スタッフとのコミュニケーションを通じて、満足度の高い腕時計が選べると定評のあるISHIDA。その中でもTime Vallée ISHIDA Azabudai Hills(タイムヴァレー ISHIDA 麻布台ヒルズ)は、世界共通のエレガントな設えを特徴とする “マルチブランドブティック” 。これまでにないショッピング体験が楽しめる時計店として、2024年のオープン以来、注目を集めている。

住所/東京都港区虎ノ門5-8-1
麻布台ヒルズ ガーデンプラザA1階
営業時間/11:00~19:30
定休日/施設に準ずる
Photographs by Masahiro Okamura (CROSSOVER)
竹石祐三:編集・文
Edited & Text by Yuzo Takeishi
[クロノス日本版 2026年5月号掲載記事]
新感覚のショッピング体験を享受できるマルチブランドブティック
東京都心の新たなランドマークとして、2023年11月に開業した麻布台ヒルズ。その広大な敷地の中にある、有名ブランドのブティックが並ぶ閑静なエリアの一画に、時計愛好家にとっての新たな聖地は誕生した。
タイムヴァレー ISHIDA 麻布台ヒルズがオープンしたのは2024年4月。そもそもタイムヴァレーとは、高級ウォッチメゾンを擁するリシュモン グループが14年に設立した高級時計とジュエリーの販売店で、現在はアジアを中心に、ヨーロッパやアメリカなど、世界各地で約50店舗を展開している。ここ麻布台ヒルズの店舗は、日本における第1号店。その戦略パートナーとして運営にあたるのが、東京、大阪、札幌に正規時計販売店を展開するBEST ISHIDAだ。
ユニークなのはその形態。全国には正規時計販売店が点在する一方で、近年はひとつのブランドを扱うオンリーブティックも増えている。その中でタイムヴァレー ISHIDA 麻布台ヒルズは、ヴァシュロン・コンスタンタンやジャガー・ルクルト、IWCといった、リシュモン グループに属するブランドに加え、シャネルやショパール、ゼニスなどを含めた全11ブランドを展開する “マルチブランドブティック” を標榜。従来の時計店にはない独自のスタイルを打ち出している。

本作を印象付ける表側のディープブルーラッカーダイアルは、20回ものラッカー塗装によって仕上げられたもの。ダイアルと色調を揃えたブルーのカーフストラップに加え、テキスタイルストラップも用意され、インターチェンジャブルシステムによって交換も容易に行える。手巻き(Cal.854)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KPGケース(縦47×横28.3mm、厚さ9.613mm)。3気圧防水。448万8000円(税込み)。
店内は「TIME VALLÉE」のロゴが配された中央の柱とショーケースを7ブランドのコーナーが取り囲み、階段を上がった中2階にはシャネルとショパールのコーナーを配置する広々としたレイアウト。各コーナーはブランドによって異なるコンセプトを取り入れているものの、店内全体はシャンパンゴールドとベージュで彩られ、さらに時計製造で有名なジュウ渓谷を想起させる波模様といった、タイムヴァレー全店舗共通の装飾が巡らされているため、明るく開放的で統一感もある。また、店長の燕宣樹さんが「タイムヴァレーの統一された世界観の中で、すべてのブランドをフラットな目線で楽しめる」と説明する通り、各コーナーの間に仕切りはなく、代わりに適度な間隔を保ったシームレスなレイアウトを採用しているのも特徴のひとつ。つまり、ひとつのブランドに没入することなく、さまざまなブランドを比較検討しやすいようになっているのだ。これこそ、マルチブランドブティックの看板を掲げる同店らしい設計といえるだろう。
店内北側には外光がたっぷりと注がれる大きな窓も設置。室内光だけでなく、さまざまな天候下で時計がどのように映るのかを、試着しながら確かめられるのも来店者にとってのメリットだ。

同社の名作を現代の技術によってよみがえらせたヒストリークコレクション。本作は、1921年にアメリカ市場向けに発表された時計を再解釈したモデル。斜めにレイアウトされたダイアルと1-2時の間に配置されたリュウズは独創的であるだけでなく、実用性も備えている。手巻き(Cal.4400 AS)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KWGケース(縦40×横40mm、厚さ8.06mm)。3気圧防水。668万8000円(税込み)。
さらに燕さんは「他のISHIDAの系列店舗は、店ごとのカラーや地域性を出しているところが魅力ですが、タイムヴァレーは世界共通のコンセプトを守りつつ、日本の、しかも世界に数店しかない旗艦店らしさをどのように表現していけるかを日々考えています」とも語る。例えば店内装花を季節ごとに替えたり、月見の時期にはムーンフェイズウォッチを多く揃えたりするなど、日本の文化行事を絡めながら来店者を楽しませるのも、そうした試みのひとつだ。
季節の移ろいを感じながら11ブランドの “ブティック” を見て回り、満足いく1本を選べるタイムヴァレー ISHIDA 麻布台ヒルズ。時計選びの伴走者としての新たなスタイルが感じ取れる店舗だ。

ジェラルド・ジェンタが1970年代にデザインした「インヂュニアSL」の特徴を踏襲しつつ、外装デザインやムーブメントをアップデート。現行のインヂュニアを象徴するグリッドダイアルは独特な「アクア」カラーで彩られ、装着時には手首に軽快な印象をもたらす。自動巻き(Cal.32111)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.7mm)。10気圧防水。192万1700円(税込み)。
Message for Customers

新しい街、麻布台ヒルズに誕生したタイムヴァレー ISHIDA 麻布台ヒルズは、お客様が時計とジュエリーをお選びいただき、そして「感動」と「笑い」と「夢」を経験していただけるお店です。麻布台ヒルズのお店や、季節ごとのイベントともコラボレーションしますので、新たな体験を楽しんでいただけます。私たちの役割は、麻布台ヒルズの「街の時計屋」です。なんでもご相談ください。BEST ISHIDAグループでしっかりと対応いたします。
JAEGER-LECOULTRE

「ジャガー・ルクルトの左隣にはIWCがコーナーを構えているので、作風の異なるふたつのブランドを比較できるのがマルチブランドブティックならではの強み」と語るのは土橋さん。品格のあるコレクションと同様、コーナーの作りにも落ち着いた雰囲気を漂わせている。おすすめモデルとして挙げたのは「レベルソ・トリビュート デュオ・スモールセコンド」。「人気の高いレベルソ・トリビュートの中でも、これは深みのあるブルーダイアルとピンクゴールドケースとのコントラストが印象的なモデルです。裏面はシルバーダイアルで雰囲気が変えられるうえ、第2時間帯も表示できるので実用性も高くなっています」(土橋さん)。

VACHERON CONSTANTIN

1階奥のゆったりとした空間で存在感を示しているのがヴァシュロン・コンスタンタン。「タイムヴァレーの中でも核となるブランドのひとつなので、広いスペースの中でメゾンの世界観を存分に感じてもらえるようにしています」(燕さん)。銀座のブティックに近い店舗であるにもかかわらず、ブティックに劣らない十分な品揃えも強み。その中でも同店がすすめるのが「ヒストリーク・アメリカン 1921」だ。「一見、デザインは独特なのですが、ダイアルのデザインバランスや8.06mmに抑えられたケースの厚みなどによって、手首に載せたときの佇まいがいい時計です。ヴァシュロン・コンスタンタンのデザイン哲学が表れた、完成度の高い1本です」(燕さん)。

IWC

「コンパクトなショーケースは見やすい高さに設定され、しかもケース内はコレクションごとに分類してディスプレイできるため、時計を選びやすくなっています」と説明するのは、IWCを担当する山室さん。おすすめモデルは「インヂュニア・オートマティック 40」。「ジェラルド・ジェンタが手掛けた有名な時計の陰に隠れてはいますが、インヂュニアも実に完成度の高い時計。アクアと名付けられたダイアルカラーのモデルを選んだのは、その鮮やかな色合いと、代表的な直径40mmモデルの中でもブレスレットのリンクを鏡面で仕上げた、数少ないモデルであること。インヂュニアの中でも、よりエレガントな表情に仕上げられています」(山室さん)。




