シチズン アテッサが2025年に打ち出した「Platinum Shine Collection」。ラインナップは3モデルで、すべてが限定生産となる。“プラチナムシャイン”の名からも分かるように、特別な輝きを放つこの腕時計は、どのようなものなのだろうか? 3つの特別な技術が発揮された本シリーズを解説する。

シチズン アテッサに「Platinum Shine Collection」が登場
シチズン アテッサは、1987年の誕生以来、軽量かつ高性能のチタンウォッチとして進化を続けてきた。とりわけ独自の表面処理を施したスーパーチタニウム™は、硬度を高めるのみならず、さまざまな色調や抗菌作用を持たせたモデルを実現しており、シチズンのウォッチメイキングを象徴するようなコレクションと言える。
そんなシチズン アテッサに加わった「Platinum Shine Collection」は、これまでのモデルとはひと味違う。本コレクションは「異なる処理の組み合わせ」によって、視覚的な複雑さと唯一無二の表情を追求しているのだ。
このコレクションを理解する鍵は、3つの技術的特徴にある。それぞれが独立した技術でありながら、相互に呼応することで、通常の腕時計にはない視覚的な深みを生み出している。
1. 結晶チタンの採用
本コレクションで目を引くのが、ブレスレットの中コマの“輝き”だ。この中コマには、「結晶チタン」が採用されている。この処理はチタン素材を高温で処理した後、冷却することで組成が不均⼀に結び付き、表面に結晶パターンを出現させたものだ。1本1本が異なる結晶模様を持ち、同じものはふたつとない。一般的な工業製品は均質性を重視するものだが、本コレクションは「個体差」を価値として打ち出している。

なお、シチズン アテッサにおける結晶チタンの採用は、2022年のHAKUTO-Rコラボレーションモデルが初。民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のランダー(月着陸船)の着陸脚パーツにスーパーチタニウム™が使用された実績を背景に、ベゼルとブレスレット中コマに初めて採用された。宇宙開発という極限環境での信頼性を、腕時計の意匠へと転用したのだ。
2. デュラテクトプラチナによる表面加工
前述の通り素材には、純チタンに表面硬化技術を施したシチズン独自のスーパーチタニウム™を採用する。特筆すべきは、結晶チタン部をはじめ、メインパーツに「デュラテクトプラチナ」という表面処理加工を行っていることだ。
本来、プラチナはHv50~Hv110という軟らかい貴金属であり、ガンガン使うことが前提となった実用時計への採用にはコストや耐傷性の壁があった。しかしシチズンは、独自の加工技術によりその輝きを損なうことなく、Hv1000~Hv1200というステンレススティールの約5倍の硬度を持ったチタン素材を実現した。
さらに特徴的なのは“メリハリ”ある色使いだ。ケースやブレスレットはデュラテクトプラチナ加工によってラグジュアリーな高級時計の領域であったプラチナの輝きをまといつつ、一方でベゼルにはサファイアクリスタルガラスのリングをあしらい、光沢あるブラックの色彩によって、スポーティーな印象も醸し出すというメリハリ効果も狙われているのだ。
3. ソーラーウォッチとは思えない質感の文字盤

通常、ソーラーウォッチは文字盤下に配されたソーラーセルに光を送るため、ポリカーボネートのような透過素材を用いることが一般的で、かつ文字盤の塗装や加飾に制約がある。しかしPlatinum Shine Collectionは、金属の塊から削り出したかのような重厚なテクスチャーを実現。丁寧に面取りされたインデックスや針の仕上げと相まって、高級機械式時計に比肩する、硬質で奥行きのある審美性を実現した。
なお、この文字盤は結晶チタンに共鳴している。文字盤のパターンは結晶チタンをイメージしたメタリック塗装が採用されており、かつ針、インデックス、見返しリングをすべてシルバーのトーンで統一。ブレスレットの「結晶」と文字盤の「塗装で表現した結晶」が視覚的に呼応し、モノクロームでありながら、光の反射角によって多彩な表情の変化を生んでいる。
このように、3つの技術を軸とした多層的なアプローチが、通常モデルとの決定的な差別化要因であり、シチズン アテッサが次の時代へ向けて打ち出す新たな方向性を示している。
「Platinum Shine Collection」の3つの限定モデルを紹介!
「Platinum Shine Collection」は機能とサイズが異なる3モデル構成されている。それぞれを紹介しよう。
CC4076-65A

光発電エコ‧ドライブ(Cal.F950)。月差±5秒。フル充電時約5年可動。スーパーチタニウム™ケース(直径44.6mm、厚さ15.4mm)。10気圧防水。世界限定2200本。36万3000円(税込み)。
「CC4076-65A」は、GPS衛星電波受信機能を備えたモデルだ。地球を周回しているGPS衛星からの信号を受信して時刻情報や位置情報を取得するため、世界中のどこにいても、GPS電波を受信できさえすれば、正確な時刻を表示することができる。また、ワールドタイム機能(39時差)や1/20秒クロノグラフ(24時間計測)、デュアルタイム機能、ホーム/ローカルタイム切替などを備えた、多機能モデルとなっている。
ケースサイズは横44.6mm、厚み15.4mmと、GPSウォッチとしてはコンパクトに収まっているものの、存在感はたっぷりだ。
新しい輝きと現代的な実用性を獲得した本作は、2200本のみ生産される。
AT8284-61A

光発電エコ‧ドライブ(Cal.H800)。月差±15秒。フル充電時約10カ月可動(パワーセーブ時)。スーパーチタニウム™ケース(直径42.0mm、厚さ10.8mm)。10気圧防水。数量限定2500本。20万3500円(税込み)。
AT8284-61Aは、直径42.0mm、厚み10.8mmというベーシックなサイズ感のモデルだ。
また、Cal.H800を搭載しており、日本の福島局と九州局、中国、米国、ドイツ、そしてイギリスの6局の標準電波を受信して自動で時刻修正する電波時計にもなっている。そのほか、リュウズ操作のみで時差切替が完結するダイレクトフライト機構や1/20秒クロノグラフ(60分積算計)、24時間表示、デイ&デイト、パーペチュアルカレンダーを備えている。10気圧の防水性能と相まって、デイリーユースにうってつけの1本だ。
CB0284-66A

光発電エコ‧ドライブ(Cal.H145)。月差±15秒。フル充電時約2年可動(パワーセーブ時)。スーパーチタニウム™ケース(直径40.6mm、厚さ10.6mm)。10気圧防水。数量限定1400本。18万7000円(税込み)。
CB0284-66AはPlatinum Shine Collectionの中で、最もコンパクトな直径40.6mm、厚さ10.6mmのケースを備えたモデルである。また、文字盤はシンプルな3針とデイトのみの表示となっているため、結晶チタンを模したパターンがあしらわれた文字盤を観賞しやすい。
搭載するムーブメントはCal.H145で、AT8284-61Aと同様、世界6局の標準電波を受信する。なお、ワールドタイム機能(26時差)、パーペチュアルカレンダーも搭載する
外装はスーパーチタニウム™にデュラテクトプラチナを施し、ベゼルにはデュラテクトDLCを配するバイカラー構成。中コマの結晶チタン×デュラテクトプラチナという外観コンセプトは3モデル共通だが、40mm径のケースサイズと相まって、最も上品で洗練された印象を与える。
まとめ|「Platinum Shine Collection」で押さえるべきポイント
「Platinum Shine Collection」は、結晶チタンを採用することで、結晶模様そのものを“輝き”として見せるシチズン アテッサの新しいコレクションである。同時にケースとブレスレットにはスーパーチタニウム™を採用し、軽量であることはもちろん、デュラテクトプラチナ由来の耐傷性と美観も獲得した。
すべてのモデルが限定生産となるため、気になるユーザーは、早めのチェックをお勧めする。



