腕時計として知られるカルティエ「サントス」の中でも、モダンスポーティーな一面を持つのが「サントス ドゥ カルティエ」である。今年、同コレクションに、2018年の刷新以来初となるスモールモデルが追加された。

サントス ドゥ カルティエ

Antoine Pividori © Cartier
カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」Ref.W2SA0033
クォーツ。SS×18KYGケース(縦34.5mm×横27mm、厚さ7.08mm)。日常生活防水。166万3200円(税込み)。(問)カルティエ カスタマー サービスセンター Tel.0120-1847-00

 この新サイズでは、横27mm、縦34.5mmという、1904年に制作されたサントスのオリジナルに近いプロポーションを採用。加えて、クォーツムーブメントの搭載により、厚さわずか7.08mmというスリムさをも実現している。当然ながら、アイコニックなサントスのデザインコードはそのまま凝縮されており、性別を問わず手首になじむモデルに仕上がっている。

 ラインナップから選出したのは、ステンレススティールと18Kイエローゴールドのコンビネーションモデル、Ref.W2SA0033だ。18Kイエローゴールドはベゼルとブレスレットのビスに使用されており、異素材同士の組み合わせで生まれるコントラストが、コレクションの象徴的な意匠であるビスをいっそう際立たせている。

 サンレイ仕上げのシルバーダイアルは、ローマ数字のインデックスとテンパーブルーのバトン針、レイルウェイミニッツトラックが配されており、すっきりとしたノンデイト仕様も相まって、エレガントな印象を与える。

 なお本作は、特許取得済みの「クィックスイッチ」システムを搭載しているため、工具を使わずワンプッシュで、付属のレザーストラップへ交換できるようになっている。


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