ブライトリングの“ドレッシーな計器”を手元に。「ナビタイマー オートマチック 36」を着用レビュー

2026.01.13

2023年、ブライトリングの「ナビタイマー」に加わった、直径36mmケースの「ナビタイマー オートマチック 36」。今回このコレクションのうち、シルバー文字盤とバーガンディーカラーのストラップを備えたモデルを1週間にわたって着用したので、レビューする。本作はナビタイマーという計器を巧みにドレスアップさせており、このキャラクターが新たな購買層へとブランドの裾野を広げるとともに、既存のブライトリングファンの心をもつかむだろう。

ブライトリング ナビタイマー オートマチック 36

鶴岡智恵子(クロノス日本版):写真・文
Photographs & Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2026年1月13日公開記事]


ブライトリングの「ナビタイマー オートマチック 36」を着用してみた!

 いかにも堅牢そうな大ぶりのケースに、時間以外の数値を計測するためのスケールがあしらわれた文字盤を持った「計器のような時計」の作り手──。ブライトリングに対して、そんなイメージを持っていたユーザーも多いのではないだろうか。しかし2017年にジョージ・カーンがCEOに就任して以降、同ブランドの“計器”には、洗練が加えられた。この変化を味わいやすいコレクションのひとつとして、「ナビタイマー」を挙げたい。

 ブライトリングファンで知らない人はいないであろう、パイロットウォッチのナビタイマー。1952年に初代モデルがリリースされた同コレクションは、クロノグラフとパイロット向けの回転計算尺を備えたスタイルをアイコンに、現在ではブライトリングを代表する腕時計として知られている。しかし2018年、クロノグラフまたは回転計算尺を持たない、シンプルなバリエーションが登場。以降、昔ながらのナビタイマー(もっともクロノグラフのないモデルは、1950年代の初期ナビタイマーに存在していたとのこと)も後発のナビタイマーもともにコレクションを飾っていくが、サンレイが強くかけられたニュアンスカラーの文字盤や小径ケースを持ったモデルなど、モダンなバリエーションが次々と登場している。

 今回1週間着用したのは、そんなモダンなナビタイマーのうち、2023年に新サイズとして加わった36mm径ケースを備えた「ナビタイマー オートマチック 36」だ。

ブライトリング ナビタイマー オートマチック 36

ブライトリング「ナビタイマー オートマチック 36」および「ナビタイマー オートマチック 32」
2023年にコレクションに加わった、小径サイズの「ナビタイマー オートマチック 36」および「ナビタイマー オートマチック 32」。今回着用したのは、写真中央のRef.A17327211G1P1だ。自動巻き(Cal.ブライトリング17)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径36mm、厚さ11.42mm)。3気圧防水。66万5500円(税込み)。

 本作は上品なシルバー文字盤にゴールドカラーの針とインデックスが採用されたモデルで、目を引くバーガンディーカラーのストラップを備えていることも特徴的である。2017年以降のブライトリングは洗練に加えて、女性をターゲットにした製品開発にも力を入れており、女性である私にとっては、大変喜ばしい。長らくナビタイマーは憧れる腕時計のひとつであったが、どうしても自分の手首回りには大きかった。かつてナビタイマーの派生モデルであった「モンブリラン」が直径38mmケースで、一時購入を検討したものの、生産終了しており、なかなか良い個体に出合わなかったことも思い起こされる。そんな中、2020年に直径35mmケースのナビタイマーがリリースされた時は「小ぶりなナビタイマー!」と驚かされるとともに、喜びが込み上げてきた。なお、現行の40mm径以下のナビタイマーは36mmまたは32mmのみの展開となる。

 余談だが、今回着用レビューのネタをブライトリング・ジャパンに相談した際、いくつかのモデルを提案してもらった。迷ったが、バーガンディーカラーのストラップが決め手となり、本作にした。ブラウンやブラックのストラップが多かったナビタイマーの中で、このバーガンディーに独創性を感じ、また、ナビタイマーの計器感のある意匠を和らげていると感じたためだ。仲良くさせてもらっている女性の時計愛好家も、自身のナビタイマー オートマチック 36用に、このバーガンディーカラーのストラップをオーダー中とのこと。やっぱり良いよね、バーガンディーとナビタイマーの組み合わせ。


言うまでもなく実用時計として完成された1本

ブライトリング ナビタイマー オートマチック 36

ツヤのあるバーガンディーストラップが個性的。ステッチがホワイトであるため、メリハリの効いたデザインになっているのも、個人的には好感が持てるポイント。

 そんなナビタイマー オートマチック 36を1週間、着用した。改めて言うまでもなく、ブライトリングは実用時計のつくり手として、非常に優れたブランドである。そんな同ブランドの強みが変わらずに生かされているのが本作である。

 まず着用感について。本作のケース直径は36mm、厚さ11.42mmと、従来のナビタイマーに比べれば小ぶりだが、決して小さいわけではない。むしろレディースウォッチとしては大きめの部類に入るだろう。しかし決して着用感は悪くない。ケースのラグからラグにかけての全長が41.77mmと抑えられており、加えて重すぎないためであろう。ちなみに公称値の重量は60gだ。

ブライトリング ナビタイマー オートマチック 36

ベゼルがやや肉厚ではあるものの、ケース自体は薄い。手首に沿うようにラグが湾曲していることも、着用感を高めているポイントだ。

 視認性も良好だ。本作はシルバー文字盤にゴールドカラーの針・インデックスを備えており、このゴールドが淡いピンクゴールドの色味であるため、強い光源下では文字盤のシルバーに埋没してしまうのではないかと思った。特にインデックスが細身で、ドレッシーな印象をもたらす一方で見にくいのではないか、と。しかしながらこのインデックスが立体的であり、針とともにポリッシュに仕上げられていることで、むしろ屋外できらめき、判読性に問題ないことはもちろん、手元で存在感を放ってくれた。秒針の先端が赤いことも、直感的な見やすさに寄与している。

 ただし、この秒針が外周のスケールまで届いていなかったため、キッチリ秒を確認するというのに慣れが必要だった。もちろんこの仕様は文字盤外周に計算尺のスケールが与えられているためであり、そもそも使っていくうちに慣れたが、厳密な秒合わせに自信がなかったので、今回精度は計測しなかった。

ブライトリング ナビタイマー オートマチック 36

リュウズは非ねじ込み式。大きく、かつ切り込みが入れられているため、引き出しやすく操作もしやすかった。自分を含め、自分のようにネイルをしていると、このリュウズが薄すぎたり引き出しにくかったりすると、ストレスを感じてしまう。

 厳密な精度計測はしなかったが、1日10〜15時間着用し、3日使ったところで大きなズレはなく(一応使い始めに自分なりにキッチリ秒まで合わせて、72時間経過時点で+3秒程度)、巻き上げ効率にも優れていることが分かる。そんな本作に搭載されている自動巻ムーブメントはCal.17。汎用ムーブメントをベースにしているためパワーリザーブ約38時間と、現代の基準としては短いとはいえ、前述の通り使っている間は主ゼンマイがよく巻き上げられ、操作性も良いため、不便は感じなかった。

 防水性が3気圧しかないため、レザーストラップであることと併せて、夏場や突然の雨、手洗いの際には注意が必要だ。


計器感とドレススタイルの両立

ブライトリング ナビタイマー オートマチック 36

ビーズ装飾があしらわれたベゼルはデザイン面でのアクセントのみならず、指でのグリップのしやすさにも寄与している。

 冒頭でも記したように、ナビタイマーと言えば、回転計算尺の存在によって計器然とした意匠となっており、ブライトリング“らしさ”のひとつであった。この計器感を崩さず、しかしドレッシーでエレガントなスタイルを巧みに融合させたことが、本作の大きな特徴であり、美点であると、今回の着用を通して感じた。

 例えば回転ベゼルの外周にあしらわれたビーズ状の装飾や、翼のない「B」のみのシンプルなブランドロゴが、ドレスウォッチのクラシックでミニマルな性格を表現する。細身のバーインデックスや細身のラグ等に代表されるように、元々ナビタイマーはスポーティーな印象の強い「クロノマット」や「スーパーオーシャン」に対して、エレガントな性格も強く有するコレクションである。そんなナビタイマーを、女性をターゲットにしていることもあるためか、よりエレガントに、よりドレッシーに仕立てているのだ。

 こういった、計器感とドレススタイルを巧みに両立している腕時計というのは、そう多くない(そもそもツールではなく、“計器らしい時計”が少ない)。計器であるとともにドレッシーな腕時計であるという本作のキャラクターは、「人気ブランドから選びたいけど、人と違った腕時計がほしい」というニーズを、上手にくみ取っている。奇抜さはないのに独創性にあふれる高級腕時計として、他ブランドにはない確固たる個性を確立していると言える。


ドレッシーに着けこなせる計器・ナビタイマー

 ブライトリングの「ナビタイマー オートマチック 36」を着用レビューした。

 計器のような腕時計というキャラクターにドレッシーな要素を加えた本作を着用した筆者は女性であるが、ケースは小さすぎず、また、ナビタイマーの特徴である回転計算尺も搭載されているため、男性が中心であろう、既存のブライトリングファンにもオススメだ。このドレッシーな計器は、ビジネススーツの袖口にスッと収まり、エレガントに着けこなせるだろう。バーガンディーストラップがややフェミニンだと感じるならば、別売りのブラウンやグレーのアリゲーターストラップに付け替えても良い。

“洗練”によって、より購買層を広げたブライトリング。スタートを切った2026年も、きっとさまざまなモデルが展開されるだろう。そんな「これから」を楽しみにさせてくれる腕時計であったことも、付け加えておく。



Contact info:ブライトリング・ジャパン Tel.0120-105-707


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