沖縄ならではの自然と文化に浸る「星のや沖縄」で、ラグジュアリーな非日常空間を

FEATUREその他
2025.12.13

星野リゾートが運営する「星のや」の、8施設目となる「星のや沖縄」は、自然海岸に囲まれたラグジュアリーリゾートだ。琉球文化を昇華させたグスクの居館をテーマに、沖縄ならではの自然と文化に浸ることのできる、非日常をゲストに提供する。

星のや沖縄

鶴岡智恵子(クロノス日本版):文
Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2025年12月13日公開記事]


「星のや沖縄」とは?

 2020年7月1日、星野リゾートは沖縄県中頭郡読谷村(なかがみぐん よみたんそん)に、「星のや沖縄」をオープンした。同社にとって8つ目となるこの施設のテーマは「グスクの居館」。沖縄や奄美諸島の史跡である“グスク”から着想を得た「グスクウォール」を経て一歩足を踏み入れると、沖縄ならではの自然と文化が形成した、独自のラグジュアリーな空間が広がっている。

施設概要

住所:〒904-0327 沖縄県中頭郡読谷村儀間474
電話番号:050-3134-8091(星のや総合予約)
客室数:100室
チェックイン/チェックアウト:15時/12時
料金:1泊17万円〜(1室あたり。税・サービス料込み。食事は別)※通常予約は2泊から受け付け
アクセス:那覇空港から車で約1時間(有料で空港リムジンバスあり)
星のや沖縄URL:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyaokinawa/


全室オーシャンフロントを実現

星のや沖縄

「星のや沖縄」は、全室でオーシャンビューを眺めることができる。写真はテラスリビングを備えた客室「ハル」からの絶景。

 星のや沖縄は、海岸線1kmに沿って客室が配されているため、全室でオーシャンフロントを実現している。なお、全室がベッドルームとリビンススペースを備える、スイートルームだ。

 また、ただ海に臨むのみならず、ゲストが近い距離で海を眺められるよう、2階までの低層とした。目の前には“イノー”と呼ばれる、サンゴ礁が育つ遠浅の海と、浜辺に自生する植物が存在する海岸が広がっている。この海岸は、掘削や砂入れをしていない、現在では沖縄でも珍しくなってしまった自然海岸だ。

星のや沖縄

写真は客室「フゥシ」。大きな窓のそばにソファを並べた、掘りごたつ式の床座リビングを備えている。

「最も贅沢な沖縄での過ごし方は『美しい海を眺めて暮らすように過ごすこと』だ」というコンセプトの下、季節を問わず、いつでも身近で海を楽しめる、通年型リゾートとしてデザインされている。

「暮らすように」というコンセプトを体現するのが、すべての客室に備えられた、大きなテーブルを有する土間ダイニングだろう。食事をしたり、一緒に非日常空間を過ごす相手と語り合ったり、ゆったりとくつろげる空間となっている。

星のや沖縄

広いテーブルが特徴的な土間ダイニング。星のや沖縄のシェフが下準備を済ませた料理を客室へ届けるギャザリングサービスを利用して、土間ダイニングにあるオーブンレンジやIHクッキングヒーターを使って調理すれば、プライベートな空間で出来立ての料理を楽しむことができる。

沖縄の工芸品の世界に触れられる内装やインテリアも必見。このベッドルームの壁紙は、沖縄で発展した染織、琉球紅型(びんがた)があしらわれている。デザインはヤギや月桃など、沖縄でなじみのある動植物をモチーフに、読谷村に伝わる民話や昔ながらの風習をストーリーとして加えた、星のや沖縄のオリジナルデザインだ。そのほか、客室には沖縄の焼き物である「やちむん」「金細工(くがにぜーく)」をはじめとした、さまざまな工芸品が取り入れられている。

 客室タイプは全部で4種類。「ティーダ(太陽)」「フゥシ(星)」「ハル(畑)」「ティン(天)」である。

星のや沖縄

100室ある客室のうち、わずか4室のみ用意された特別室が「ティーダ」だ。一棟建てで沖縄の自然を身近に感じられるティーダには、ふたつの独立したベッドルームと、1年を通して楽しめる加温式プライベートプール、そして屋外テラスのリビングスペースが設けられている。テラスの先の中庭は、直接海へと続いている。


星のや沖縄らしさが「グスクの居館」

星のや沖縄

海岸線と対になるように、陸地側から星のや沖縄全体を守るグスクウォール。海とグスクウォールによって、同施設は外界とは隔絶されたような空間となっている。

 星のや沖縄らしさが、「グスクの居館」をテーマとしていることだ。星のや沖縄は、海岸線と対になったように陸地側に建てられたグスクウォールに囲まれている。「もしも海沿いにグスクがあったならば」というイメージの下、細長く設計された星のや沖縄を、海ととともにグスクウォールで囲むようなつくりとしており、まるで外界とは切り離された、非日常のラグジュアリーな空間を強調することとなった。なお、グスクは元々、争いから生活を守ることを目的に建てられていたため、実際には山中や高台に存在していた。しかし星野リゾートは「平和な時代にグスクをつくったとしたら、美しい海が見える海岸沿いで、豊かな生活を育んでいるだろう」という想像を持ったがゆえに、現在の形となった。

星のや沖縄

グスクウォール越しであっても空が抜けて見えるよう、小さな穴が設けられている。この穴は、読谷村に受け継がれている伝統的な織物「読谷村花織」の模様となっており、縦に並ぶ3つの模様はそれぞれ「長寿」「裕福さ」「子孫繁栄」の願いを象徴している。

 グスクウォールには沖縄発祥の、超薄肉コンクリートである「HPC(ハイブリッドプレストレストコンクリート)」が用いられている。鉄筋の代わりに錆びないカーボンワイヤーを入れており、強度を保ちながらも薄く仕立てることが可能となったコンクリートだ。グスクウォールの総枚数は367枚。長さは約1kmとなっており、柔らかい土壌でも石壁が沈み込まないよう、平面なもの、反っているもの、膨らんでいるものの3タイプを組み合わせて、緩やかな曲線を与えた。

深海をイメージしたレセプション。色鮮やかな空や青が印象的な沖縄の景色を抜けて星のや沖縄に到着したゲストを、深い青に包まれた静かな空間へと誘うことで、非日常であることを強調する。外観はグスクの風景を彷彿させる、琉球石灰岩が使われている。

 ちなみに、レセプションはグスクウォールの外に設けられている。深海をイメージしたレセプションは、日常の世界から非日常の世界へと切り替わる場所と位置付けているためだ。

読谷村のやちむん作家である、大嶺實清(おおみね じっせい)が手掛けたシーサーがお出迎え。魔除けをしながらゲストと幸せを迎え入れ、未来を見続ける存在として、「未来獅子」の名が付けられた。


ラグジュアリーな滞在を楽しむ

 客室やレセプションのみならず、ゲストがラグジュアリーな滞在を楽しむための、さまざまな心遣いが用意されている。

 その最たるもののひとつが、新たな沖縄の食の楽しみを提案する、独創的な料理である。

星のや沖縄

ディナーが提供されるダイニング。白を基調とした空間には、広めに取られたテーブルや、ゆったりと腰掛けられる椅子が並んでいる。

 ディナーはダイニングで楽しむことができる。星のや沖縄でのみ楽しめるディナーコースは必食。「琉球ガストロノミア~Bellezza~」をコンセプトに、琉球王朝時代の交易がもたらした、医食同源の教えである“クスイムン”と“Bellezza」(イタリア語で美)”に着目したコースで、食事が導く健やかな美にフォーカス。亜熱帯の気候が育てる特有の食材に、琉球王朝時代から育まれた独自の料理文化、そして地方色豊かなイタリア各地の技法が用いられた品々が提供される。総料理長は政井茂。2021年より現職。

 また、前述した、客室で出来立ての料理を楽しめるギャザリングサービスや、海辺のカジュアルダイナーである「バンタカフェ by 星野リゾート」なども用意されている。

 1年中、24時間利用可能なインフィニティプールも滞在中に楽しみたい。

星のや沖縄

青い空と海に続いているような、インフィニティプール。プールサイドに用意されたデッキチェアでゆったりするのも良いだろう。

星のや沖縄

西海岸に面する星のや沖縄のプールでは、水平線に沈んでいく夕陽を堪能することができる。沖縄は冬でも15度を下回ることがほとんどなく、さらにプールは加温式。日本でこの時季にプールサイドで夕陽を眺められる機会は、星のや沖縄以外ではそう多くはないだろう。

 星のや沖縄のインフィニティプールは、もともと存在していた、海に突き出す崖のような地形を生かして建設されており、この場所でも海の近さを感じられる設計となっている。プールは加温式で、1年中、しかも24時間楽しむことができる。冬季には、プールサイドにランタンを配置し、冬の星空を温かいプールから眺める「夕映えホットプールアペロ」が開催される。年間を通して、沖縄の自然に触れられるのだ。

 そのほか、「沖縄の自然の力で養う」ことをコンセプトとしたスパや、ゲストが滞在中、沖縄文化体験の拠点とすることができる道場も用意されているのがユニークだ。


季節限定の特別プログラムも体験しよう!

 星のや沖縄では、季節によってさまざまなプログラムが用意されている。

 現在行われている必見のプログラムは、「琥珀香るアフタヌーンティー」だ。冬でも快適なプールサイドで優雅にすごしながら、沖縄県産ラム酒が使われたスイーツが供される。沖縄の代表的な作物であり、400年以上の歴史を持つサトウキビは、冬に収穫される。このサトウキビの搾り汁や糖蜜を原料とするラム酒を使ったアフタヌーンティーというのは、まさに冬にうってつけのものだ。近年は泡盛の酒造メーカーが沖縄県産のラム酒を造っている。ゴールドラムやホワイトラム、ダークラムなど、熟成期間や製法によって風味と色が異なるラム酒を、それぞれの特徴に合わせたスイーツやセイボリーに落とし込んでいる。期間は2026年2月28日(土)まで。

星のや沖縄

真鍮のティースタンドが沖縄らしいアフタヌーンティー。スイーツからセイボリーが、色鮮やかに並んでいる。料金は税・サービス料込みで、ひとり8000円となる。利用する4日前までに、公式サイトで予約しよう。
予約:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyaokinawa/

 2026年2月1日(日)〜18日(水)まで行われる琉球の新年に思いを馳せる「新年の宴」をはじめ、温暖な沖縄の冬ならではのプログラムをぜひ利用してみよう。

星のや沖縄

「新年の宴」では、沖縄で新年に楽しまれてきた琉球古典音楽が披露される。期間中、18時30分〜18時50分まで。料金は無料である。



Contact info:星野リゾート 広報 Tel.050-3537-2445


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