衛星通信可能なスマートウォッチ「Apple Watch Ultra 3」の機能をチェックしてみよう

FEATURE WatchTime
2026.02.19

バッテリー容量が大きく頑丈なアップルウォッチ ウルトラの最新モデル「Apple Watch Ultra 3」が2025年の9月に発売された。このモデルの大きな特徴は最新のwatchOSを搭載しており、「高血圧パターンの通知」や「AIワークアウト・バディ」といった機能を使えるところにあるのだ。

『WatchTime』ドイツ版2026年1月2月号
Text by daniela pusch
© WatchTime Germany
Originally published in WatchTime Germany
Reprinted with permission.
[2026年2月19日掲載記事]

実際にApple Watch Ultra 3を着用してみた

 初めて筆者が「Apple Watch Ultra 3」を身に着けたのは、肌寒い秋の朝だった。手首に載せると、縦49mm、横44mmという存在感がしっかりと伝わってくるサイズだ。存在感のあるサイズではあるが、朝のランニングを妨げない、約62g弱という軽量さも兼ね備えた出来だ。アップルはこれを「史上最も進歩したアップルウォッチ」と呼んでいる。

アップル「Apple Watch Ultra 3」
Tiケース(縦49mm、横44mm、厚さ14.4mm)。100m防水。12万9800円(税込み)から。

 なお、テキスタイルのループストラップは、この全体の印象に心地よく馴染んでいる。柔らかく、上質な仕上がりで、交換も簡単。しかしそれでもなお、アップルはより小さなサイズを提供してはいない。そのため、細い手首では本作はどうしても大ぶりに見えてしまう。


より大きく、より明るく、常に視認可能

 外観に注目すると、Apple Watch Ultra 3は先代モデルに忠実だ。少なくとも一見した限りではそのフォルムは以前のモデルを維持している。しかし、アップルは既存のスペースをより有効に活用した。要するに、画面の縁を細くすることで、アップルウォッチ史上最大のディスプレイ領域を確保したのだ。

 広視野角有機ELを採用した新世代のLTPO3ディスプレイは、ほぼあらゆる角度から驚異的な視認性を実現している。常時表示ディスプレイは1Hzで動作するようになり、手首を動かさなくても秒針の滑らかな動きやアニメーション化された時刻機能が初めて可能になった。

 422×514ピクセルの解像度は、深い黒と3000ニトを超えるピーク輝度に支えられ、コンテンツを極めて鮮明に描き出す。これは、強い日差しの中で活動することの多いアウトドアユーザーにとって理想的だ。

 チタン製ケースとサファイアクリスタルの組み合わせは、実際に使用してみると非常に優れた耐久性を証明した。テスト期間中、この腕時計に傷や凹みがつくことは一切なかったのだ。100m防水も備えているため、ウォータースポーツや雨天時のアドベンチャーにおいても信頼できるパートナーである。

本作はチタン製のケースを備えたモデルであり、ケース側面にアクセントとしてラインが入っている。コンパスやナビゲーションなどが表示されたウェイポイント文字盤はアウトドアにもってこいだ。

 新しい「ウェイポイント」文字盤は、アウトドアへの関心を改めて証明するものではないだろうか? コンパス、ナビゲーション、ナイトモードといった機能が中央に集約され直感的に呼び出すことが可能だ。高精度なダブルタップを含むおなじみのジェスチャーも、「Apple Watch Series 11」と同様に極めてスムーズに機能する。


より長くつながり、より長く旅をする

 Apple Watch Ultra 3は約42時間駆動し、低電力モードでは約72時間での駆動となる。この長時間駆動は、それまでのどのアップルウォッチよりも長い。とはいえ、ガーミンの多くのモデルの約1週間という持ち時間にはまだまだ遠い。

LTE回線の電波が入らないところでも衛星経由でSOSの電波を発することができる。2025年12月から日本でも使用でき、なおかつ衛星経由での通信は今のところ使用料はかからない。

 それよりも最大の飛躍は、衛星経由のSOSとメッセージの送受信が可能となった。なお、iPhoneの比較的新しいモデルでもこの衛星通信に対応。どちらのデバイスでも、極限状態で命の危機が迫ったときに「ヘルプ」の連絡を送れるようになったのが大きなポイントだ。緊急通報や位置情報の送信、そして緊急時の連絡手段として利用できる。LTE回線のつながらないところに出かけ、孤立したとしてもこのデバイスさえあれば緊急時に衛星経由で連絡が可能だ。


高血圧の兆候を知らせる新機能

 特筆すべき機能のうちのひとつが、2025年12月4日に日本でも使用可能となった「高血圧パターンの通知」は、本作の注目機能のひとつだ。Apple Watch ultra 3は30日間にわたり日常的な心拍データを分析し、長期的な心拍データの変化から、高血圧の傾向がある場合に通知を行う。

 なお、本機能は直接的に血圧を測定するものではないため、医療機関への受診が推奨される。自覚症状の乏しい生活習慣リスクに対して、日常的な装着デバイスが注意喚起を行う点に大きな意味があるのではないだろうか?

睡眠、フィットネス、そしてモチベーション

 「睡眠スコア」も本作に搭載されるwatchOS 26にて新たな機能が追加された。心拍数、呼吸数、血中酸素ウェルネス、睡眠ステージといったデータがただ表示されるだけでなく、それを総合的にまとめ上げスコアとして提示するようになったのだ。加えて、Apple Watch Ultra 3ならではの機能として、搭載された高血圧検知センサーが睡眠時の血圧パータン異常を検知し、それを睡眠スコアへ反映させるというものである。

 また、watchOS 26で実装された新機能「AIワークアウト・バディ」は、単なる励まし役にはとどまらない。アップルインテリジェンスが心拍変動や地形データをリアルタイムで解析。例えばランニングならばAirPodsを通じて「今の登り坂はペースを落として、ラスト2kmにスタミナを残そう」といった行動の目安を提示してくれるのだ。

 この機能はほかの数多くのスポーツでも専属コーチのように対応してくれる。高精度センサーが収集したデータを取るべきアクションへと明示してくれるのが、この新機能「AIワークアウト・バディ」の売りである。


アップルウォッチらしいデザイン。選べるストラップ

 さてデザインに注目してみよう。ここはいかにもアップルウォッチらしい。チタン製のケースが採用されており、チタンそのものの色味か、ブラックカラーの2種類から選ぶことができる。さらにストラップは購入時に選択が可能だ。

ストラップは購入時に選択できる。左から「オーシャンバンド」「アルパインループ」「トレイルループ」だ。

 まずはファブリック素材を採用し、バックルでしっかりと固定する「アルパインループ」。その名から分かるように、登山やハイキングでの利用を想定しているようだ。同じくファブリック素材を用いられているが、スポーツに適したベルクロでカジュアルにとめる「トレイルループ」もラインナップに加えられている。

 次に、ダイビングに適した柔軟なチューブ状のフルオロエラストマーを採用した「オーシャンバンド」都会的な印象を与える「チタニウムミラネーゼループ」という選択肢もある。Apple Watch Ultra 3は、オフィスとアウトドア、どちらにも適したスタイリングで楽しむことができるのだ。


デザインと冒険の融合

 Apple Watch Ultra 3は、パフォーマンス、安全性、デザイン、および健康機能を、明確にプレミアムセグメントに位置づけるレベルで融合させたスマートウォッチだ。これはガーミン「Fenix 8 Pro」のようなアドベンチャー方面に特化したスマートウォッチに対する、現代的なスマートウォッチとしての快適さを、優等生的にフル装備した回答と言えるのではないだろうか?

 価格はストラップの種類の組み合わせにもよるが、12万9800円からと決して安くはない。しかし、アウトドアスポーツを趣味とし、よく旅行に出かけ、広範な健康データを重視する人、あるいは単に技術的に最高の装備を備えたアップルウォッチを求める人にとって、これは正しい選択となるだろう。

 しかし、心残りは正直なところある。本作Apple Watch Ultra 3はiPhoneでしか機能しないということだ。Androidユーザーは対象外であり、iPhoneユーザーであっても対応するiPhoneとの連携が必要。しかし、それ以外の人々にとって、本作は「考え、励まし、いざという時には命を救ってくれる」相棒となるのだ。例え携帯電話の電波が通じなくなった世界でも、である。 



Apple Watchはなぜ、スマートウォッチ以上の存在になれたのか? 健康や生命を守るデバイスとしてのApple Watch Ultra 2

FEATURES

Apple Watch 10周年を記念して、これまでの歩みと10年間の集大成であるSeries 10を振り返る

FEATURES

Apple Watch Series10は「10年にわたるApple Watch進化の集大成」だ!

FEATURES