ベル&ロスの2025年人気ランキングTOP5! オールブラックモデルがランキングを席巻

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2025.12.12

本記事では、2025年1月から11月末までの販売本数、商品単価をかけ合わせたデータを参考に、ベル&ロスの人気モデルランキングTOP5をご紹介する。空、海でのプロフェッショナルなシーンに加え、タウンユースのニーズにも応える本ブランド。今年は精悍なブラックセラミックス製ケースを持つモデルがランキングの大部分を占める結果となった。

新居賢人:文
Text by Kento Nii
[2025年12月12日公開記事]


2025年のベル&ロスの人気モデルTOP5が決定

 1994年、ブルーノ・ベラミッシュとカルロス・ロシロのふたりによって創業されたベル&ロス。「視認性」「機能性」「信頼性」「高精度」という4つの基本原理を掲げ、機能美を追求した腕時計を多く手掛けてきたブランドだ。現在は、製造拠点をスイスのラ・ショー・ド・フォンに構え、時計の開発から組み立て、最終調整を自社で担うことで、厳格な品質管理体制を実現している。

 ブランドを象徴するのが、2005年発表の「BR-01」で確立された、航空機のコックピットクロックをほうふつとさせるウォッチデザインである。四角と丸を組み合わせ、4本のスクリューで囲んだ斬新なスタイルは、ダウンサイジングされた「BR-03」や、都会的でエレガントな「BR-05」などの登場で多彩な進化を遂げ、アイコニックなデザインコードとして、ブランドの知名度獲得にも大きく貢献している。

 そんなベル&ロスは近年、ケニッシによるエクスクルーシブムーブメントの搭載や、個性豊かなスケルトンモデルの発表、先進的な素材へのアプローチなど、多角的なラインナップの拡充を進めている。特に、セラミック素材の採用は特筆すべき点であり、傷、腐食に強く、軽量という実用性の高さに加え、ツールウォッチらしい精悍さを高められることから、人気の仕様のひとつに数えられている。

 以下に、同社の販売本数と商品単価のデータに基づいた人気ランキングTOP5を発表する。

第5位「BR-05 スケルトン ブラック セラミック」Ref.BR05A-BL-SK-CE/SCE

 第5位には、2019年に誕生したBR-05コレクションから、「BR-05 スケルトン ブラック セラミック」がランクインした。

BR-05 スケルトン ブラック セラミック

ベル&ロス「BR-05 スケルトン ブラック セラミック」Ref.BR05A-BL-SK-CE/SCE
自動巻き(Cal.BR-CAL.322-1)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。セラミックケース(直径41mm、厚さ11.2mm)。100m防水。146万3000円(税込み)。

 BR-05は、四角と丸を組み合わせたデザインコードを踏襲しつつ、ケースとブレスレットが一体化したスタイリッシュなフォルムを持つコレクションだ。角を落とした柔らかなラインと、ポリッシュとサテンを組み合わせた仕上げにより、ツールウォッチらしい要素を残しながらも、アーバンスタイルにも映える上品なスタイルを確立している。

 ランクインしたのは、ブラックセラミックス製の外装に、スケルトンダイアルを組み合わせた1本だ。ダイアルには、半透明のサファイアクリスタルを採用し、ブラックのルテニウムコーティングが施されたBR-CAL.322-1がのぞいている。また、アプライドインデックスや針にはホワイトのスーパールミノバが塗布されており、昼夜を問わず、優れた視認性を実現。一方で、ミニッツトラックはスケルトン仕様に合わせて省略され、開放感が高められた。

 ケース、ブレスレットは、縦のヘアラインとポリッシュ仕上げの組み合わせでメリハリが効いており、引き締まった黒一色の外観は洗練された印象を与える。ベル&ロスの多くのコレクションに共通する100m防水を備え、約54時間のパワーリザーブも有するなど、実用的なスペックも魅力の1本である。

第4位「BR-03 スケルトン ブラック セラミック」Ref.BR03A-SK-CE/SRB

 続いてランクインしたのは、ブランドの定番であるBR-03コレクションをベースに、新設計のスケルトンムーブメントを搭載した、「BR-03 スケルトン ブラック セラミック」である。

BR-03 スケルトン ブラック セラミック

ベル&ロス「BR-03 スケルトン ブラック セラミック」Ref.BR03A-BL-SKCE/SRB
自動巻き(Cal.BR-CAL.328)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。セラミックケース(直径41mm、厚さ10.6mm)。100m防水。94万6000円(税込み)。

 BR-03は、ブランドのマイルストーンであるBR-01を、使いやすい42mm径へとダウンサイジングしたコレクションだ。多彩なカラーリングや、航空の世界にまつわるユニークなデザインを取り入れたモデルなど、定番コレクションとして豊富な選択肢を用意している。また、2023年には、41mm径へのさらなるダウンサイジングをはじめとする、デザインの刷新が行われている。

 本コレクションに属するBR-03 スケルトン ブラック セラミックは、ブラックセラミックス製ケースと、スケルトンダイアルを特徴とするモデル。ダイアルにはスモークサファイアクリスタルが使用されており、載せられた太い針とバーインデックス、そして3・6・9・12のアラビア数字インデックスが、高い判読性を発揮する。

 特筆すべきは、このダイアルからのぞくCal.BR-CAL.328である。本機は、4本のダブルアームでX字型を形成したユニークなスケルトン仕様を備えており、王道的なベル&ロスのダイアルデザインに、コンテンポラリーかつ前衛的な一面を演出している。さらに、このX字型の意匠は、スクエアケースやベゼルの四隅に打たれたスクリューとの、視覚的な調和も生み出している。

 ケースにはマイクロブラスト加工が施されており、ダイアルを際立たせるそのマットな質感も本作の特徴となる。ストラップは、ブラックラバーストラップに加え、交換可能なブラックのベルクロストラップが付属しており、ストイックなスタイリングの変化を楽しむことができる。

第3位「BR 05 ブラック セラミック」Ref.BR05A-BL-CE/SCE

 第3位には、BR-05のブラックセラミックスモデルがランクイン。エレガントなデザインコードはそのままに、ケース、ブレスレットを漆黒に染め上げたモデルだ。

BR-05 ブラック セラミック

ベル&ロス「BR-05 ブラック セラミック」Ref.BR05A-BL-CE/SCE
自動巻き(Cal.BR-CAL.321-1)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。セラミックケース(直径41mm、厚さ11.2mm)。100m防水。113万3000円(税込み)。

 ダイアルはサンレイ仕上げのブラックカラーを採用する。シルバーで縁取られた針と、アプライドインデックスが載せられており、ダイアルとのコントラストが判読性を高めている。3時位置にデイト機能を備えるほか、外周にはミニッツトラックが記されており、これまでにランクインしたスケルトンモデルと比べると、より質実剛健な印象である。

 本作をはじめとするBR-05のブラックセラミックスモデルでは、外装の表面仕上げの完成度の高さも注目となる。一般的に加工が難しいとされるセラミックスに対し、ステンレススティールモデルと同様のサテンとポリッシュ仕上げの磨き分けを実施しているためだ。これにより、オールブラックの外観にセラミックス特有の硬質なツヤが生まれ、立体的で奥行きのある美観が実現しているのである。

 ちなみに、BR-05のステンレススティールモデルは40mm径だが、本作をはじめとするブラックセラミックスモデルには、わずかに大きい41mm径の専用サイズが採用されている。これは、黒い物体が小さく見える視覚効果を考慮したもので、ステンレススティールモデルと近い感覚で着用することができる。

第2位「BR-05 ブラック スティール」Ref.BR05A-BL-ST/SST

 2025年のBR-05コレクションの大きなトピックには、最小サイズである36mm径モデルの追加が挙げられるだろう。人気ランキングの第2位には、このコンパクトなBR-05のファーストリリースから、定番カラーのブラックダイアルモデルがランクインした。

BR-05 ブラック スティール

ベル&ロス「BR-05 ブラック スティール」Ref.BR05A-BL-ST/SST
自動巻き(BR-CAL.329)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。SSケース(直径36mm、厚さ8.5mm)。100m防水。64万9000円(税込み)。

 この36mm径モデルは、従来の40mm径モデルから、機能性を維持しながらのダウンサイジングを実現している。さらにケース厚が、8.5mmにまでスリム化されている点も特筆すべきポイントだ。この洗練されたプロポーションは、より多くのユーザーにリーチすることを目的に設計されたものであり、細身の男性や女性の手首にもフィットさせることができる。

 サンレイ仕上げのダイアルは、ケースに合わせてリサイズされ、従来モデルからデイト表示やミニッツトラックが省略されている。一方で、アプライドインデックスやシャープな時分針はそのまま引き継がれ、ツールウォッチらしいストイックさを残している。加えて、ケースやブレスレットについても、小ぶりなサイズに最適化されながらも、巧みな表面仕上げが施されており、質感のメリハリが演出されている。さらに、100m防水も変わらずに維持された。

 なお、ベル&ロスの日本法人の見解によると、「36mm径のBR-05は大きな反響を得たものの、在庫不足により販売機会を十分に活かしきれておらず、今後の伸びしろも非常に大きいと考えています」とのこと。供給が安定すれば、来年のランキングにも食い込んでくる可能性の高いコレクションと言える。

第1位「BR 03 ブラック マット」Ref.BR03A-BL-CE/SRB

 栄えある人気ランキングの1位に輝いたのは、看板モデルであるBR-03の「BR-03 ブラック マット」だ。ランキング内の多くのモデルと同様にオールブラックの外観を持つ本作だが、そのミリタリーテイストを強調した仕様が、多くの人気を集めることとなった。

BR-03 BLACK MATTE

ベル&ロス「BR-03 BLACK MATTE」Ref.BR03A-BL-CE/SRB
自動巻き(BR-CAL.302-1)。2万8800振動/時。パワーリザーブ54時間。セラミックケース(直径41mm、厚さ10.6mm)。100m防水。61万6000円(税込み)。

 本作で特筆すべきは、腕時計から徹底して光沢を排除している点だ。マイクロブラスト仕上げのブラックセラミックスケースと、マットな質感のダイアルが組み合わされており、光の反射による判読性への影響が可能な限り抑えられている。またリュウズも、BR-03の他モデルと同様に、ローレット加工が施されており、グローブをしたままでも操作できるような配慮が見られる。

 ダイアルは王道のレイアウトとブラックカラーを採用しており、ホワイトの夜光塗料を塗布したインデックスと針は、黒一色の表情の中で確かな存在感を発揮する。ムーブメントは、2023年のリニューアルに伴いスペックアップしたCal.BR-CAL.302を搭載し、日常使いにも向くデイト機能と、約54時間のパワーリザーブを有している。

 総じて、ツールウォッチにふさわしい機能性を備えつつ、力強いルックスと洗練された機能美が光るモデルと言えるだろう。また、比較的手の届きやすい60万円台であることからも、ベル&ロスの魅力を体感できる入門機として申し分ない1本である。

ベル&ロスの広報担当者に話を聞いた

 今回のランキング結果について、ベル&ロスの広報担当者から話を聞いたところ、「上位5機種が僅差で競り合い、突出した1位モデルが存在しない、全体として非常にバランスの取れた結果でした」との見解を述べている。

 また、5位以下には限定モデルも続いたものの、TOP5を占めたのは定番モデルであった点にも言及している。新作が2モデルもランクインした結果も踏まえると、ブランドの主幹コレクションの人気が浮き彫りとなっただけでなく、ブランドが提案する新スタイルも着実にファンに浸透していることがうかがえる。

 価格帯の傾向としては、税込60万円台の上位2機種が販売本数を大きく牽引したが、「税込90万円超のモデルも健闘し、ブラックカラー×セラミック素材の人気が際立ちます」とのこと。ハイテクセラミックスを用いた精悍かつタフなモデルが、多くのユーザーの心を掴んだようだ。

 確固たる定番モデルの人気に加え、高価格帯や新サイズモデルへの需要も高まりを見せたベル&ロス。2025年のランキングは、ブランドが持つ多層的な魅力を強く印象付ける結果になったと言えるのではないだろうか。



ベル&ロス 銀座ブティック Tel.03-6264-3989


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