【結果発表】読者が選んだ2025年 傑作腕時計 BEST5! 1位はグランドセイコー、2位は?

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2025.12.08

2025年も各社から、さまざまな新作モデルがリリースされた時計業界。多種多彩な顔触れが並ぶ中で、時計好きが選ぶNo.1とは? 今回、読者に「2025年に発表された新作腕時計」の中から、最も引かれるブランドのモデルをアンケートで回答してもらった。選ばれた新作のうち、最も得票数の多かった上位5本を紹介する。


読者が選ぶ、2025年新作時計の「傑作No.1」とは?

 世界経済の減速やドナルド・トランプ米大統領による関税施策がもたらす貿易摩擦などといった要因から、経済の影響を受けやすい時計市場の先行きにも不安が広がりつつあった2025年。しかし各社から発表された新作時計を見ると、そんな懸念など感じさせない。新型ムーブメントの登場やトレンドを反映した小ぶりなケースの採用、そして超絶コンプリケーションまでと、多種多彩な顔触れとなった。

 今回、そんな2025年に発表された新作時計の中から、読者にそれぞれの「傑作No.1」を自由回答形式で選出してもらった。集計期間は2025年12月1日から7日まで。最も得票数の多かった新作時計TOP5を紹介する。

 なお、同一コレクション内に複数のバリエーションが存在する新作時計に関しては、「ひとつのコレクション」としてまとめて集計している。

5位:グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGW007

SLGW007

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGW007
手巻き(Cal.9SA4)。47石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径38.6mm、厚さ9.95mm)。日常生活用防水。134万2000円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室(グランドセイコー) Tel.0120-302-617

 第5位は、グランドセイコーが2024年に発表した新型手巻きムーブメントのCal.9SA4を搭載しつつ、ネイビーカラーの“白樺”文字盤を備えた1本だ。

 Cal.9SA4は自動巻きのCal.9SA5をベースに製造されており、3万6000振動/時のハイビートと約80時間のパワーリザーブを両立させ、さらには主ゼンマイの“巻き心地のよさ”“巻き上げの音”を追求した、時計オタク垂涎のムーブメントである。カチカチ……という音ともに、リュウズを持った指から伝わる巻き上げの感触は、手巻きならではの操作する楽しみを与えてくれる。なお、この巻き上げの感触の追求のために、グランドセイコーはコハゼとコハゼバネを改良した。シースルーバックから香箱をつつくように動くコハゼは、岩手県のセキレイをモチーフとしているという遊び心も楽しめる。

[読者の投票理由]
・月夜の白樺林という情景を見事に表現。高性能な手巻きキャリバー9SA4を堪能できるのも高評価だと思います。
・祖父が譲ってくれた時計がグランドセイコーでそれをきっかけにブランドが好きになった。デニムも好きなのでネイビーの時計が欲しかったから。

4位:A.ランゲ&ゾーネ「1815」

A.ランゲ&ゾーネ 2025年新作

A.ランゲ&ゾーネ「1815」Ref.220.037/Ref.220.028
手巻き(Cal.L152.1)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KPGケース(直径34.0mm、厚さ6.4mm)。3気圧防水。要価格問い合わせ。(問)A.ランゲ&ゾーネ Tel.0120-23-1845

 第4位は、A.ランゲ&ゾーネが4月に開催されたウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2025でリリースした、小ぶりなサイズの「1815」だ。

“デカ厚”ブームから一転、近年では小ぶりなケースサイズの腕時計がトレンドのひとつとなっているが、そんな中でも直径34mmはかなりクラシカル。1815のデザインコードであるアラビア数字インデックスやアルファ針が、いっそうこのスタイルを引き立てる。

 なお、A.ランゲ&ゾーネはこの小径サイズの1815をリリースするにあたって、ムーブメントも新開発のCal.L152.1とした。ムーブメントの意匠と併せてクラシックにまとめ上げられながらも、パワーリザーブ約72時間、フリースプラングテンプと、現代的な性能を有している。

[読者の投票理由]
・34mmという小径ながら、イチから開発した72時間パワーリザーブのムーブメントを搭載している点が素晴らしい。
・昨今の小径トレンドはありますが、ここまで思いきって小さく、ムーブメントもクラシカルに仕上げてきたのはさすがでした。

3位:オメガ「スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン」

オメガ スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン

オメガ「スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン」Ref.310.92.44.50.06.002
グレーのセラミックスケースをはじめ、外装をオールグレーで仕上げたモデル。ラバーストラップの裏側には、月面をモチーフとしたパターンが施されている。手巻き(Cal.3869)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。セラミックスケース(直径44.25mm、厚さ12.97mm)。50m防水。232万1000円(税込み)。(問)オメガ Tel.0570-000087

 いよいよTOP3! 第3位は、オメガの「スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン」だ。この秋4種のデザインがリリースされたが、今回ランクインしたのはそのうちの“グレー サイド オブ ザ ムーン”。NASAのミッションであるアポロ8号の、ジム・ラヴェル船長の「月は本質的にグレーだ」という名言から着想を得て、グレーを基調としたデザインコードを有している。そのためグレーセラミックスをケースとベゼルに使っており、さらにケースにはプラズマ仕上げが施されており、まるでステンレススティールなどと見まごうような、メタリックな鏡面やヘアラインの面を実現している。マスター クロノメーター認定の手巻きムーブメント、Cal.3869が、月面のクレーターをレーザー加工によって表現するなど、コンセプトに合わせた意匠となっている点も見どころだ。

[読者の投票理由]
・実物を見た時にあまりの美しさに購入したから。
・馴染みのある月の姿を忠実に再現した造り込みが最高。
・どちゃくそカッコイイです。

2位:ブレゲ「クラシック スースクリプション 2025」

ブレゲ クラシック スースクリプション 2025

「クラシック スースクリプション 2025」Ref.2025BH/28/9W6
手巻き(Cal.VS00)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約96時間。18Kブレゲゴールドケース(直径40mm、厚さ10.8mm)。3気圧防水。757万9000円(税込み)。(問)ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211

 第2位はブレゲの「クラシック スースクリプション」だ。フランス・パリのシテ島にあるケ・ド・ロルロージュに時計工房を設立してから、今年で250周年を迎えたブレゲは数々の周年モデルを打ち出し、時計業界を沸かせた。その周年モデルの第1弾であるクラシック スースクリプションが、他の華やかな周年モデルを抑えて多くの票を集めた。

 スースクリプションとは時計師のアブラアン-ルイ・ブレゲが考案した、予約による販売制度で、顧客に注文時、価格の4分の1を前払いしてもらうというもの。この手法によって、ブレゲは工房を再建し、多くの顧客の手に自社の製品を届けた。そんなスースクリプションのうち、1796年に製造された懐中時計を再解釈したこのモデルは、ドーム状のグラン フー エナメル文字盤とそこにあしらわれた1本の青焼き針が、目を引く。また、アラビア数字やブレゲ針、オリジナルの懐中時計を彷彿とさせるようなムーブメントの意匠など、伝統的なブレゲのスタイルを有しつつも、13もの新技術が盛り込まれていることも特筆すべき点だ。なお、本作はジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)2025で、「金の針賞(AIGUILLE D’OR Grand Prix)」を獲得している。

[読者の投票理由]
・金の針賞受賞と言えば説明不要なところもありますが、その前から腕に乗せた瞬間に完全にやられてしまってました。文句無しです。納品が待ち遠しいです!
・単針でシンプル、非常に綺麗。
・ブレゲらしい顔。250周年に相応しいモデル。
・圧倒的歴史とストーリー。この世でブレゲしか作れない、ブレゲが作ることに意味がある唯一無二の時計。このブランドが現代に存続していることに感謝。
・ブレゲの250周年を祝う作品ですが、これまでの250年への敬意だけではなく、これからのブレゲを発展させていく気合いを感じる逸品だと感じたから。

1位:グランドセイコー「エボリューション9 コレクション スプリングドライブ U.F.A.」

グランドセイコー エボリューション9コレクション

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション スプリングドライブ U.F.A.」Ref.SLGB003
自動巻きスプリングドライブ(Cal.9RB2)。34石。パワーリザーブ約72時間。ブライトチタンケース(直径37mm、厚さ11.4mm)。10気圧防水。151万8000円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室(グランドセイコー) Tel.0120-302-617

 第1位は、グランドセイコーの新型スプリングドライブムーブメント、Cal.9RB2とともに打ち出された、「エボリューション9 コレクション スプリングドライブ U.F.A.」だ。1969年に同ブランドが製造した「グランドセイコー V.F.A.(Very Fine Adjusted)」を継承しつつ、いっそうの進化を示すU.F.A.(Ultra Fine Accuracy)の名の通り、年差±20秒という優れた精度が大きな特徴だ。

 また、直径30mm、厚さ5.02mmと小径薄型化を実現したため、ケースは直径37mm、厚さ11.4mmというサイズ感に収められた。もちろんスプリングドライブのスタンダードである、約72時間のパワーリザーブも維持している。

スプリングドライブが製造されてきた、「信州 時の匠工房」が位置する長野県の自然を表現した装飾が与えられたこの新型ムーブメントは、トランスパレントバックから観賞することができる。

[読者の投票理由]
・年差20秒という驚きの精度を持ち、審美性にも優れた出来栄えであるため。
・やはりこれでしょう。スプリングドライブとはいえ精度がバグってます。数々の特許を盛り込んだロレックスのランドドゥエラーと迷いましたが……。見た目だけを考えると各社そこまで進化していないように感じるので中身で1番発展を感じたU.F.A.を選出させて頂きました。
・自らを信じ我が道を進むスプリングドライブを更なる高みに持ち上げた点。年差に注目されがちだが、9RA系の新世代SDムーブメントを万人に受け入れられるするサイズにまとめ上げたところが特に素晴らしい。
・U.F.A.という新しい精度を極めたムーブメントと、小径のケース、見る角度によって色を変えるダイアルなど、楽しめるポイントが多い。
・年差±20秒になおかつ緩急針がついている点。

たくさんの投票ありがとうございました!



2025年の新作時計まとめ。グランドセイコー、パテック フィリップ、ロレックス、オメガ他、各ブランドのリリースを一挙紹介!

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